スタパ齋藤の「スタパトロニクスMobile」

「最近コレが好き!」モバイルバッテリー×3種

「最近コレが好き!」モバイルバッテリー×3種

 ここしばらく気に入っているモバイルバッテリーが3種類あります。コンセント(壁のACアウトレット)に直接挿せるタイプ×2種と、一応どうにかギリギリモバイルできるかもしれない大容量バッテリー×1種。それぞれ、サンワダイレクトの「AC一体型モバイルバッテリー 700-BTL028W」(公式ページ)、パナソニックの「モバイルバッテリー搭載AC充電器 QE-AL301」(公式ページ)、ANKER(アンカー)の「PowerHouse」(公式ページ)です。

左から、サンワダイレクト「AC一体型モバイルバッテリー 700-BTL028W」、パナソニック「モバイルバッテリー搭載AC充電器 QE-AL301」、ANKER「PowerHouse」。左と中央はコンセントに直接差して充電ができるモバイルバッテリーで、左はモンスター級の容量を誇るモバイル(!?)バッテリーです。

 サンワダイレクトとパナソニックのモバイルバッテリーは、コンセントに直差しして充電できるモバイルバッテリーです。使うと「あ~コレが正解かも~」と思えるスマートさで利用できてクセになります。ANKERの製品は、モバイルというより「可搬型」の大容量バッテリーで、一台あると「何かのときに心強い」というイメージ。ともあれ以降、これら3台のモバイルバッテリーの機能や使用感について書いてみたいと思います。

高コスパのAC直差しモバイルバッテリー!

 まずはサンワダイレクトの「AC一体型モバイルバッテリー 700-BTL028W」(公式ページ)から。サンワダイレクト価格は税込3980円です。

 2016年12月26日に発売された容量10000mAhのモバイルバッテリーで、特徴は「直接コンセントに差しして充電できる」こと。従来のモバイルバッテリーの多くは、それ自身の充電のためにPCのUSBポートやUSB-ACアダプターなど「USB給電できる機器」が必要でした。ですが、このモバイルバッテリーの場合はコンセントに直接差せるので、USB-ACアダプターやUSBケーブルが不要。非常にスマートに運用し続けられるほか、出張時の荷物を少し減らせたりもします。

サンワダイレクトの「AC一体型モバイルバッテリー 700-BTL028W」。10000mAhのモバイルバッテリーで、サイズは長辺105×短辺58×厚さ28mm・質量約230gです。フツーにコンパクト。ちなみに、本体を振るとLEDが点灯し、電池残量が示されます。
USB出力ポートは2つあり、2ポート合計で2.1Aの出力があります。収納式のACプラグがあり、これをコンセントに直差しすることでモバイルバッテリーを充電できます。対応電圧はAC100~240Vなので海外でも使えます(国によって変換プラグが必要)。
独自の「追っかけ充電機能」を搭載しています。モバイルバッテリーをコンセントに挿した状態で外部機器をUSB接続すると、まず外部機器を充電。外部機器が満充電に近づくとモバイルバッテリー本体の充電が始まり、最終的にはモバイルバッテリーも外部バッテリーも満充電されます。※図版はメーカー公式サイトより抜粋。

 フツーの10000mAh級モバイルバッテリーと比べても違和感のないサイズで、コンセント直差しで充電でき、「追っかけ充電機能」を使えば「寝る前にモバイルバッテリーをコンセントにセットしつつスマートフォンなどもUSB接続しておけば、起きたときにバッテリーもスマホも満充電になっている」という手軽さと利便があります。コレはナイス。というわけで発売直後に購入して使っています。

 実使用感はかなり便利。モバイルバッテリーの充電って、基本的に専用ACアダプターとかUSB-ACアダプターとかと「ケーブル接続して充電」する必要があって、充電時はミョーに煩雑でした。が、このバッテリーはコンセントに差すだけ。スッキリ手軽に充電できてイイ感じです。さらにAppleWatch充電用のマグネット式充電機構が搭載されていたりしたら史上最強に激便利で超イイ感じだと思いますが、現状でもフツーのモバイルバッテリーと比べたらとても快適にに使えます。

