法林岳之の「週刊モバイルCATCH UP」

2Kディスプレイ搭載、コスパに優れた「MediaPad M5/M5 Pro」

 ファーウェイは、Androidタブレット「HUAWEI MediaPad M5」(8.4インチ)と「HUAWEI MediaPad M5 Pro」(10.8インチ)の2機種を国内向けに投入することを発表した。

8.4インチディスプレイを搭載した「MediaPad M5」(左)、10.8インチディスプレイを搭載した「MediaPad M5 Pro」(右)

 今年2月の「MWC 2018」で発表された機種で、人気機種「MediaPad」シリーズの最新モデルになる。ひと足早く実機を試用することができたので、その内容をチェックしてみよう。

着実に拡がってきたAndroidタブレット

 スマートフォンと同じプラットフォームを採用しながら、より大きなディスプレイを搭載することで、電子書籍や映像コンテンツを楽しんだり、時にはパソコンライクな活用も可能にするタブレット。国内ではスマートフォンでiPhoneが強いこともあり、メーカー別ではiPadシリーズを販売するアップルがトップシェアを獲得しているが、プラットフォーム別で見ると、ここ数年は急速にAndroidタブレットがシェアを拡大しつつある(※参考記事)。

 このAndroidタブレット拡大に大きく寄与しているのがファーウェイだ。MM総研による国内のタブレット端末の調査によると、ファーウェイはアップルに次ぐ第2位のシェアを獲得しており、なかでもNTTドコモ向けのdtabシリーズが好調だったとしている。ファーウェイと言えば、SIMフリースマートフォンが好調で注目を集めているが、NTTドコモ向けにdtabシリーズを供給する一方、ソフトバンク向けには「MediaPad M3 lite S」を供給し、オープン市場向けにはSIMフリーの「MediaPad M3 lite」や「MediaPad T3」なども展開しており、Androidタブレットでも幅広いラインアップを各方面で販売している。

 今回、国内向けの展開が発表されたMediaPad M5シリーズの2機種は、いずれも今年2月にMWC 2018に合わせて開催された「Huawei Global Product Lauch」で発表されていたもの。8.4インチのディスプレイを搭載した「MediaPad M5」、10.8インチのディスプレイを搭載した「MediaPad M5 Pro」の2機種がラインアップされる。従来のMediaPad M3シリーズから約1年半ぶりの後継機種で、SIMフリーモデルとして、国内の家電量販店やMVNO各社などを通じて、販売される。

 「MediaPad M5」「MediaPad M5 Pro」は、チップセットやプラットフォーム、ソフトウェアなどの基本仕様は共通で、ディスプレイやバッテリー容量など、一部の仕様が異なる構成となっている。「MediaPad M5」はWi-Fi+LTE対応モデルが販売されるのに対し、「MediaPad M5 Pro」はWi-Fiモデルのみで、「M-Pen」と呼ばれるペンデバイスによる手書き入力がサポートする。「MediaPad M5」が携帯性重視のタブレットであるのに対し、MediaPad M5 Proはクリエイターや手書きメモなどを重視するユーザー向けのモデルという位置付けになる。

8.4インチの2Kディスプレイを搭載したMediaPad M5

 今回発表されたMediaPad M5シリーズのうち、まずは8.4インチのディスプレイを搭載したMediaPad M5からチェックしてみよう。

ファーウェイ「MediaPad M5」、約124.8mm(幅)×212.6mm(高さ)×7.3mm(厚さ)、約316g(重量)、スペースグレー(写真)

 ボディはメタルユニボディとして製造されており、背面から側面にかけて、緩やかにラウンドさせることで、持ちやすい形状に仕上げている。上下に内蔵したアンテナ部を活かすための樹脂製パーツが組み合わせられているが、全体的に質感も良く、精巧な仕上がりという印象だ。ファーウェイはSIMフリースマートフォンでも美しい仕上げで着実に評価を高めてきているが、タブレットのMediaPadシリーズも同様の仕上がりで、デザインも洗練されてきた印象だ。

本体を縦に持ったときの右側面(長辺側)に電源キーと音量キーを備える
背面は上下のアンテナ内蔵部に樹脂パーツが使われているものの、すっきりとしたデザイン
下部にはUSB Type-C外部接続端子を備える。左右にはステレオスピーカーを内蔵。上部も同じ位置にステレオスピーカーを内蔵

