法林岳之の「週刊モバイルCATCH UP」
「AI+ハードウェア+ソフトウェア」で進化を続ける「Pixel 4」「Pixel 4 XL」
2019年10月25日 19:51
10月15日、Googleは米国で発表イベントを開催し、同社のスマートディスプレイやメッシュ対応Wi-Fiルーター、スマートフォンなどを発表した。翌16日に、同社の日本法人は都内でイベントを開催し、日本市場向けに投入される新製品とデモンストレーションを行った。
今回はこれらの新製品の内、スマートフォンの「Pixel 4」と「Pixel 4 XL」の実機を試すことができたので、その内容をレポートしよう。
日本市場への展開から一年
昨年、Googleは米国や欧州などで販売している自社ブランドのスマートフォン「Pixel」シリーズを日本市場向けに展開し、自ら販売するSIMフリー版に加え、NTTドコモとソフトバンクからも「Pixel 3」「Pixel 3 XL」を発売した。その後、今年5月には普及価格帯の「Pixel 3a」「Pixel 3a XL」も投入し、Google Homeなど、他のGoogle製品の展開とも相まって、ハードウェアについても徐々に日本市場での存在感を増しつつある。
Googleはかつて「Nexus」というブランドネームでスマートフォンを展開していたが、2015年に発売された「Nexus 5X」「Nexus 6P」を最後に、その流れは途絶えていた。Nexusシリーズはいち早く最新のAndroidプラットフォームを利用できることもあり、ユーザーにも支持を集めていたが、これと入れ替わるようにスタートしたのが2016年に初代モデルが発表されたPixelシリーズになる。残念ながら、Pixelの初代モデルと2代目モデルは日本市場への投入が見送られたため、やや間隔が開いてしまったが、2018年から再び日本市場への攻勢を強めている。
Pixelシリーズは従来のNexusシリーズと入れ替わる形でスタートしたが、製品としての位置付けが少し異なる。Nexusシリーズは元々、Androidプラットフォームの「リファレンスモデル」という位置付けで、HTCやサムスン、LGエレクトロニクス、モトローラなどと協業という形で製造されていた。
これに対し、Pixelシリーズは当初、HTCに製造を委託する形で開発されていたが、2017年9月にHTCの開発部門を買収し、現在はGoogle内で企画・開発が進められており、Googleが提供する多彩なサービスを快適に利用するためのスマートフォンとして、進化を続けている。つまり、Googleが提供するアプリやクラウドサービス、AIの技術を活かしたサービスなどもいち早く体験できることを目的としたスマートフォンであるわけだ。
しかし、最新のAndroidプラットフォームがいち早く利用できるアドバンテージは失われておらず、昨年のPixel 3/3 XL、今年のPixel 3a/3a XLのアップデート状況を見る限り、最新版を利用できるタイミングは当然のことながら、他機種よりも早い。
この約1年間のPixelシリーズの日本市場での反応については、Pixel 3/3 XLの夜景モードが発売後のアップデートで追加されたこともあり、当初はやや出遅れた感もあったが、十分なスペックと機能を搭載しながら、シンプルなデザインを好むユーザーに受け入れられたようだ。筆者の周りでも数人がPixel 3をメインの端末として利用している。
ただ、価格面についてはやや残念な流れになった印象は否めない。当初の価格設定がやや高かったため、発売時の出足が今ひとつ芳しくなかったが、今年6月~7月にかけて、NTTドコモとソフトバンクがPixel 3/3 XLを数万円値下げし、その後、今回の発表を目前に控えた9月には、NTTドコモが一括払いで2万円台まで値下げしてしまった。今年10月からの端末購入補助が制限されることとの兼ね合いもあるが、今年5月普及価格帯のPixel 3a/3a XLがリリースされている状況では、やや販売が荒れてしまった感も残った。
