法林岳之の「週刊モバイルCATCH UP」
おまかせポイント運用、かしこくポイント投資
2020年12月17日 06:00
ここ数年、さまざまなサービスにおいて、広く展開されるようになってきたポイントサービス。なかでも各携帯電話会社が月々の利用額に応じて発行するポイントは、QRコード決済などとも結び付き、今まで以上に利用できるシーンが増えてきた。
今回は各社のポイントを「貯める」「使う」だけでなく、「増やす」ことを考えるため、各社のポイントサービスと連携する「ポイント運用&投資」について、チェックしてみよう。
拡がるポイント経済圏
さまざまなサービスや販売に連携して提供されるポイントサービス。
かつては何となく貯める程度だったポイントだが、昨年からの「キャッシュレス・ポイント還元事業」に続き、今年はマイナンバーカードと紐付けた「マイナポイント事業」もスタートするなど、国を挙げて、ポイントサービスやキャッシュレスを盛り上げようとしている。
携帯電話業界においても古くは「ドコモポイント」(現在はdポイント)や「auポイント」などの形で、ポイントサービスが提供されてきたが、当初は貯めたポイントの利用範囲が限られていたため、今ひとつ「貯めよう」という意識もなく、何となく機種変更のときに使ってしまう程度だった。
ところが、 2014年5月にauが「au WALLET」、2015年12月にNTTドコモが「dポイント」をスタートさせたことで、その位置付けは大きく変わった 。
auとドコモ
auは「au WALLETカード」、NTTドコモは「dカードプリペイド」という名称で、クレジットカードと同じように利用できるプリペイド式カードの発行を開始。月々の利用額に応じて付与されたポイントをチャージして、街中でも利用できるようにしたうえ、決済額に応じて、再びポイントを付与するというしくみを提供した。その後、au WALLETポイントはQRコードなどを利用した決済サービス「au PAY」の開始に合わせ、Pontaポイントと統合され、NTTドコモもdポイントを利用できるQRコード決済サービス「d払い」をスタートさせ、現在に至っている。
ソフトバンク
一方、ソフトバンクは元々、長期継続特典として、Tポイントを付与していたが、ヤフーと共同で提供する決済サービス「PayPay」のスタートに合わせ、PayPayボーナスを付与する形に移行している。ちなみに、ヤフーもショッピングやキャンペーンなどで付与していたTポイントをPayPayボーナスに切り替えており、ソフトバンクグループ全体として、積極的にPayPayを軸にした経済圏を展開している。
楽天
また、国内の携帯電話市場に新規参入した楽天は、改めて説明するまでもなく、楽天ポイントによる経済圏を幅広く展開しており、ポイントサービスについてはNTTドコモやau、ソフトバンクを大きくリードしている。
国内ではこの他にも数多くのポイントサービスが提供されており、昨年来の「キャッシュレス・ポイント還元事業」では、各社の決済サービスと連携した勢力争いがくり広げられたが、これまでの動きを振り返ると、各携帯電話会社が展開するポイントサービスと決済サービスは着実に利用を拡大し、すっかり市場に定着した感がある。
携帯各社のポイント決済、支持された背景
各携帯電話会社のポイントサービスと決済サービスが支持された背景には、携帯電話各社ならではの仕掛けがある。
他の多くの決済サービスが「クレジットカードや銀行、現金をチャージして利用する」というスタイルであるのに対し、各携帯電話会社の提供する決済サービスは月々の利用額などに応じて、定期的にポイントが付与され、これを決済に利用できるしくみとなっている。
つまり、ポイントを有効活用する決済サービスを始めるとき、初期投資があまりかからないうえ、ユーザーとしても試しやすく、馴染みやすかったことが挙げられる。
また、各携帯電話会社のポイントサービスは、利用額に応じたポイント付与以外に、さまざまな形でポイントが付与されることがある。たとえば、新機種発売時に合わせ、端末購入者に対し、数千円~1万円程度のポイントを還元するキャンペーンが実施されたり、機種変更時に下取りに出した端末の下取り額相当がポイントで支払われたりする。
