スタパ齋藤の「スタパトロニクスMobile」

夏に使う! iPhone X用ケース×3種

完全防水? 放熱重視?

 2018年の関東、梅雨をスッ飛ばして一瞬で真夏になっちゃった感じですね~。と思っていたら豪雨になったり。暑くて雨も降る夏ですが、そんな季節にもiPhone Xを快適に利用すべく、夏向けのケースを3種類使っています。

Richbox(リッチボックス)の「Extreme for iPhone X」(公式ページ)。薄型・軽量で完全防水仕様(IP68)のiPhone X用ケースです。直販税別価格は4500円。
DECASE(ディケース)の「Lock for iPhone X」(公式ページ)。アルミ製iPhone X用バンパーですが、工具を使わず手軽に着脱できます。直販税別価格は5352円。
CASEKOOの「iPhoneXケース アルミバンパーケース」(Amazon.co.jpへのリンク)。手軽に脱着できる安価なiPhone X用バンパーです。Amazonで1880円で売られていました。

 といった3製品。とりあえず、3製品の使用感的な結論を軽く書いてみますと……。 Richboxの「Extreme for iPhone X」は軽くて嵩張らず使用感も良好な「完全防水ケース」ということで、とてもイイ感じですが、防水性以外の部分ではちょ~っと使いにくい箇所もあります。それから、バンパーの2製品ですが、どちらも端末前後が剥き出しになり放熱性は良好。操作しやすい点もいいです。ともあれ以降、これら3製品の機能性や使用感について書いてみたいと思います。

完全防水のiPhone Xケース

 まずはRichboxの「Extreme for iPhone X」(公式ページ)から。完全防水のiPhone Xケースで、防水・防塵性能は「IP68」です。最高の保護等級で、「完全な防塵構造」でありかつ「水面下での使用が可能」という性能を備えたケースです。

 ケースとしては、端末全体を覆うジャケットで、サイド全体がハードな樹脂素材、前後は薄いフィルムになっています。ケースは背面と前面が分離するようになっていて、iPhone Xを入れて前面を被せます。エッジを嵌合させつつ被せていくのが独特で、完全に被せると非常に高い気密性を発揮します。

 それでいて嵩張りにくく、軽量。ケースのサイズは153×80×11mmで、質量は約29g。iPhone Xのサイズは143.6×70.9×7.7mmですので、Extreme for iPhone Xを装着しても、わずかに大きさ・厚さが増す程度といった感じです。

Richbox「Extreme for iPhone X」。嵩張らず軽量なiPhone X用完全防水ジャケットで、全面カバーをサイド部の溝に嵌合させて密閉するスタイルです。付け外しは左下から行い、嵌め込むときは隙間ができないよう丁寧に行う必要があります。完全に嵌め込むとIP68の完全防水・完全防塵性を発揮。直販税別価格は4500円。
ケースに入れた状態でも各ポートへのアクセスやボタン操作を行えます。背面レンズ部には反射防止ガラスが使われているとのこと。ストラップホールも付いています。右写真のストラップの先に見える白いものは、Lightningコネクタやサイレントスイッチ部を覆う防水カバーを外すためのツールです。

 iPhone Xには、「防沫・耐水・防塵」の性能が備わっています(iPhone 7/iPhone 7 Plus/iPhone 8/iPhone 8 Plusも同様)。ですが「防水」ではありません。具体的にはIP67で、「完全な防塵構造」ではありますが、防水については「規程の圧力・時間で水中に没しても水が浸入しない」という性能です。

 そんなiPhone Xの防水性能を、「規程の圧力・時間で水中に没しても水が浸入しない」から「水面下での使用が可能」に引き上げてくれるのが、このExtreme for iPhone X。ちゃんと装着しさえすれば、豪雨のなかでも水中でもiPhone Xを使えるというわけです。

 実際の使用感としては、シッカリと防水されるようで、大きな安心感があります。ケースが外れるとか隙間ができるという不安もほぼ感じられません。顔認証もしっかり通りますし、タッチ操作もスムーズですし、カメラ使用時の画質低下やケラレなども感じられません。それでいて軽くて薄いジャケットなので、軽快さも十分。もうずっとこのケースを装着していようかな、というほど実用的です。

 ただ、場合によっては不便さも。たとえば「いったんケースからiPhone Xを取り出そう」という場合、ケースを外すのは手軽ですが、再度ケースを装着するのにちょっと手間がかかります。前面と背面を丁寧かつしっかり嵌合させる必要があるケースなので、少々手間がかかって頻繁な脱着には向かない感じ。ちなみに筆者はこのケースの脱着には十分慣れたつもりですが、それでも装着には1~2分かかります。

 それから、Lightning端子部やサイレントスイッチ部を使うとき。防水カバーが装着されていますが、これを外すのが面倒です。防水性が高い分、かなり硬く嵌め込まれています。専用のツールで外しますが、それを使っても硬い。Lightning端子やサイレントスイッチを多用する場合、大きな面倒を感じると思います。ただ、筆者の場合は充電はQiで行いますし、サイレントスイッチはいつもサイレント側にしたままですので、とくに問題はありません。

 ほか、iPhoneからの音がわずかにこもり、通話時にこちらの声が相手にやや伝わりにくくもなります。ただ、筆者の体感ではどちらも「わずかに」という印象。また筆者の場合、通常の通話地にはBluetoothヘッドセットを使っていますし、音楽もBluetoothヘッドホン/イヤホンで聴いていますので、実使用上問題ありません。