 ディスプレイは2560×1600ドット表示が可能な8.4インチの2K対応IPS液晶パネルを採用する。このクラスのタブレットでは「iPad mini 4」が直接的なライバル機種ということになるが、「iPad mini 4」が7.9インチディスプレイを搭載し、画素密度が326PPI、画面占有率が70%であるのに対し、「MediaPad M5」は8.4インチを搭載し、画素密度は359PPI、画面占有率は82%となっており、スペック的にもかなり上回っている。

iPad mini 4(右)と比較すると、ディスプレイの比率やサイズの違いがよくわかる

 ボディの幅もiPad mini 4の134.6mmに対し、MediaPad M5は124.8mmに抑えられており、タブレットをはじめて持つユーザーでもあまり戸惑うことなく、扱うことができる。このサイズ感なら、女性が普段、持ち歩くコンパクトなバッグにも入れておくことができそうだ。ちなみに、ボディカラーはスペースグレーのみで、パッケージには専用のスマートカバーが付属する。

 また、タブレットでは電子書籍や映像コンテンツなどの閲覧が増えることを考慮し、表示するコンテンツに合わせ、画像を見やすく最適化する「ClariVu」も搭載される。ブルーライトカットなどを中心にした視力保護モードも搭載されており、時間帯によって、自動的に切り替えたり、色温度もユーザーの好みに応じて、調整できるようにしている。さらに、文字などの見やすさについては、設定画面の表示モードのメニュー内で、メールやメッセンジャーアプリを模した画面を見ながら、調整できるようにしている。フォントサイズも5段階で調整できるため、シニア世代以上のユーザーも安心して使うことができる。

背面の左上の角に13MPカメラを内蔵する。タブレットとしては明るいF2.2のレンズを組み合わせる
本体のディスプレイの下側(短辺側)に指紋認証センサーを内蔵
SIMカードはnanoSIM対応
MediaPad M5専用ケースも同梱される

 本体前面には従来モデルに引き続き、指紋認証センサーが搭載されており、画面ロック解除をはじめ、アプリのロック設定やアクセス制御などに利用できる。指紋認証センサーはファーウェイ製スマートフォンと同じように、Androidプラットフォームのナビゲーションの操作を割り当てることもできる。指紋認証センサーをタップで「戻る」、長押しで「ホーム」、左スライドで「アプリ履歴」(起動中タスク)、画面外から内側へのスワイプでGoogleアシスタントという割り当てになる。少し慣れが必要だが、Androidプラットフォーム標準のナビゲーションキーを画面内に表示しないため、その分、画面を広く利用できるというメリットを持つ。

 この他にも画面内に自由に移動できる丸い円を表示し、その円のアイコンを操作することで、ナビゲーションキーと同じ機能が利用できる「ナビゲーションメニュー」という機能も提供される。ホーム画面のスタイルもホーム画面内にすべてのアプリのアイコンを表示する「標準」、ホーム画面表示された専用ボタンをタップして、アプリ一覧を表示する「ドロワー」の2種類から選んで設定できる。

ホーム画面は「標準」と「ドロワー」の2種類から設定が可能
表示モードは下のスライドバーを動かし、文字の見え方を確認しながら変更できる。チャットスタイルの画面がサンプルで表示される
メールの画面がサンプルで表示される表示モードの設定画面も用意されている
ナビゲーションキーは一般的な「仮想ナビゲーションバー」、指紋センサーを利用した「画面外ナビゲーションボタン」、円形のアイコンを使った「ナビゲーションメニュー」から選べる
画面外ナビゲーションに設定したとき、Googleアシスタントは画面外から内側へのスワイプで起動
画面最上段から表示できる通知パネル。カスタマイズも可能

映像コンテンツも快適に視聴できる

 今回のMediaPad M5で強化された機能のひとつに、サウンドが挙げられる。タブレットではWebページやメールだけでなく、映像コンテンツを楽しむことが多いが、ちょっとした空き時間などに友だちや家族など、複数の人で視聴するシチュエーションもある。こうしたシーンでの利用を考慮し、MediaPad M5では音響機器メーカーのharman/kardonのチューニングによるスピーカーを搭載する。本体の上部と下部にそれぞれ4つのスピーカーを内蔵しており、同社独自のサラウンド技術「Histen」との組み合わせにより、拡がりのあるサウンドを楽しむことができる。