つまり、 各携帯電話会社の回線を契約し、スマートフォンを利用していると、何らかの形でポイントが付与され、ポイント経済圏に参加することになる わけだ。
ポイントサービスの制限事項
こうして生活に定着してきた感のあるポイントサービス。
しかし、機種変更のキャンペーンなどでは比較的、大きい額のポイントが獲得できるものの、月々の利用額などに応じたポイント付与は、数十ポイント~数百ポイントというレベルで、1000ポイントを超えるようなポイントが付与されるのは、2年契約の更新などに限られている。
そのため、機種変更などで獲得したポイントは、アクセサリーの購入や、決済サービスにチャージして、生活費として使いつつ、普段はポイントが貯まる店舗やサービスをチェックしながら、コツコツ貯めていくような印象が強い。
また、各社のポイントサービスを使ううえで、ひとつ悩みどころなのが制限事項だ。
期間・用途限定のdポイント
たとえば、dポイントの場合、キャンペーンなどで付与されたポイントは、通常のポイントと違い、「dポイント(期間・用途限定)」と表記されていて、利用できる期間が制限されている。アンケートなどで得た数ポイント程度であれば、期限切れになってもしかたない気もするが、数十ポイントが期限切れになってしまうのは、ちょっと惜しい気がするものだ。
PayPayマネーとPayPayボーナスとPayPayボーナスライト
さらに、有効期限以外の制限が存在するケースもある。たとえば、PayPayで使う残高は、銀行からチャージしたり、セブン銀行のATMで現金で入金したり、ヤフオク!の売り上げからチャージすることができる。これらのチャージした残高は、「PayPayマネー」と呼ばれ、他人に送ったり、わりかん機能に使ったり、指定口座に出金するなどの使い方ができる。
これに対し、ソフトバンクの長期継続特典やキャンペーンなどで付与されるポイントは、「PayPayボーナス」という位置付けで、PayPay残高を利用した支払いには使えるものの、他人に送ったり、わりかん機能には利用することができない。たとえば、ソフトバンクでは機種によって、端末を購入したユーザーに対し、5000円や1万円をキャッシュバックするようなキャンペーンを実施することがあるが、このときに支払われるのは「PayPayボーナス」となっている。この他にも利用期間が60日間に制限される「PayPayボーナスライト」というものもある。
auポイントは制限少なめ
auが対応するPontaポイントは、こうした制限が少なく、有効期限はPontaポイントの最終利用日や最終加算日から1年間に設定されている。ただし、auサービス利用に伴って付与される「KDDI定期付与」と表示されたPontaポイントが加算されるときは、最終加算日と見なされないため、1年に1回はau PAYの残高などにチャージして、利用する必要がある。
使わないポイントを「増やす」選択肢
さて、こうした制限があったり、あまり多くないポイントをどうするか。
もちろん、各社の決済サービスなどで、一気に使ってしまうこともできるが、 これを機に、各社が提供する運用&投資サービスに使ってみる のはどうだろうか。
今年はコロナ禍により、さまざまな業界に影響があったと言われているが、自宅で過ごす時間が増えたこともあり、投資をはじめた人が多く、ネット証券を中心に口座数が増えたという。これは手持ちの資金を銀行に預けていても金利が低く、利息も期待できないため、株式や投資信託、債券などに投資して、少しでも手元の資金を増やしたいという意向などが反映されているようだ。
とは言うものの、「投資なんて難しそうで、よくわからない」「投資をはじめるには何十万円も用意しないといけないのでは?」「投資に失敗して、損しそう」と考えている人も少なくないはずだ。そこで、注目したいのが各携帯電話会社がさまざまな金融サービスと提携して、提供中の「ポイント運用&投資」のサービスだ。
それぞれのサービスを説明する前に、まず、共通した前提を簡単にまとめておくと、当然、これらのサービスは『投資』なので、一定のリスクが存在する。つまり、 増えることもあれば、減ることもある 。
