スタパ齋藤の「スタパトロニクスMobile」

iPhone 7 Plus用ケース「RAKUNI」を買う

iPhone 7 Plus用ケース「RAKUNI」を買う

 iPhone 7 Plusを使用中ですが、アレコレありましてケースを替えました。新たに購入したケースはtoomo(トーモ)の「RAKUNI(ラクニ)」(公式ページ)です。わりと新しい日本のメーカーだそうで、独特のケース構造から静かな人気を呼んでいるケースらしいです。ワタクシの場合もその構造を見て「これはイイかも!」と思って購入しました。

toomoの「RAKUNI」。背面にフリップ式のカードケースを備え、表面は画面を覆わないスタイルの革製ケース(端末保持部は樹脂製)です。各種iPhone用ケースがありますが、iPhone 7 Plus用のキャメルを購入。Amazonにて5492円でした。

 これまでUAGの頑丈なケースを使っていました。具体的には「Trooper」のiPhone 7 Plus用。レビュー記事はコチラですが、コレ、カードが数枚収納できてナニカと便利です。免許とか保険関連書類などの「常時必携系のカード類」を常用のスマートフォンとともに携帯できるからです(つまりカード類のうっかり携帯し忘れがなくなる)。

常用していたUAG「Trooper」。非常に頑丈なジャケット型ケースで、背面のドア内部にはカードを3~4枚収納できます。カード収納部の深さは4mm程度。
表側はオープンで、画面以外の部分はしっかり保護されます。端末とケースの間に紙幣を忍ばせることもできます。

 このUAGのケース、ヒッジョーに気に入っていました。が、最近2度、ショッキングが出来事がありました。

 ひとつは「落としたこと」です。単純に手がかじかんでスルッと落としました。「あっ!」と思いましたが、その「あっ!」発声の64ミリ秒の間に「でもUAGのケースだからダイジョブ!」と思うが早いか、iPhoneは画面を下にして着地。砂利道です。画面にはひとつふたつ、明らかな傷が……。「落としたスマートデバイスが画面を下にして着地する確率は、その端末の大切さに比例する」という亜流マーフィーの法則を緊急開発し、諦めとともに冬空を見上げつつ「あ~やっぱりこの季節はストラップが必要かも」と思いました。

 もうひとつは「爪が割れたこと」です。このUAGのケース、背面にカード類が入るのは便利なんですが、ドアの開閉がけっこー硬め。また、真冬だと樹脂の柔軟性が低くなるためか、一瞬息を止める必要がある程度ドア開閉が硬めになってしまいます。ツイデにこの冬、ナゼか数度連続して免許を提示する必要がありました。ので、その硬め開閉ドアを何度か開いたわけですが、その硬さから(指の)爪が割れてしまいました! しかも親指! 「マジか~スマホケースの蓋開閉で爪割れたゼ!」的なショックを受けたわけです。

 UAGのケース、極寒の季節じゃないときは、そこそこ凹凸があって手から滑り落ちにくいし、フタが硬いと言っても爪が割れるほどではありません。でも、そうか、なるほど、真冬になるとこういう使いにくさが出るのか、と知りました。そこで、真冬用の……っていうか上記のようなショックを受けずに済むケースを使おうと考えました。

 じゃあ、背面にカードが複数枚入り、そのカード入れ部分の開閉が容易で、ストラップも使える(落下防止できる)ケースを買おう、と。そんな条件に該当したのが、今回レビューするtoomoの「RAKUNI」だったんでした。てなわけで以降、このケースの機能や使用感について書いてみたいと思います。

RAKUNIってどんなケース?

 まず「RAKUNI」の概要から。革製のiPhoneケースで、背面にカードホルダーおよびポケット付きフリップがあり、カードや紙幣などを入れることができます。iPhoneをホールドする部分は樹脂製。画面側のカバーはありません(手帳タイプのケースではない)。また、ストラップホールド革製のストラップが付属します。種類としては、iPhone 7用、iPhone 7 Plus用、iPhone SE用、iPhone 6/6s用、iPhone 6/6s Plus用がラインナップされています。