 ところで、ファーウェイ製タブレットについては、一部で「著作権保護機能の対応が不十分なため、映像配信サービスを視聴できないのでは?」といった指摘があったが、今回試用した限りでは「Netflix」や「Hulu」も問題なく再生できており、前述のサラウンド効果とも相まって、快適に視聴することができた。

映像配信サービス「Netflix」も問題なく視聴でき、ダウンロード再生も可能だった
「Hulu」も他の端末と同じように視聴できた。サウンドが強化されていることもあり、映画やドラマの視聴が楽しい

 今回のMediaPad M5には3.5mmのステレオイヤホン端子が備えられていないが、パッケージにはUSB Type-C/3.5mmステレオイヤホン端子変換アダプタが同梱される。プリセットされる標準の音楽プレーヤーの利用時はハイレゾ音源の再生にも対応しており、長時間の移動中の音楽プレーヤーとしても快適に利用できる。

 チップセットは同社のタブレット端末としては最高スペックとなる「Kirin960」を搭載する。従来モデルに比べ、チップセットのパフォーマンスも向上したが、GPUなどが強化され、ゲーム専用モードが搭載されたことで、ゲームなども快適に楽しむことが可能だ。メモリーは4GB RAMと32GB ROMを内蔵し、最大256GBのmicroSDメモリカードにも対応する。バッテリーは5100mAhの大容量バッテリーを搭載し、動画再生で10時間、音楽再生で56時間、電子書籍閲覧で約16時間の連続利用を可能にしている。付属のACアダプタによる9V2Aの急速充電にも対応する。

 データ通信は受信時最大262.5Mbps、送信時最大50Mbpsに対応する。通信方式と対応周波数は、FDD-LTEがBand 1/3/4/5/7/8/12/17/18/19/20/26、TDD-LTEがBand 34/38/39/40/41、W-CDMAがBand 1/2/5/6/8/19、GSMが850/900/1800/1900MHzとなっている。APNはスクリーンショットを確認していただきたいが、NTTドコモ系ネットワークはIIJmioやOCNモバイルONE、mineo(Dプラン)などの23種類、au系はUQモバイルやmineo(Aプラン)などの4種類、ソフトバンク系はワイモバイルなど2種類がそれぞれ標準で登録されていた。NTTドコモのspモードが登録されていないのが気になるが、主要なMVNO各社のSIMカードのAPNはほぼカバーされていると見ていいだろう。プラットフォームはAndroid 8.0を採用し、ファーウェイのEMUI 8.0が設定されている。日本語入力はiWnnが採用されている。

NTTドコモ系MVNOのAPNは23種類が標準で設定されている
au系MVNOのAPNは4種類が標準で設定
ソフトバンク系のAPNは2種類のみ

 カメラについては背面に13MPのイメージセンサーにF2.2のレンズ、前面に8MPのイメージセンサーにF2.2のレンズを組み合わせたものを搭載する。オートフォーカスは背面カメラの位相差AFのみで、前面カメラは固定焦点となっている。カメラ機能のユーザーインターフェイスは同社のスマートフォンのものと基本的に共通で、おなじみのビューティーモードも利用できるほか、アニメーション撮影やプロ写真モードなどもサポートされる。

タブレットながら、カメラの撮影モードはファーウェイ製スマートフォンと同様で多彩
「プロ写真」に切り替えれば、露出や明るさ、感度などを自由にカスタマイズして撮影できる

M-Pen付属で手書き入力に対応したMediaPad M5 Pro

 「MediaPad M5 Pro」は、「MediaPad M5」とチップセットなどの基本仕様を共通にしながら、ひと回り大きな10.8インチディスプレイを搭載し、「M-Pen」と呼ばれるペン入力デバイスにも対応したモデルとなっている。8.4インチディスプレイを搭載した「MediaPad M5」との相違点を中心にチェックしてみよう。

ファーウェイ「MediaPad M5 Pro」、約258.7mm(幅)×171.8mm(高さ)×7.3mm(厚さ)、約498g(重量)、シャンパンゴールド(写真)