実際、筆者は機種変更時のキャンペーンで還元された1万ポイントを運用サービスに投資したところ、1カ月で10%以上、下落してしまい、「しまった。やっちまったか……」と後悔したが、1カ月後には回復し、現在はプラスとなっている。ただ、こうしたマイナスを実際のお金でやってしまうと、精神的にもダメージが大きいが、数十や数百程度のポイントであれば、多少なりともダメージは少なくて済む。もちろん減ることは避けたいし、あくまでも『投資』であることを忘れないようにしたい。
有効期限付きポイント → 有効期限なしに
次に、ポイントで運用や投資をするメリットとしては、前述のような制限があるポイントを有効活用できることが挙げられる。たとえば、今月中に有効期限があるポイントを投資できれば、 ポイントを消費したことになり、有効期限は無関係 になる。
各社のサービスによって、少しずつ仕様は違うが、投資したポイントを必要に応じて、自分のポイントサービスに戻して、決済サービスに利用したり、証券口座に預かり金として、出金したりできる。
もちろん、このとき、投資したポイントが増えているか否かは、そのときの相場次第なので、ある程度、運用状況や相場はチェックした方がいいが、ポイントが期限切れでムダになるくらいなら、投資した方が賢明という見方もできる。ただし、ポイント運用に回せるポイントの種別や最小ポイントは、サービスによって違うので、その点はしっかりとチェックしておきたい。
証券口座不要でスタート
また、これらのポイントを利用した運用&投資サービスの内、ポイントを預け、おまかせ運用するサービスは、証券口座などを開設する必要がない。
各携帯電話会社の決済アプリやWebページから「100ポイントを投資」などと操作するだけで、簡単に運用がはじめられる。
一般的な証券取引で必要とされる手数料などが掛からないことも初心者にはうれしい点だ。
ポイントで投資信託購入も
一方、証券会社に証券口座を開設して、株式を購入したり、投資信託やETF(上場投資信託)などを購入する「ポイント投資」をはじめることもできる。
口座開設のため、本人確認書類の提出など、一定の手間はかかるものの、手持ちのポイントを使い、通常の投資と変わらない株取引や投資信託の売買などができる。
ちなみに、通常、株式は100株単位などで取引をするため、株価が1000円の銘柄であれば、10万円以上の現金を用意しなければならないが、各携帯電話会社が証券会社などと提携して、提供するポイント投資サービスは、1ポイントや100ポイントといった少額(と言ってもポイント)から投資できるようにしている。
具体的には、100株といった単位株ではなく、投資したい金額(ポイント)に合った数だけの株を買い付けるため、株価が1株あたり1000円の銘柄に200ポイントを投資すれば、「0.2株」が割り当てられるという仕組みを採用している。
銘柄によっては配当金が支払われることがあり、これも保有株式に応じた配当額、つまり、0.2株分の配当金が支払われる。いきなり本格的な投資をはじめるのは不安だが、こうしたポイント投資で『投資デビュー』をするのも手だ。
各社のポイント運用サービスをチェック
各社が提供するポイントを「使う」「貯める」だけでなく、「増やす」ことができる運用&投資サービス。各社のサービスはどうなっているのかをチェックしてみよう。
まず、最初に挙げるのは、もっとも簡単な「ポイント運用」が挙げられる。
サービスによって、ポイント運用やポイント投資などの呼称が少しずつ違うが、ここでは基本的にポイントを預けるだけで、あとはおまかせで運用できるサービスを「ポイント運用」として挙げている。
これらのサービスはいずれも証券口座などの開設が必要なく、各社サービスから運用したいポイント数を申し込めば、すぐに運用を開始することができる。
ただし、サービスによっては、複数の運用コースが用意されていたり、運用できる最小ポイントが決まっているので、自分が利用するサービスの内容をチェックしておきたい。ちなみに、こうしたポイント運用サービスはさまざまなポイントサービスで提供されているが、ここでは各携帯電話会社のポイントサービスと連携する運用サービスについて、取り上げる。
