スタパ齋藤の「スタパトロニクスMobile」

有名スマホリング「iRing」の新型を使ってみた

ずれて、外れて、ワイヤレス充電対応

 スマートフォンなと端末のホールド感を向上させる「スマホリング」の類。ナニカと便利だし落下防止にもなるので、筆者もけっこう使います。ですが、ここ一年ほど「アレを付けているとQi充電ができないからな~」と微妙な気分でおりました。

 そこに颯爽と登場したAAUXXブランドiRingの新型。モノは「iRing Link」(公式ページ)と「iRing Slide」(公式ページ)です。ワイヤレス充電対応のスマホリングということで、即購入! さっそく使ってみました。

AAUXXの「iRing Link」。従来のiRingと同様の利便がありつつ、リング部分がズレて外れることでワイヤレス充電に対応するというスマホリングです。カラーバリエーションは5色で、直販価格は1個税込2894円。
AAUXXの「iRing Slide」。背面にスライドするリングを備えたケースで、iPhone 6/6s/7/8/XおよびiPhone 7 Plus/8 Plus用があります。リングをスライドさせるとワイヤレス充電が可能。それぞれクリアとブラックがあり、直販価格はどれも税込3218円。

 iRingってリング形状が独特でホールド感が良く、粘着力が強すぎず弱すぎずでちょうどイイ感じで、かなり便利に使っていました。でも、Qi充電台でスマートフォンを充電し始めた頃から、iRingのリングが邪魔に。ほかのスマホリングでも同様ですが、スマホ背面にリングを貼っている状態だと、まぁだいたい充電できません。

 スマホリングの類は貼り剥がしが可能で、スマホケース背面に貼って使うことも可能。なので、Qi充電時だけリングを剥がすとか、ケースからスマホを取り出せば、充電はできます。でも、そんなことをすると、Qi充電の「置くだけで手軽に充電♪」という良さが完全に台無しに。

 んん~iRingもQi充電も便利なんだけど、両者は共存できないのか……と、モヤモヤしていたところ、これら「iRing Link」と「iRing Slide」が登場。6月下旬に発売された瞬間、すぐに飛びついて使用開始! てなわけで移行、これらワイヤレス充電対応スマホリングの機能性や使用感などをレポートしてみたいと思います。

ハダカ派向きのiRing Link

 まずは「iRing Link」(公式ページ)から。従来のiRingと基本的には同じですが、台座部分からリング部分をスライドして外せる点が大きな特徴です。ハダカ状態のスマートフォンに貼るのに向くタイプでもあります。もちろん、ケースの上に貼るのもいいと思いますが、その場合はケース裏面がツルツルしていないとリングが剥がれやすくなりがちなので、ちょっと注意が必要です。

こちらは普通のiRing。表側に自由に動くリングがあり、裏側に貼り剥がしが可能な粘着面があります。
こちらはiRing Link。見た目やリングの動きは普通のiRingとあまり変わりません。裏面に粘着面があるのも同じです。ただしこの粘着面、プレート状のパーツになっていて、リング部をスライドさせて外すことができます。プレート部とリング部は完全に分離できます。
iRing LinkをiPhone Xに貼り付けた状態。やや力を込めてリング部を下方にスライドさせると、写真のように外れます。スマホ側に残るプレート状パーツの厚みは約1.8mm(実測値)。素材は樹脂なので、リングを外した状態ならワイヤレス充電ができそうです。
左写真はリングを外さすにQi充電台に乗せた状態ですが、スマホが傾きつつ、やはり充電できていません。右写真はリングを外して充電台に乗せた様子。問題なく充電できました。

 こんな感じで、リングをスライドして外せるしくみを備えたiRing Link。シンプルなしくみですが、ありそうでなかったアイデアですね~。プレート部の厚みは実測で約1.8mmなので、リングを外した状態でも出っ張りが気になるようなことはほぼありません。平置きのQi充電台のほか、縦置きの充電台も試しましたが、プレート部の僅かな出っ張りからくる不便などもなく、フツーにワイヤレス充電できて便利です。

 リングはプレートからずらして外すわけですが、少々力が要ります。コツをつかめばラクに外せるという程度の「力の込め具合」ですが、不意に外れることはまずないだろうという固定力です。ちょうど良い硬さという感じで、扱いやすく安心感もあります。

 使い慣れると、リングを軽く外せるようになります。ちょっとコツがありますが、リングを斜め下に軽く持ち上つつ下に引くと、とても軽い力で外せます。

 なお、iRing Linkに限らず、スマホリングに共通して言えることですが、貼り剥がしするスマホ側の面をしっかり「脱脂」するのが大切です。皮脂や指紋や汚れが残っている状態で貼ると、十分な粘着力が発揮されず、スマホリングがすぐ剥がれてしまいます。貼り剥がしするスマホ側の面の汚れをよく落とし、さらにアルコールなどで油分を除去(つまり脱脂)してから貼りましょう。