「RAKUNI」は革製iPhoneケース。背面にはスナップボタン式のフラップがあり、内側には合計3つのポケットがあります。クレジットカードなら4枚くらい入りそうです。フラップを閉じた状態でもカメラ部は覆われません。
画面側はカバーなどがないタイプ。背面に常時携帯のカード類や紙幣が入りつつ、カバーを開かず即iPhoneのタッチ操作ができるという、2つの利便を併せ持ったケースです。写真はiPhone 7 Plus用ですが、背面下部にはストラップホールがあり、革製ストラップが付属します。

 機能的には、iPhoneケース+カードケースという感じ。同様の収納性なら、手帳タイプのケースにもあります。ただ、手帳タイプは画面を覆うフラップが意外に邪魔だったりします。

 たとえば手帳タイプの場合、iPhoneを操作するときにいちいちフラップを開くのが不便。さらに、フラップがボリュームボタン(兼シャッターボタン)に干渉して押しづらいとか、フラップを背面に回すとカメラが覆われて写真が撮れないとか、細かな不便があったりします。

 一方「RAKUNI」の場合、画面が覆われませんので即座にタップ操作でき、カメラも常に露出状態。背面やフラップ内にカードが入る機能性はありますが、ケースを装着した状態でもiPhoneの操作性はほとんど損なわれません。ナイスなつくり。実際、使いやすいです。

 肝心のカード収納量ですが、何パターンか試してみました。実際に常用している「いつものカード収納例」と併せてご覧ください。

背面ポケットに刻印のないカードを4枚、フラップ側ポケットに刻印付きカード4枚を入れた状態です。このまま閉じると「少し入れすぎた二つ折り財布」みたいにやや膨らんでしまいます。このカード収納量がほぼ最大だと思いますが、ここまでカードを入れると出し入れもしにくくなります。
背面ポケットに刻印のないカードを2枚、フラップ側ポケットに刻印付きカード2枚を入れた状態です。これだとスマートな感じで閉じられます。カードの出し入れもスムーズ。さらに、本体背面に干渉防止カードを1枚、フラップ側ポケットに紙幣などを追加して入れても、スマートさ・出し入れのしやすさともに実用的です。
いつもは背面ポケットに運転免許、ボート免許、電波干渉防止カードを、フラップ側ポケットに保険証、緊急連絡先カード(保険の緊急連絡用携帯カードなど)3枚、テレホンカード、紙幣3枚を入れています。iPhone入り「RAKUNI」だけ持ち出せば「とりあえずどうにかなるセット」という感じです。これらカード類を入れてフラップを閉じても、まあまあスマートと言える薄さです。

 写真のとおり、いつも持ち歩いているカードは「必要があれば即提示できるカード」や「万が一の場合にすぐ出せる、もしくは誰かに出して欲しいカード」です。前に使っていたUAG製ケース(爪が割れたゴツいアレ)も実用的でしたが、実際に「RAKUNI」を常用してみると「あーこっちのほうがより現実的かも」と思ったりします。

 UAG製ケースの場合は開閉が硬くてカードを出しにくいというのもあるんですが、「カードを背面に忍ばせる~隠す」という感じ。なので、緊急時にほかの誰かが「カードを見つけにくい」かも、です。

 一方、「RAKUNI」の場合はカードの出し入れが容易で、誰が見ても「カードが入っている」という形状。なので、多くのシーンでより都合がイイという印象です。ただ、「あのフラップにカードや現金が入っていそう」と思わせる形状でもありますので、「iPhoneとともに大切なカードなどを隠し持ちたい」という方には不向き、かもしれません。

ちょっとした機能性

 少々の「あったら嬉しい機能性」も備えている「RAKUNI」です。たとえば、ストラップホール。iPhone 7 Plus用には背面下部中央に「革でできたループ(ホール)」があり、付属のリングとストラップをそこに装着できます。ネックストラップで首から吊すときもiPhoneが斜めにならない、ちょっとイイ位置のストラップホールです。

「RAKUNI」各種にはストラップホールがあり、ケースと色が合うストラップが付属しています。ストラップはナス環式なので脱着も手軽。もちろんネックストラップと交換して使うこともできます。