NTTドコモ「ポイント投資」
NTTドコモの「ポイント投資」は、2018年にNTTドコモがロボアドバイザーの「THEO」と提携し、提供が開始されたサービス。運用はTHEOが担当し、dポイントを100ポイント単位で投資できる。
開始当初は「アクティブコース」と「バランスコース」の2種類の「おまかせ運用」のコースが提供されていたが、現在はこれらに加え、8つのテーマから選んで運用できる「テーマで運用」も選ぶことができる。
具体的には、「日経平均株価(日経225)」「新興国」「コミュニケーション」「生活必需品」「ヘルスケア」「米国大型株」「金(ゴールド)」「クリーン・エネルギー」で、これらの内、「米国大型株」のみ、現金で投資する「THEO+docomo」に口座開設が完了している人が利用できる。
運用に追加したポイントはそれぞれのコースやテーマに合わせた投資信託やETF(上場投資信託)に連動して、毎日、残高が変動する。
実際に運用をはじめる流れは簡単で、同サービスのWebページから「はじめての方はこちら」を選び、運用したいポイントを入力するだけ。運用開始後はWebページを選ぶと、運用状況がいつでも確認できる。
運用中のポイントはいつでもdポイントに交換(引き出し)することができる。
ただし、ポイント投資で気をつけたいのは「dポイント(期間・用途限定)」と表記されたポイントを運用できない点だ。
「dポイント(期間・用途限定)」を投資に使いたいときは、SMBC日興証券が提供する「日興フロッギー」で、株式などを購入するときに使うことができる。
au「au PAYポイント運用」
「au PAYポイント運用」は、2019年にauが提供を開始した「au WALLET運用」を継承したもので、現在は「au PAY運用」という名称でサービスが提供されている。
投資に使うのはPontaポイントで、100ポイントから運用に追加できる。
追加したポイントはKDDIアセットマネジメントの投資信託「auスマート・プライム(高成長)」に連動する形で増減する。au PAYポイント運用を利用するには、au PAYが利用できることが条件で、au PAYアプリ内の「ポイント運用」から申し込む。
運用中のポイントはいつでも引き出すことができ、Pontaポイントとして利用できる。ただし、ポイントを追加したり、引き出したりした場合、即時にau PAYアプリのPontaポイントに反映されるのではなく、13時までに手続きをすると、2営業日後に反映されるしくみのため、若干のタイムラグがある。
au PAYポイント運用のメニュー内では、「みんなの運用状況」で他のユーザーがポイントを追加しているか、引き出しているかなどを知ることができたり、自分が追加したポイントの「平均取得実績」を確認することもできる。
PayPay/ソフトバンク「ボーナス運用」
PayPayが提供するキャッシュレス決済サービス「PayPay」のアプリ内で、ミニアプリとして提供されているのが「PayPayボーナス運用」だ。
ソフトバンクが出資するスマートフォン向け証券サービス「One Tap BUY」が運用を担当し、同社の投資信託に連動する形で、ユーザーが投資したPayPayボーナスが運用される。
運用はPayPayアプリ内の「ポイント運用」でPayPayボーナスを1円から追加できるが、短期運用向け「チャレンジコース」、長期運用向け「スタンダードコース」が用意されており、それぞれに運用額を追加することができる。
運用中の残高はいつでも引き出し(交換)ができ、PayPayボーナスの残高にチャージできる。ちなみに、ソフトバンクの長期継続特典やPayPay決済時など、PayPayボーナスが付与されたタイミングで、自動的にボーナス運用に追加する設定も可能だ。
楽天Point Club「ポイント運用」
楽天は楽天ポイントをおまかせで運用できる「ポイント運用」を提供している。
楽天Point ClubのWebページ、もしくはアプリで、「ポイント運用」を選び、100ポイントから運用に追加できる。