こうした状況を受けた形で、今回、Googleは日本市場向けに「Pixel 4」と「Pixel 4 XL」の2機種を投入することを発表した。昨年からのPixelシリーズ同様、基本的にはディスプレイサイズや解像度、バッテリー容量などの仕様が異なる2機種から構成される。チップセットなどは基本的に共通で、利用できる機能やサービスもほぼ同じ。バッテリー容量の違いによる連続利用時間の差はあるが、基本的にはディスプレイサイズとボディの持ちやすさで選ぶことになる。
また、販路については、Google自ら販売するGoogleストアに加え、ソフトバンクがキャリアモデルとして取り扱う。ソフトバンクはかつてのイー・モバイルがNexusシリーズを数多く販売した実績を受け、Android Oneシリーズをいち早く国内で展開し、前回のPixel 3/3 XLも世界でトップクラスの売り上げを記録したとされており、その販売力を見込んでの採用となったようだ。NTTドコモは残念ながら、2019-2020冬春モデルのラインアップにもなく、auも相変わらず静観する形となっているが、Googleストアで購入して、NTTドコモやau、MVNO各社のSIMカードを挿して、動作させることは可能となっている。
価格は別表にまとめた通りだ。消費税が昨年のPixel 3/3 XL発売時は8%、今回は10%のため、それを換算した内容になっているが、昨年に比べ、5000円程度値下げされている。とは言うものの、最高値のPixel 4 XLの128GB版は12万円を超えており、iPhone 11 Pro/Pro MaxやGalaxy Foldなどを除けば、今秋に発売されるハイスペックモデルの中でも比較的、高い部類に入る。
Pixel 4 | Pixel 4 XL | Pixel 3 | Pixel 3 XL | ||||
64GB | 128GB | 64GB | 128GB | 64GB | 128GB | 64GB | 128GB |
8万9800円 | 10万3950円 | 11万6600円 | 12万7800円 | 9万6759円 | 10万8981円 | 12万1204円 | 13万3456円 |
5.7インチの「Pixel 4」と6.3インチの「Pixel 4 XL」
まず、外観からチェックしてみよう。今回の「Pixel 4」と「Pixel 4 XL」は、いずれも本体前面のほとんどをディスプレイが占めるデザインを採用し、背面はカメラ部を除き、それぞれのボディカラーがあしらわれ、ボディカラーがClearly WhiteとOh So Orangeはマット仕上げ、Just Blackが光沢仕上げとなっている。従来のPixel 3/3 XLは背面がマットと光沢のツートーンのような仕上げだったが、それぞれの仕上げが背面全体に拡大した印象だ。背面は指紋センサーがなくなったことで、カメラ部がかなり強調されたデザインとなった。
従来機種に引き続き、FeliCaを搭載したGoogle Payに対応し、おサイフケータイの各サービスが利用できるが、本体背面には今回もFeliCaのマークがプリントされていない。対応サービスについてはGoogle PayでサポートされているiDやQUICpay、Suica、nanaco、楽天Edy、WAONが利用できる。
ボディのサイズ感については、従来モデルに対し、ボディ幅がほとんど変わらないものの、高さが両機種とも2mmほど増え、重量も10g前後増えている。ただ、実際に手にしたときの印象はほとんど変わらず、非常に持ちやすく、扱いやすいサイズ感に仕上げられている。本体を握ってのGoogleアシスタントへの話しかけも継承される。
ひとつ注意点としては、背面のマットな仕上げが非常になめらかで、滑りやすいため、できればカバーを装着しての利用をおすすめしたい。Google純正のカバーが販売されるほか、サードパーティからも対応製品が発売されている。また、従来モデルに引き続き、IP68規格に準拠した防水防塵にも対応する。
ボタン類のレイアウトは従来モデル同様、右側面の上側に電源キー、下側にシーソー式の音量キーが並ぶ。他のスマートフォンとは少しレイアウトが異なり、従来モデルでは慣れなかったが、今回は後述する顔認証のレスポンス向上もあり、ほとんど電源キーを触ることがなくなったことで、あまりストレスを感じなくなった。
ディスプレイはPixel 4がフルHD+対応5.7インチOLED(有機ELディスプレイ)、Pixel 4 XLがQHD+対応6.3インチOLEDをそれぞれ搭載する。縦横比はいずれも19:9となっており、本体前面には割れにくいCorning Gorilla Glass 5が採用されている。