 筆者においては「脱着が面倒」という点以外には大きな難点はないExtreme for iPhone X。なのですが、な~んかコレ、やっぱり「端末に熱がこもりやすい」という気がします。まあ完全防水で完全密封なのでしょうがないと思いますが、直射日光下で使っているとiPhone X画面上に「高温注意」「本体温度が下がるまでお待ちください」みたいな表示が早めに出て、操作できなくなっちゃいます。

iPhoneが高温になったときに出る表示。確かコレはiPhone 7 Plusで出た表示? ともかく、こんな黒い画面表示で、ほとんど操作できなくなります。

 で、当然ではありますが、そんな状況下では「今現在は完全防水である必要がまったくナイんだよな~」と思うわけです。そう考えると、こういった完全防水ケースは水辺のレジャーに出掛けるとか登山に行くとかいう場合にはイイですが、それ以外は放熱性の高いほうがイイな~、と。iPhone 7以降は完全防水ではありませんが、ある程度の防水性はあります。じゃあバンパーとかがイイのかも~、ということで以下に続きます。

着脱が超カンタンなアルミ製バンパー

 筆者がケースなりバンパーなりを使いたいのは、ストラップを使いたいことと、主に端末側面に付く傷を防ぎたいこと。バンパーについては、夏場は端末の放熱性に感して有利ということも加わります。

 さておき、最近見つけたバンパーで気に入ったのは、DECASEの「Lock for iPhone X」(公式ページ)です。アルミ製のiPhone X用バンパーで、工具を使わず手軽に端末へ脱着可能。着脱はバンパー左下の「爪」を動かしてロック/アンロックするだけです。

DECASE「Lock for iPhone X」。精密ドライバーなどの工具を使わずにiPhone Xへ着脱できるアルミ製バンパーです。直販税別価格は5352円。
端末を囲むように被せて閉じ、左下の爪をロックするだけで装着できます。
バンパー左下の爪。軽い力でロック/アンロックできますが、不意に外れるような感じがしません。高い工作精度で絶妙なつくりになっています。
バンパー装着状態でも、端末の各ボタンやコネクタにアクセス可能。右下にはストラップホールがあります。バンパー前後エッジは少し前後に出ていて、画面や背面(および背面カメラ前面)が机面に接しない設計。アンテナホール加工が施されていて「金属ケースとしては世界最高峰の低電波干渉率を実現」とのこと。

 しっかりしたアルミ製バンパーで、握ったときのホールド感も良好。着脱が非常に手軽で、実質10秒くらいで装着できます。外すのは数秒。でも、しっかりした装着感で、不意に外れるような感じもありません。

 放熱性ですが、金属製バンパーによる放熱効果というのはほぼないと思います(バンパーの内側には樹脂製緩衝材があります)が、端末前後が実質ハダカなのでケース類を装着しているよりは放熱しやすいでしょう。まあでも、バンパーであっても直射日光が当たり続けたりすると前述の「高温注意の黒い画面」が出ちゃったりします。ハダカであるぶん冷えるのが速く、黒い画面になっている時間は短いとは思います。

 ひとつ、このバンパーについてな~んとなく不安なのが「唯一のロックである爪が外れちゃわないか?」ということです。これについて公式ページの「良くある質問」には、以下のように書かれています。

『本商品は脱着を簡単に行える事を目的としたデザインバンパーとなります。iPhoneプロテクターとしての機能は通常のネジ止め式バンパーと同等の保護力(1.5mからの落下でもiPhoneを保護)を有しますが、本商品を落下させた場合、その衝撃でバンパーからiPhoneが外れる、もしくは結合部が破損する可能性がございます。DECASEバンパーが有する本来の保護力を求める場合は通常のネジ止め式バンパーをお勧め致します』

 ほかのDECASEブランドバンパー(ネジ止め品)と比べると、落としたときとかにロックが外れちゃうかもネ、的な内容です。まあ、そうですよね。でもこの手軽な着脱機構、やっぱり実用的でイイなぁ、と。

さらにお手軽で安価なバンパーも

 最後に、CASEKOOの「iPhoneXケース アルミバンパーケース」(Amazon.co.jpへのリンク)を。より手軽に脱着できるバンパーで、値段も安いという品です。Amazonで1880円でした。

CASEKOO「iPhoneXケース アルミバンパーケース」。これも工具不要で着脱できるiPhone X用バンパーです。バンパーのほか、背面保護用の樹脂プレートが付属していました。このプレートとバンパーは単独でも同時にでも使えます。
バンパーの構造としては、TPU素材のバンパーの外側をアルミのパンパーが覆っているというもの。アルミのバンパーは3分割されていて、Lightning端子部分はTPU素材だけで覆われています。この部分が少し伸びることで、iPhone Xへの着脱が可能というシクミ。
各ボタンやコネクタには問題なくアクセスできます。左上にはストラップホール。バンパー前後エッジは少し前後に出ていて、画面や背面(および背面カメラ前面)が机面に接しません。

 Lightning端子部分が少し伸びて外側に広げられるバンパーで、グッと広げてiPhone Xに装着します。装着後は安定していて、普通に使っていて外れることはまず無いという雰囲気。ボタンやコネクタ類は全部使えるし、ストラップホールもあるし(上にあるのもなかなか便利)、シンプルな見栄えだし安価だし……で、気軽に使える実用的なバンパーです。

 でも前述のDECASE「Lock for iPhone X」のほうが金属質感が重厚で、緻密なつくりもステキだったりします。まあそのあたりは気分次第で使い分け。水辺に行くとか水濡れが懸念されるというときは、最初にご紹介したRichbox「Extreme for iPhone X」にiPhone Xを入れるという感じの筆者です。

 以上3製品、暑かったり豪雨だったりするこの夏のiPhone X用ケースとして、ご参考になれば幸いです。ほかの端末で使える似たケースやバンパーもあるようですので、気になる方はぜひチェックしてみてください。

スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。