運用はグループ会社の楽天投信投資顧問が運用する投資信託の基準価額に連動し、積極的な運用を目指す「アクティブコース」と安定的な運用を目指す「バランスコース」の2つが用意されている。
運用中のポイントはいつでも引き出すことができ、ポイントを指定する場合は90%、すべて引き出す場合は全ポイントを引き出し、通常ポイントに戻せる。
ただし、引き出しは即時ではなく、営業日14時までの申請で、翌営業日の22時以降に反映される。また、期間限定ポイントはポイント運用に追加することができないので、注意が必要だ。はじめて利用するユーザー限定で、もし、ポイント運用でポイントが減っても300ポイントまでは保証するキャンペーンも実施している。
株式や投資信託にも投資できる「ポイント投資」にステップアップ
各社のポイントサービスを連携する「ポイント運用」は、いくつかの条件があるものの、基本的にはおまかせで運用ができる。
投資を体験してみたいユーザーにとっては、手頃にはじめられるサービスだが、もう少し本格的な投資を試してみたいというユーザーは「ポイント投資」をチェックしてみよう。
これもサービスによって、呼称がさまざまだが、おまかせで運用できる「ポイント運用」に対し、同じポイントを使いながら、特定の銘柄の株式や投資信託を売買するため、「ポイント投資」と呼ばれることが多い。
ちなみに、運用に使う原資がポイントであるとは言え、「ポイント投資」も投資のひとつであるため、サービスによっては証券会社や金融サービスに口座を開設するなどの手続きが必要になる。口座開設と言ってもそれほど難しいものではなく、所定の書類に必要な情報を書き込み、本人確認のための運転免許証やマイナンバーカードなどを登録するくらいなので、書類などに不備がなければ、一週間程度で口座が開設されるはずだ。
ポイント投資はおまかせのポイント運用と違い、特定の企業や投資信託などの銘柄を選び、ポイントで株式などを購入することになる。前述のように、少ない資金(ポイント)でも投資はできるが、それぞれの銘柄の善し悪しなどは自分で判断しなければならず、その判断にはある程度、金融に関する知識は必要になってくる。
ただ、これらのサービスを提供する企業もその点はわかっているようで、別途、初心者にもわかりやすいコンテンツを展開することで、投資や金融について、理解してもらおうとしている。最初はこうしたコンテンツを読みながら、銘柄の選び方や投資に関するノウハウを学んでいくのも手だ。かく言う筆者自身もこうしたコンテンツで勉強しながら、ポイント投資を試している。具体的なコンテンツとしては、NTTドコモ、auがそれぞれ連携しているポイント投資サービスのコンテンツが挙げられる。
SMBC日興証券「日興フロッギー+docomo」
@@link|https://froggy.smbcnikko.co.jp/
|「日興フロッギー+docomo」|B@@は、「記事から株が買えるサービス」をキーワードに、株式や投資に関するわかりやすい記事を掲載しながら、その記事に連動する形で、さまざまな銘柄を売買できる初心者向け証券サービス。NTTドコモのdポイントを投資に使うことができるうえ、記事を読むと、dポイントが貯まるなどの連携サービスも提供される。
投資できるdポイントは通常ポイントだけでなく、「dポイント(期間・用途限定)」も利用でき、株式以外に一部のETFなども購入できる。
株式の取引は一般的な単位株だけでなく、同社が提供する「キンカブ」(金額・株数指定取引)と呼ばれるサービスのしくみを利用し、100円(100ポイント)から金額や株数を指定して、購入できる。
たとえば、原稿執筆時、NTTの株は2700円前後だが、dポイントの100ポイントで購入すれば、0.04株が割り当てられる。ポイントで購入した株式は売却すると、SMBC日興証券の預かり金に入金されるため、他の金融商品への投資に利用したり、自分の銀行口座に出金することもできる。
日興フロッギーで特筆すべきは、掲載されているコラムなどのコンテンツが充実していることだ。
銘柄の紹介や投資のマーケットの情報だけでなく、億単位を稼いだ「億り人」のコラムや座談会、コミカルなやり取りが楽しい「仮面投資女子の実態調査!」など、読んで学べるコラムや企画が充実している。