ディスプレイの具体的な解像度はGoogleが公開した仕様に明記されていないが、デバイスツールによれば、Pixel 4が2280×1080ドット表示、Pixel 4 XLが3040×1440ドット表示となっており、従来のPixel 3/3 XLと比較して、いずれも縦方向の解像度が増えている。
Pixel 4 XLについてはPixel 3 XLでディスプレイの上部にあったノッチがなくなったことで、かなり見た目の印象が変わったように見える。10万対1の高コントラスト表示、HDRサポート(UHDA認証)、なめらかな表示を可能にする最大90Hz駆動のスムーズディスプレイ、周囲の明るさに合わせて表示を調整する「アンビエントEQ」などにも対応する。
OLEDの特性を活かした機能として、ロック画面にも時刻などを表示する「常にON(Always-On Display)」、黒を基調とした表示に切り替える「ダークテーマ」もサポートされる。また、従来モデルでもサポートされていた「この曲なに?(Now Playing)」もサポートされており、現在、聞こえている(周囲で流れている)楽曲の情報をロック画面に表示したり、通知エリアで知らせてもらうことができる。
セキュリティは前述のように、背面から指紋センサーがなくなり、前面カメラやIRカメラ、ドットプロジェクターなどを利用した顔認証に対応する。前面カメラのみで平面の情報を取得しているわけではなく、iPhoneのFace IDと同じように、赤外線カメラなども組み合わせ、立体的な情報を組み合わせることで、写真などではロックを解除できないように作られている。ただ、一部で報道されているように、目を閉じた状態での顔認証ができてしまうケースがあるとのことで、今後、アップデートで解消される見込みだ。
認証の速度は極めて早く、画面オフの状態から端末を手に取り、顔の真正面に来る直前にロックが解除され、すぐに操作できる状態になる。立体的な顔認証はFace ID以外にもいくつかの端末で採用されているが、認証の速度はおそらくもっとも早い部類に入る印象で、ストレスなく使うことができる。
物理SIMとeSIMのデュアルSIM対応
バッテリーはPixel 4が2800mAh、Pixel 4 XLが3700mAhのものを内蔵し、充電は本体下部のUSB Type-C外部接続端子からの18Wの急速充電、Qi対応のワイヤレス充電に対応する。パッケージには18W/2A対応のUSB Type-C充電器が同梱される。ちなみに、昨年、Pixel 3/3 XLといっしょに発売された「Pixel Stand」は継続販売されており、フォトフレームとしての利用や目覚ましディスプレイの設定、Googleアシスタントの連携も可能だ。
チップセットは米Qualcomm製Snapdragon 855を採用し、RAMは6GB、ROMは64GBと128GBのモデルが用意される。microSDカードなどの外部メモリーに対応していないため、端末内に音楽や写真、動画を保存しておきたいユーザーは、128GB版の購入がベターだが、写真はGoogleフォトにバックアップし、音楽はGoogle Play MusicやYouTube Musicなどを利用すれば、64GB版でもそれほど問題にならずに利用できるはずだ。
プラットフォームは出荷時にAndroid 10がインストールされており、セキュリティパッチは原稿執筆時点で2019年10月5日版が適用されていた。将来的なアップデートについてはGoogleストアでの発売から最低3年間のOSアップデートとセキュリティアップデートを保証しており、ユーザーとしては安心して使うことができる。日本語入力についてはGoogleによる「Gboard」が搭載される。
Android 10についてはすでに一部の機種向けにも提供されているが、Pixel 3/3 XLなどと比較して、少し操作性が変わったように感じられた。
実は昨年、Pixel 3/3 XLをレビューしたとき、Android 9 Pieではアプリ一覧を表示するために、ホームから上方向にスワイプするとアプリの使用履歴(タスク画面)が表示されてしまい、画面下段から中段以上までスワイプしなければアプリ一覧が表示できず、「やや使いにくい」という不満を述べた。