 じつは、後述のパナソニック製モバイルバッテリーもコンセント直差しタイプ。かなり以前に発売されたものですが、購入したときは「うっはぁ~コンセント直差しって便利~♪」と感動していました。しかし発売時期等々の違いからか、このサンワダイレクト製モバイルバッテリーのほうがコストパフォーマンスが高いと感じられます。要は、容量のわりに安いゼ、と。てなわけで、コスパ優先でコンセント直差しモバイルバッテリーを選ぶなら、まずはこの「AC一体型モバイルバッテリー 700-BTL028W」からチェックするといいんでは、と思います。

2700回も使える!? パナソニックのAC直差しモバイルバッテリー

 続いてパナソニックの「モバイルバッテリー搭載AC充電器 QE-AL301」(公式ページ)。2015年12月4日に発売された容量7500mAhのモバイルバッテリーです。現在の実勢価格は6000円前後。

 この製品もまた、コンセントに直差しして充電でき、ACプラグは収納式。充電電圧(ACアウトレット電圧)は100~240Vに対応していますので、海外でも使えます(国により変換プラグが必要)。出力用USBポートは2つで、2ポート合計の出力は1.8Aとなっています。

 それから、バッテリー本体と外部機器の「同時充電」が可能(機器出力要求が1A以下の場合)。つなぐ外部機器によっては、モバイルバッテリーの充電時間をより短くすることができます。加えて「モバイルバッテリーとして約2700回くり返し使える」そうです。ほか、ボタンを押せば充電状態を確認でき、LEDの色で電池残量がわかります(緑=約100~60%・黄=約60~30%・赤=約30%以下)。単純に電池容量と価格のコストパフォーマンスでは前述のバッテリーに劣るという印象ですが、こういった付加機能を考えると、単純にどちらがイイとは言いにくい感じかもしれません。

パナソニックの「モバイルバッテリー搭載AC充電器 QE-AL301」。7500mAhのモバイルバッテリーで、サイズは長辺114×短辺78×厚さ24mm・質量約250gです。容量のわりにはちょっと大きめ!? という印象。ボタンを押すとLED色による電池残量確認が可能です。
USB出力ポートは2つ。2ポート合計出力は最大1.8A。ACプラグは収納式で、コンセントに直差しすることでモバイルバッテリーを充電できます。対応電圧はAC100~240Vで海外でも使用可能(国により変換プラグが必要)。

 このパナソニック製バッテリーと前述のサンワダイレクト製バッテリーを比べると、容量的にはサンワダイレクト製が魅力的。ただ、出先で実際に10000mAhのモバイルバッテリーを使い切るようなコトがないワタクシなので、「まあ容量はどっちでもOK」と感じたりします。コンパクトさで少し勝るサンワダイレクト製は、携帯性の良さという点でさらに魅力を感じます。

 また、両機種を比べると「作り」はパナソニック製のほうが好印象。作りが雑という部分が見当たりません。サンワダイレクト製は部品にバリが残っていたり、LEDが明るすぎたりと、作りの繊細さに欠けるという印象です。そういう雑さが見当たらないパナソニック製は「なるほどブランド品」という感じがしたりします。

 どちらを選ぶか、微妙に迷うところかもしれません。ユーザーにより機能・性能・品質の優先度が異なりますし、それぞれのご判断で。

大安心の重量級モバイルバッテリー♪

 最後に、ANKER(アンカー)の「あの凄いバッテリー」こと「PowerHouse」。2016年6月6日に発売された税込5万円もするポータブルバッテリーで、容量は14.4V/434Wh。USB給電のほか、12Vや110Vでの給電も行える「非常用にも十分使える汎用バッテリー」です。ただし質量は約4.3kg。一応は……モバイルできますが、まあ実際は「持ち運びもできる据え置き型バッテリー」という感じですネ。

 出力は、DC12V/10A、AC110V/1.29A/60Hz、USB 5V/6A(各ポート最大2.4A)。4ポートのUSBモバイルバッテリーに、クルマのシガーライターソケットと、家庭用のコンセントが追加されたというイメージの大容量電源です。ただしコンセント部は60Hzなので、50Hz用に作られた電気製品は正しい回転数や時間で動作しないなど不都合が生じることがあると思います。