これらのコンテンツは口座開設をしなくても読めるものがほとんどなので、投資に興味があるなら、一度、チェックしてみることをおすすめしたい。
auカブコム証券「ポイント投資」
auフィナンシャルホールディングス傘下の証券会社となったauカブコム証券は、Pontaポイントを使って、投資信託を購入できる「ポイント投資」のサービスを提供している。
auのポイント運用と同様に、初心者向けのエントリーサービスに位置付けられ、100円以上を1ポイント=1円相当として利用でき、現金とポイントを組み合わせて購入することもできる。
実際の投資はauカブコム証券のWebページやau PAYアプリの「ポイント投資」のメニューから投資ができる。購入できるのはauカブコム証券が取り扱う投資信託で、外貨建てMMFやETFなどは対象外となっている。保有している投資信託の残高に応じて、ポイントが付与されるため、そのポイントを再び投資に使うこともできる。
auカブコム証券は元々、カブドットコム証券として、事業を展開してきたため、利用できるサービスは投資信託だけでなく、株式やFXなど、多岐に渡る。今のところ、Pontaポイントが利用できるのは投資信託に限られているが、ポイント投資で得た利益を使い、株式や債券など、他のサービスに投資することもできる。
また、auカブコム証券も投資をはじめる人のために、「カブヨム」と呼ばれる初心者向けコンテンツを展開している。資産形成や投資のHow toなどに加え、ライフステージに関するコラムなども掲載されている。こちらも口座開設の有無に関わらず、読むことができるので、興味のある人は一度、チェックしてみることをおすすめしたい。
楽天やLINEでもポイント投資サービスを提供中
「日興フロッギー+docomo」やauカブコム証券の「ポイント投資」以外にもいくつかの証券会社で、ポイントを利用した運用や投資のサービスが提供されている。身近なサービスをピックアップして、紹介しよう。
楽天証券「ポイント投資」
https://www.rakuten-sec.co.jp/web/service/point/investment/
楽天グループのサービスで貯めたポイントを使い、国内株式や投資信託などに投資ができる。楽天証券に口座開設が必要。
LINE証券「LINEポイントで投資をはじめよう!」
https://line-sec.co.jp/contents/linepointstart.html
LINEポイントを使い、LINE証券で提供されているすべての金融商品の投資ができる。LINE証券に口座開設が必要。
SBIネオモバイル証券「Tポイント投資」
https://www.sbineomobile.co.jp/
Tポイントを使い、株取引やFX取引ができる。月額220円で取引放題で、毎月Tポイントが200ポイントもらえる。
セゾンカード「セゾンポケット」
https://www.saison-pocket.com/
セゾンカードの利用で付与される「永久不滅ポイント」を使い、積み立てで投資信託を購入したり、上場企業の株式やETFを毎月一定額ずつ購入できる。
使う/貯めるだけじゃないポイント活用
ここ数年、急速に拡大した各携帯電話会社のポイントサービスは、決済サービスなどと結び付き、新しい経済圏を確立しつつある。
各携帯電話会社の回線を契約していれば、何らかの形でポイントが付与されるが、ポイントは「使う」「貯める」だけのものでもない。 各社が提供する「ポイント運用」や「ポイント投資」を利用することで、少額のポイントや使わないままのポイントを有効に活用できる 。
もちろん、投資である以上、「減る」リスクは存在するが、現金を使った投資に比べれば、それほど大きなプレッシャーを感じることもなく、手軽に始められる。
しかも各サービスはこれまで投資にまったく興味を持たなかった人にもわかりやすいように、初心者を意識した内容になっており、スマートフォンのアプリを利用すれば、いつでもどこでも運用状況や投資情報を確認できる。
各社から付与されたポイントをうまく活用するために、各社が提供するポイント運用&投資サービスをチェックしてみることをおすすめしたい。