ところが、今回のPixel 4とPixel 4 XLについては、画面上で上方向へ軽くスワイプするだけで、アプリ一覧が表示されるようになっており、ほぼストレスなく、操作することができた。
ネットワークについては両機種とも5xCAに対応し、受信時最大1.2Gbps(Cat.18)、送信時最大150Mbps(Cat.13)、DL 4×4 MIMOに対応する。ネットワーク関連で従来から変更されたのは「eSIM」への対応が挙げられる。Pixel 3/3 XLは米国で販売されているモデルがeSIMに対応していたが、日本市場向けは物理的なnanoSIMカードのみに対応していた。これに対し、今回のPixel 4とPixel 4 XLは日本市場向けも米国向け同様、nanoSIMカードとeSIMのデュアルSIM構成となっている。
Pixel 4とPixel 4 XLのeSIMについては、米国や日本のほか、オーストラリア、カナダ、ドイツ、スペイン、英国、インド、台湾で利用できるとしており、しくみとしてはiPhone 11シリーズなど同じように、端末内のメニューからeSIMサービスを提供する事業者の情報をQRコードなどで読み込む形式を採っている。GoogleはPixelシリーズと連携する形で、米国で「Google Fi」と呼ばれるMVNOサービスを提供しているが、今のところ、国内でのサービス開始は予定しておらず、eSIMについては各事業者に対応を問い合わせて欲しいとの案内にとどめている。
そこで、筆者はIIJがiPhone向けに提供している「データ通信専用SIM eSIMプラン(ベータ版)」を申し込み、登録を試みたところ、無事にPixel 4 XLで開通させることができた。今のところ、IIJの動作確認端末には含まれていないため、動作は保証できないが、手軽にデータ通信を利用したいユーザーには魅力的な手段のひとつと言えそうだ。Googleからの情報提供はあまり期待できないが(笑)、今後、海外の通信事業者が提供するローミング向けeSIMサービスなどが使えるようになれば、Pixel 4とPixel 4 XLの活用範囲もグッと拡がることになりそうだ。
ソフトウェアの新機能としては、音声認識のテキスト化機能が上げられる。この機能は米国の発表イベントでも大きな歓声が上がったものだが、今のところ、英語のみの提供で、日本語での利用については未定とされている。同様の音声認識のテキスト化機能はスマートフォンのアプリなどでも提供されているが、将来的には各国語で話した内容がテキスト化され、これを自動的に日本語に翻訳する「翻訳機」のような進化が期待できる。
Pixelシリーズ初の標準&望遠デュアルカメラ搭載
昨年発売されたPixel 3/3 XLは、シングルカメラながら、ボケ味の利いた写真を撮影できたり、夜景モードが追加されるなど、AIの技術を活かした写真撮影が注目を集めた。
今回のPixel 4とPixel 4 XLでは、背面の左上に16MピクセルのセンサーとF2.4のレンズを組み合わせた望遠カメラ(視野52度)、12MピクセルのデュアルピクセルセンサーとF1.7のレンズを組み合わせた広角カメラ(視野77度)を搭載する。ただ、この「望遠」と「広角」という表現はわかりやすくするために、筆者が便宜上、書いたもので、Googleの製品情報としては視野のみが表記されている。画角から35mm換算で焦点距離を割り出すと、望遠カメラは約44mm、広角カメラは約27mmになる。そのため、12Mピクセルのカメラは広角のレベルにあるものの、16Mピクセルのカメラは少し短めの望遠という印象だ。
操作についても他のスマートフォンのカメラ機能に比べ、一般的なピンチ操作でのズームなどはサポートされているものの、他の操作は少し独特のところがある。たとえば、カメラを起動したときは広角側が使われていて、画面をダブルタップすると、望遠側に切り替わり、画面には[2x]というアイコンが表示される。これらの操作は従来機種からサポートされているが、画面上にほとんどガイダンスが表示されず、他機種に比べ、ユーザーインターフェイスとして、やや不親切な印象は否めない。
