レビュー

「Pixel 4」クイックインプレッション

Pixel 3aユーザーから見たPixel 4の魅力

 グーグルの新型スマートフォン「Pixel 4」「Pixel 4 XL」が10月24日に発売される。Pixelシリーズのフラッグシップスマートフォンとしては4世代目にあたり、2018年秋に発売された「Pixel 3」「Pixel 3 XL」の後継機種となる。

 筆者は普段いくつかのスマートフォンを併用しているが、ここ半年ほど特に気に入って使っている機種のひとつが先代Pixel 3の廉価版「Pixel 3a」だ。飽きのこないシンプルなデザインと扱いやすいサイズ感、ミドルレンジながら不満の少ない動作、そしてPixelシリーズの最大の売りでもある高性能なカメラが気に入っている。

 今回は発売前の「Pixel 4」を試用する機会を得たので、Pixel 3aユーザーから見たPixel 4の魅力をご紹介したい。

広角+望遠のデュアルカメラ、「夜景モード」も進化

 従来のPixelシリーズでは、インカメラにはデュアルカメラの採用実績があったが、アウトカメラは代々シングルカメラ仕様を貫いていた。昨今のフラッグシップモデル、それもカメラ性能を売りにする機種としては珍しいことだが、複数のカメラを組み合わせるアプローチではなく、グーグルが得意とするAI技術を駆使した画質向上や夜景モードなどソフトウェアの力で勝負してきた。

広角+望遠のデュアルカメラを搭載

 Pixel 4/4 XLのアウトカメラには約1600万画素の望遠カメラが追加され、シリーズ初のデュアルカメラとなった。約1220万画素のメインカメラは従来とほぼ同等の画角(77度)となっている。

 Pixel 4のカメラアプリを操作してみると、画角の異なる複数のカメラを搭載する機種では定番となりつつある「倍率を切り替えるボタン」はなく、明示的に広角・望遠どちらのカメラを使うか指定できるようにはなっていない。スライダーを操作して0.1倍刻みでズーム操作をしていき、適切な段階で自動的に望遠カメラに切り替わる仕組みだ。

カメラアプリのUI

 撮影中はあまりデュアルカメラの機種を使っているという実感はわかないが、シンプルな操作で常に最善の設定が選択されていることは美点でもある。ちなみに、ズームのほかにポートレート撮影にも新たに加わった望遠カメラが活用されている。

 Pixel 3やPixel 3aはシングルカメラだが、超解像ズーム機能が搭載されていて2倍程度の撮影であれば十分な画質が得られていたため、Pixel 4の望遠カメラの能力を実感しやすいのはより大きくズームした時かもしれない。欲を言えば、せっかくデュアルカメラにするのなら望遠よりも、画像処理では実現できない超広角のカメラを追加して欲しかったというのが率直な意見だ。

Pixel 4で撮影
ズーム比較(1x)
ズーム比較(2x)

 Pixel 4のカメラの特徴としてはもうひとつ、進化した夜景モードが挙げられる。Pixel 3やPixel 3aにも後日アップデートで提供される予定だが、先行してPixel 4に搭載されている機能だ。

 夜景モードそのものはPixel 3から搭載されているが、Pixel 4ではさらに改良され、条件が揃えば天の川すら撮れるという。都内では星を撮るのは難しいが、通常の夜景でPixel 3aの夜景モード(Pixel 3とほぼ同等)と撮り比べてみた。

Pixel 4の夜景モードで撮影
Pixel 3aの夜景モードで撮影

顔認証は快適、「Motion Sense」は来年のお楽しみ

 カメラ以外の部分に目を向けると、まずPixel 4の前面上部には顔認証のためのセンサーやドットプロジェクター、新機能「Motion Sense」のための「Soli」レーダーなどがところ狭しと詰め込まれている。

 その分、画面が本体の下側に偏った配置になっているので、片手で文字入力をしたい場合はIMEの設定でキーボードを少し上寄りに配置するとバランスが取れて操作しやすくなる。端末のサイズ自体は、幅68.8mm、重さ約162gと、近年のハイエンドスマートフォンとしては小柄で扱いやすい部類だろう。

 顔認証はインカメラを使う従来モデルのものとは異なり、ドットプロジェクターとIRカメラで立体的にユーザーの顔を認識する方式で、わかりやすく言えばiPhone X以降の「Face ID」と同様の仕組みを採用した。

 生体認証は先述の顔認証のみとなっているため、素早いロック解除でいつでも速やかに操作できることを望むユーザーにとっては、指紋センサーが廃止されたことを残念に思う向きもあるかもしれない。

 筆者もそう考えていたが、Pixel 4にはスリープ状態から画面をタップした際や端末を持ち上げた際にロック画面を表示させる設定、顔認証の完了後にロック画面をスキップできる設定がある。これらを組み合わせて「端末を手に取って画面を見れば勝手にホーム画面が表示される」という使い方が可能で、認証そのものも速く、試用する中で顔認証にストレスを感じることはなかった。

顔認証の設定画面
Motion Senseの設定画面

 Motion Senseについては日本では法制度の対応を待っている状況で、2020年春以降の実装となる見通し。現時点では設定メニューがグレーアウトされた状態になっているが、ずっと使えない機能というわけではなく、Pixel 4ユーザーにとっては発売後のお楽しみ要素になりそうだ。

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