 まず、本体はMediaPad M5同様、メタルユニボディで製造され、前面周囲をダイヤモンドカットで仕上げ、背面は継ぎ目のないシームレスなデザインにまとめている。ボディカラーはシャンパンゴールドのみで、前面のベゼルはホワイトで仕上げられている。

 ディスプレイは2560×1600ドット表示が可能な10.8インチの2K対応IPS液晶パネルを採用する。従来のMediaPad M3 Lite 10が10.1インチ、MediaPad T3 10が9.6インチだったのに対し、ひと回り大きなサイズのディスプレイを搭載したことになるが、ボディサイズはMediaPad M3 Lite 10との比較で、幅が18mm、高さが1.2mm、厚さが0.2mmしか増えていない。また、MediaPad M5 Proはディスプレイサイズやペン入力対応などを勘案すると、ちょうどiPad(第6世代)やiPad Pro 10.5インチがライバル機種に位置付けられるが、ディスプレイサイズはMediaPad M5 Proがひと回り大きく、画素密度はiPad Pro 10.8インチの264PPIに対し、MediaPad M5 Proは280PPIとなっており、より高精細な表示を可能にしている。

 ディスプレイの「ClariVu」や「視力保護モード」などの表示機能はMediaPad M5と共通で、ホーム画面のカスタマイズなども基本的には同じように設定ができる。表示モードや文字サイズのカスタマイズも同様で、ガイダンスもわかりやすく、シニアユーザーにもストレスなく使うことができそうだ。

背面は継ぎ目などがほぼなく、美しい仕上がり
本体を横向きに構えたときの右側面に電源キーや音量キーを備える
指紋認証センサーは本体前面のディスプレイの横(短辺側)に備えられている
Wi-Fiモデルのため、SIMカードは装着できないが、同様のトレイにmicroSDメモリーカードを装着できるしくみを採用

 MediaPad M5 ProがMediaPad M5、あるいは従来モデルのMediaPad M3 Lite 10と比べて、少し異なるのが指紋認証センサーの位置だ。従来のMediaPad M3 Lite 10では本体を横向きに持って利用することを想定し、指紋認証センサーは本体前面の長辺側に備えられていたが、MediaPad M5 Proでは本体前面の短辺側に指紋認証センサーが備えられており、本体を横向きに構えたときは右側に位置することになる。これは8.4インチディスプレイを搭載したMediaPad M5と共通のレイアウトになるが、実際に使ってみると、右手親指が当てやすい位置になるため、違和感なく使うことができる。ナビゲーションキーの機能を指紋認証センサーに割り当てるカスタマイズもMediaPad M5と同じようにできるが、Googleアシスタントの操作は少し使い勝手が異なるので、注意が必要だ。

 オーディオの強化についてもMediaPad M5と共通で、harman/kardonのチューニングによる4つのスピーカーを搭載するが、レイアウトが少し異なる。MediaPad M5の4スピーカーは本体の短辺側に内蔵されていたのに対し、MediaPad M5 Proでは本体長辺側に内蔵されている。本体を横に構えたとき、MediaPad M5 Proではスピーカーが上下に位置することになるが、スピーカーそのものの大きさや穴のレイアウトも違うためか、MediaPad M5以上に迫力あるサウンドが楽しめる印象だ。3.5mmのステレオイヤホンマイク端子がない点も共通で、パッケージにはUSB Type-C/3.5mmステレオイヤホン端子変換アダプタが同梱される。Bluetoothによるワイヤレス接続も利用可能だ。

メインカメラは背面に右の角に備えられている。カメラのスペックはMediaPad M5と共通
本体の下部の背面側には外付けキーボードの端子が備えられているが、国内のコンシューマ向けには販売されない

 チップセットも共通の「Kirin960」を搭載するが、メモリーはRAMが同じ4GBであるのに対し、ROMは64GBと大容量になっている。最大256GBのmicroSDメモリカードにも対応する点は共通で、ゲーム専用モードなども共通仕様となっている。通信環境については、前述の通り、Wi-Fiモデルのみがラインアップされ、2.4/5GHz対応のIEEE 802.11a/b/g/n/ac準拠となっている。Wi-Fi/LTEモデルがラインアップされないのはやや残念だが、10インチクラスのタブレットは家庭内などでの利用が多いため、現実的なモデル構成とも言える。