 それと背面のフラップですが、これはiPhoneスタンドとしても機能します。縦置きも横置きも可能。安定性はというと……。

こんなふうに、フラップを使えばiPhoneが縦向きで自立します。フラップの角度を巧く合わせれば安定性もそこそこあって実用的。ただ、向こう側に人がいると収納したカード類が見えちゃいますが。
横置きにもできます。ただし、机面がツルツルしていると倒れがち。木肌のテーブルや布などが敷いてあればわりと安定します。
iPhone 7 Plus用の「RAKUNI」の場合、付属ストラップを写真のように使えば非常に安定的に横置きできます。金具の向きを調節しつつリングに引っ掛けるなどすれば、安定を保ちつつ角度も変えられました。

 ほか、画面側の両サイドは、画面より1mm程度出っ張っているので、画面を下にして机面に置いた場合でも、画面は一応保護されます。ただ、ケース側に高い剛性感はないので、画面保護を重視するならもう1mm程度出っ張りを高くして欲しいような気も。

 また、前述しましたが、背面ポケット・フラップとは関係なく、カメラが常に露出しているのでいつでも撮影できること、画面が常に露出していて即座に操作できるあたりも実用的。十分な枚数のカードは収納したいが、iPhoneを裸で使ったときの実用性はなくさないで欲しいという要望に対し、非常にシンプルなカタチで応えていると感じました。

 てな感じで、突飛とか画期的とかいう機能性ではありませんが、多くの人が「やっぱり欲しい」と思う機能性を備えています。UAG製ケースの場合「頑丈なんだから機能性は諦めて!」という印象が少しありましたが、「RAKUNI」の場合は「じゃあこのくらいまでなら実現します!」的なユーザーへの歩み寄りが感じられ、なかなか好印象です。

オマケ……革の手入れもしてみた

 若干蛇足ですが、「RAKUNI」公式ページでは、わりと頻繁に「RAKUNI」に関する最新情報が公開されています。「iPhone 7/7 Plus用パッケージ台紙が間に合わないので、それまではiPhone 6/6Plus用台紙が入ってますけどゴメンナサイ」的なメッセージとか、「暴利な転売屋がいるので注意してネ!」的な情報とか。若いメーカーという感じが伝わってきてちょっと愉快です。

 そんな公式ページから辿れるメーカー公式ブログには、細かな裏話や製品利用の小技が紹介されていて、これまたちょっと愉快です。そのブログのなかに、「RAKUNI」のお手入れ情報がありました。オススメの手入れ用クリーム情報ですが、「ラナパーという有名なドイツ製の革用お手入れクリーム。蜜ロウとホホバ油を配合した天然素材100%の、保革・艶出し・撥水効果のある、レザートリートメントクリームです」とのこと。

 おっソレは良さそう。購入した「RAKUNI」は、乾燥している季節だからか傷が少し目立ちやすく、そろそろ手入れが必要かもと思っていました。ので、早速、該当製品を買って使ってみました。ラナパーの「革のお手入れキット」(公式ページ)です。

ラナパー(Renapur)の「革のお手入れキット」。メーカー価格2762円。ほかにもイロイロあるようですが、汎用的っぽかったのでコレを選んでみました。……とりあえず使うのは「レザートリートメント」だけですが。
キットのうちの「レザートリートメント」を使って「RAKUNI」表面をケアしてみました。左が処理前、右が処理後です。写真ではわかりにくいんですが、革の質感に深みが加わりました!
フラップ内側もケア。ケアすると、細かな傷も消え、新品のときとは違った「皮革が落ち着いた感じ」が出てきます。なお、処理後にベタ付くようなこともなく違和感はありません。

 写真ではわかりにくい部分ですが、処理すると手触りがかなり変わります。新品時はやや乾いた感じの皮革で、すぐ白っぽい傷が付いてしまいます。真冬の乾燥肌って感じで、ちょっとの刺激でカサつくようなイメージ。そのまま使い続けると手の皮脂などによりケース表面のカサカサ感が緩和されていくので、まあ徐々に気にならなくなるんですが、傷つきやすさは若干残ります。

 そんな革に対して上のトリートメントを塗り込んでいくと、革全体の色が少し濃くなり、潤いが増す感じ。また明らかに傷つきにくく(傷が目立ちにくく)なります。また、革独特の香りも少し増したりします。全体的にちょっと高級感が増しつつ、購入当初より落ち着いた雰囲気になります。

 こういう穏やかな「使い込み感」が出せるのが革製品のいいところですね~♪ 外見的に深みが出ましたが、撥水効果も高まりましたので、より長く「RAKUNI」を使っていけそうな予感です。

スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。