また、望遠カメラの焦点距離が短いが、AIの技術を活かした超解像ズームも搭載されており、デジタルズームで撮影したときの解像感は一般的なスマートフォンのデジタルズームよりも解像感は高い。ただ、被写体や周囲の明るさなどに影響を受けるため、デジタルズームの最大値である8倍までのズームを使うときは仕上がりをよくチェックした方がいいだろう。
もうひとつ背面カメラでユニークなのは「デュアル露出補正」で、写真を撮影するときの露出を明るい方向と暗い方向のそれぞれに調整できるようにしている。カメラに少し詳しいユーザーなら、露出をうまく調整して、雰囲気のある写真を撮ることもできる。逆に、あまりカメラに詳しくないユーザーも少し設定を変更してみて、同じシーンでもいろいろな写真を撮ってみると楽しそうだ。
前面側のカメラについては、Pixel 3/3 XLが広角と標準のデュアルカメラを搭載していたのに対し、Pixel 4とPixel 4 XLはシングルカメラ構成となり、8MピクセルのセンサーとF2.0のレンズを組み合わせたものを搭載する。視野は90度とされており、フォーカスは固定(パンフォーカス)となっている。
前面カメラが搭載されている本体前面のディスプレイの上側のエリアは、Pixel 3 XLのようなノッチがなくなったが、このエリアには前述の顔認証に関わるパーツが数多く収められている。たとえば、顔認証のためのIRカメラは左右に1つずつの2基、同じく顔認証に利用するドットプロジェクターとフラッドエミッターなどが内蔵されている。これらを活用することにより、従来に比べ、格段の速さで顔認証によるロック解除が可能で、写真などでのロック解除もできないように作り込まれている。
そして、今回は発表会のデモでしか体験ができていないが、この前面カメラ部には「Soli」と呼ばれるレーダー技術のためのチップが搭載されており、ジェスチャーによって、さまざまな操作を可能にしている。
ただし、このSoliが使うレーダー技術はまだ国内での法整備が完了していないため、当面は利用できない状態で出荷され、法律的にもクリアになる来春の段階で、ソフトウェア更新によって、利用が可能になる予定だ。
ジェスチャー操作については国内でもタブレットなどで実現された例があるが、あまり普及するまでには至っていない。ただ、2002年公開の映画「マイノリティ・リポート」(トム・クルーズ主演)で、主人公が大きなディスプレイを前に立ち、ジェスチャーでさまざまなウィンドウを操作するシーンが印象に残っており、レーダーによるジェスチャー操作はスマートフォンというより、もっと大きな画面への操作などへの進化を期待すべきなのかもしれない。
AIを活かした進化が楽しめる一台
スマートフォンの進化において、これまではチップセットや通信技術、カメラを構成するセンサーやレンズ、画像処理エンジン、ディスプレイ、タッチパネルなど、全般的に見て、ハードウェアが大きく寄与してきた。ソフトウェアもAndroidプラットフォームが着実に進化を続け、そこで動作するアプリと連携するサービスがスマートフォンの可能性を拡げてきた。GoogleのPixelシリーズは「Hardware」と「Software」というスマートフォンの基本構成に加え、Googleが今、もっとも注力する「AI」の技術を組み合わせ、新しいスマートフォンの進化を模索している。
今回のPixel 4とPixel 4 XLもカメラの超解像ズームなどにAIの技術を活かされているが、eSIMなどの新しい通信技術も日本向けモデルでサポートすることで、ユーザーが活用できるシーンがさらに拡大しそうだ。人によって、端末のデザインや質感には好みが分かれるかもしれないが、全体的に見て、非常に完成度の高い端末に仕上げられている。気になる点があるとすれば、ユーザーインターフェイスなどでユーザビリティよりもデザインが重視されている印象があり、今ひとつ親切さが不足している感が残る。カメラも多くのメーカーが注力している「超広角」や5倍以上の「望遠」などもサポートされておらず、AI以外の部分はややインパクトに欠ける。
とは言うものの、昨年のPixel 3/3 XLのアップデートによる進化などを振り返ってみれば、Pixel 4とPixel 4 XLもアップデートで機能やサービス、アプリが追加されていくはずで、Googleが創り出す新しい世界を体験したいユーザーにはおすすめできるモデルと言えるだろう。