専用タッチペン「M-Pen」が同梱される
「M-Pen」はフックの部分を回したところに、USB Type-Cの端子が備えられていて、充電ができる

 「MediaPad M5 Pro」が「MediaPad M5」と大きく異なるのは、「M-Pen」と呼ばれる専用タッチペンに対応している点だ。M-Penはパッケージに同梱されており、標準で数式アプリ「MyYScript Calculator」、メモアプリ「Nebo for Huawei」がプリセットされている。M-Penは4096段階の筆圧や傾きを検知可能なペン入力デバイスで、ショートカットボタンが2つ備えられている。今回はプリインストールのアプリのみで試用したが、書き味は非常になめらかで、追従性も良好という印象だ。今年2月のMWC 2018に合わせて催された「Huawei Global Product Lauch」では、M-Penを使い、肖像画を描くデモなども公開されており、グラフィックで利用したいユーザーのニーズにも応えられるようにしている。ただ、絵を描くことに関しては、イラストなどを描く人によって、対応アプリなども含め、好みがあるため、実際の利用環境に当てはめてみないと、どれだけのレベルにあるのかは判断しにくい。できることなら、ファーウェイが対応アプリなどの情報提供も含め、グラフィックのユーザーをサポートできる体制を整えて欲しいところだ。

標準でインストールされている「MyScript Calculator」はM-Penで数式を入力すると、自動的に認識して、画面のように表示され、計算も実行される
ワコムの「Bamboo Paper」をダウンロードし、M-Penでお絵描きをしてみたが、こうしたアプリで子どもと楽しむのもおすすめだ。

 また、グローバル向けのMediaPad M5 Proでは、2in1パソコンのように利用できる専用キーボードがオプションで提供されているが、残念ながら、国内向けはキーボードのレイアウトなどが異なるため、今回は提供されない。このキーボードを接続すると、スマートフォンのMate 10 Proの「PC Mode」のように、マルチウィンドウ表示が可能なユーザーインターフェイスに切り替わるため、これまでのAndroidタブレットに比べ、格段にパソコンライクな使い方が可能になるものだっただけに、やや残念な印象だ。ただし、本体には専用キーボードを接続する端子が備わっているため、海外で販売されているものを流用することは可能となっている。ちなみに、ファーウェイとしては一般向けに専用キーボードを販売しないものの、法人向けなどで需要があれば、提供することは可能だとしている。

MediaPad M5 Proの標準のホーム画面

Androidタブレットを始めるのに適したMediaPad M5シリーズ

 冒頭でも説明したように、タブレットはスマートフォンと同じプラットフォームを採用しながら、大きなディスプレイを搭載することで、より快適に利用できる位置付けの製品だ。特に、電子書籍や映像コンテンツなどを楽しむには、もっとも適した製品のひとつだが、個人ユーザーへの普及はそれほど進んでいないようにも見える。その背景にはいろいろな理由があるが、これまでは価格や機能、性能面などで、やや二の足を踏んでいるユーザーが多いと推測される。

従来の「MediaPad M3 Lite 10」(上)との比較。ひと回りサイズが大きくなっている

 今回、ファーウェイから発表されたMediaPad M5とMediaPad M5 Proは、どちらもAndroidタブレットとして、十分な機能とトップクラスの性能を持ちながら、デザインや仕上げも優れたバランスのいい製品に仕上げられている。予想される実売価格は、8.4インチのMediaPad M5が3万円台後半、10.8インチのMediaPad M5 Proが4万円台半ばとなっており、Androidタブレットを始める最初の一台に適した製品と言えそうだ。

法林 岳之

1963年神奈川県出身。携帯電話・スマートフォンをはじめ、パソコン関連の解説記事や製品試用レポートなどを執筆。「できるゼロからはじめるiPhone X/8/8 Plus超入門」、「できるゼロからはじめるAndroidタブレット超入門」、「できるゼロからはじめるAndroidスマートフォン超入門 改訂2版」、「できるポケット HUAWEI P10 Plus/P10/P10 lite 基本&活用ワザ完全ガイド」、「できるWindows 10 改訂3版」(インプレス)など、著書も多数。ホームページはこちらImpress Watch Videoで「法林岳之のケータイしようぜ!!」も配信中。