ANKER(アンカー)の「PowerHouse」。14.4V / 434Whのポータブルバッテリーで、サイズは約横200×縦145×奥行き165mm・質量約4.3kgです。重いですが、持ちやすいハンドルがあるので十数分~数十分程度なら手に持って移動できる感じ。底部に大きめのゴム脚が4つあり、安定感はバッチリです。
左端が充電用(専用ACアダプタ接続用)ポートで、ほかは全て出力ポートです。12V出力のシガーソケット、USBポート×4、AC110Vのコンセントと、何でも来いって感じの出力で、各種出力は個別にオン/オフ可能。ただしコンセントには電子レンジやドライヤーなど消費電力の高い製品はつなげないことと、周波数が60Hzである点に注意が必要です。
付属のACアダプタはあまりコンパクトではありません。背面は平らでスッキリしています。

 この「PowerHouse」について、発売時に「うわっコレ超欲しいんですけど~!」とか思ったわけですが、「ん~、でも、こんな容量が必要になるのって、非常時とか……あとキャンプや車中泊?」と思ったりも。しかし同時に「じゃあこのバッテリーを使うために、車中泊とかキャンプをヤルってことで!」などとも思いつつ鋭意買おうと思ったんですが、そうこうしているうちに転売屋出現でボッタクリ価格に。一時は10万円とかしてました。ので「じゃあ、い~らないっ!」と。

 そしたら去年末、ケータイWatchで「Anker製品が最大3割引き、Amazonで3日連続セール」というニュースが。そのセールに「PowerHouse」が含まれていて、税込3万9800円という価格になっていました。思わず購入。「思わず」なので、もちろん「何に使うか」についても考えていませんでした。

 さて、そんな「PowerHouse」ですが、実際のところ大して使ってはいません。大雑把な話、災害用に備蓄した飲料水とか長期保存食みたいな感じ。持ってるだけで満足! ソコにあるだけで大きな安心感が得られる! 大満足&大安心! ステキ! みたいな。

 でも、たまに使ったりしています。敢えてこの「PowerHouse」でノートPCなどの機器を充電してみたり。電動工具や充電式掃除機を充電したり。あるいはモバイルバッテリーを充電してみたり。無意味に照明器具つないで灯りを灯して「あー点いた!」とか喜んだりもして。「たまにはガッツリ使わないとバッテリーによくないからネ♪」みたいな。数ヶ月や年に1度とかに行われる「今月は保存期限切れの水や保存食の消費月間だからネ~♪」的なノリではあります。

 ちなみに、AC110Vのコンセントとして使うと「60Hzだからご注意」とか書きましたが、まあ今時的な家庭用電気製品なら問題になるケースは少ないと思います。コンセントにつなぐ機器の多くがACアダプタ経由の接続だったりしますし、扇風機とかだと関東以北の人が「あれ……ウチの扇風機が微妙にパワーアップした?」と思う可能性があるかもしれませんけど大して影響なさそうですし。まあ、古いオーディオやデリケートな計測器のための電源として使うと問題が起きるかもしれませんが、多くのケースで問題があまり出ないような気がします。

 ところで、今後の外出しがちな季節になると、いろいろ役立つのではないだろうかと思っております。たとえばポータブルの冷蔵庫(保温庫)あたりだと、この電源で問題なく使える消費電力のものが多いです。クルマで出掛けて、クルマのエンジンを切っているときでも冷蔵庫や保温庫が使えると好都合ですネ。あるいは電気毛布などの部分暖房にも使えそうです。バイクツーリング用の電気暖房手袋・ジャケット・パンツなどは、12V電源で暖かくなるシクミだったりUSB電源対応だったりするので、この「PowerHouse」を電源として(車内などで)使えるようにも思います。

 実際この「PowerHouse」、フツーはそうそう役立つシーンがナイというか、既に「PowerHouse」以外のモノで電源面の不便が解消されいたりもしますので、「今すぐ必要!」ってな方は少ないんだろうなあと思います。が、アイデア・用途次第でイロイロと活用幅のある大容量バッテリーであることは確か。ひとつのリスクヘッジ機材として考えつつ、アレにもコレにもソレにも今すぐ役立つかもしれないとか考えると、ちょっと欲しくなるバッテリーかもしれません。

 てな感じのバッテリー×3種。お買い物のご参考になれば幸いです。

スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。