ケースにスライド式iRingが付いたiRing Slide

 続いて「iRing Slide」(公式ページ)。iPhone用のポリカーボネート製ジャケットで、iPhone 6/6s/7/8/XおよびiPhone 7 Plus/8 Plus用が用意されています。色はそれぞれにクリアとブラックがあります。

 ケース背面に自由に動くリングがあり、そのリングは上下に段階的にスライドします。リングを最下段にスライドさせてワイヤレス充電するという使い方です。

iRing Slideはポリカーボネート製のiPhone用ジャケット。ブラックとクリアがありますが、クリアのほうは透明に近い半透明で、硬質なジャケットです。背面には自由に動くリングがあり、リング位置は背面中央から下まで段階的に動かせます。
左写真はリングを中央の位置で充電台に置いたところ。ワイヤレス充電できませんでした。写真右はリングを下までずらして充電台に置いたところですが、問題なく充電できました。

 この製品もまた、ありそうでなかった感じですね~。実際に使って感じるのは、「iPhoneにケースを装着してその裏面にスマホリングを貼って使っている人」にかなり好まれそうということ。というのはまず、ケースとリングはまず外れることがないので、不安感が非常に少ないです。ケース自体もiPhoneをガッチリ掴むくらいのホールド力。安心感という点では最強レベルのスマホリング製品だと思います。

 また、リングが段階的に可動するというのも便利。リングの位置を貼り剥がしによって調整するのではなく、カチカチカチッと必要に応じて動かせるのはじつに好都合です。ちなみに、ケースからリングを取り外すこともできます。

 それと、iPhoneジャケットとしてもイイ感じ。前面周囲には僅かな出っ張りがあり、画面を下にして置いた場合でも机面に画面が接触しません。背面にもある程度の厚さがあるので、iPhone XやiPhone 8 Plusなど「背面カメラが出っぱっている機種」の場合、カメラ部に対する保護性もあります。

 ただ、かなりガッチリと端末をホールドするポリカーボネート製のハードジャケットなので、「端末の出し入れがけっこーキツい」という感じです。でもまあ、そのぶん、端末をしっかりホールドしてくれるので、ケースと一体構造のリングという点も含め、安心感が非常に高いです。

スマホリングはココが便利

 順序が逆って感じですが、最後にスマホリングの利便について改めて。思いつくままに挙げますと、まずスマホを落としにくくなること。リングに指を通して使いますので、相当なことがない限り「スマホをうっかり落とした」ということにはなりにくいです。

 それから指1本でスマホをホールドできますので、親指などでのスマホ操作範囲が広がること。リングによりスマホを確実にホールドし続けられますので、「ちょっと無理をしつつのタッチ操作」などがかなり容易になります。

 簡易的なスマホスタンドになることも、ちょっと便利。リングを立て気味にして、スマホ画面をこちら向きにして置けるんですね。画面を見つつメモを取るとき画面を覗き込まずに済むとか、動画をラクに観られるとか、通知を見やすくしておけるとか、チョイチョイ便利です。

 あと、個人的に行っていることですが、ストラップホール代わりになること。スマホリングがあればストラップは要らないと言えますが、バッグなどのなかからスマホを引き出すとき、ストラップがあるとスッと引き出せて便利。

 なお、こういった利便は、前述のように「貼るスマホ側の面をしっかり脱脂している」ことが前提っていうか、スマホリングが確実にスマホに固定されていることが重要です。シツコイようですが、スマホリングを貼る面は必ず汚れを落として脱脂をしてください。そうしないとスマホリングの類は簡単に剥がれてしまい、スマホ落下を招くと思います。

 ともあれ、以下にスマホリングの利便を写真にて。端末はiPhone 8 Plusで、スマホリングは前述のiRing Slideを使っています。

iPhone 8 PlusとiRing Slideの組合せ。リングに指を通しているだけですが、まず落とすことはないと思います。指とリングによりスマホが保持されるだけで、全然滑らないし、落としそうになることも激減します。
大画面のiPhone 8 Plusですが、スマホリングとともに使えば、親指で右上のアイコンにも右下のアイコンにもタッチできたりします。リングなしでコレをやろうとすると、端末を落としそうで非常に不安定。
ある程度「動きが緩くないリング」ならば、こんなふうにスマホの簡易スタンドとしても使えます。
スマホリングにストラップを取り付けた例。バッグ内のポケットなどに入れたスマホを、ストラップを引くだけでスッと取り出せるようになったりして、ちょっと便利♪ ただし、こういう使い方はメーカーが推奨しないと思いますので、あくまでも自己責任で。とりわけ貼り剥がしできるスマホリングの場合、この状態でストラップだけでスマホを吊すような使い方は、リング部に過剰な力がかかって不意の落下につながると思います。

 てな感じの「iRing Link」と「iRing Slide」。ワイヤレス充電派でありスマホリング派でもあるユーザーにとっては、かなり便利な存在だと思います。とくにiPhone用のリング付きケースであるiRing Slideは、リング位置を自由に動かせるという点が思った以上に便利。興味があればぜひ実物に触れてみてください♪

スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。