法林岳之の「週刊モバイルCATCH UP」
シンプルな使いやすさと便利機能を兼ね備えたモトローラ「Moto G5 Plus」「Moto G5」
2017年4月24日 13:00
もっとも実績のある老舗ブランドとして知られるモトローラ。昨年、国内市場向けに主力モデル「Moto G4 Plus」やフラッグシップモデル「Moto Z」などを相次いで投入し、注目を集めたが、今年のMWC 2017で発表された「Moto G5 Plus」「Moto G5」が早くも国内向けに発売された。筆者も実機を購入したので、ファーストインプレッションをお伝えしよう。
「モトローラ」というブランドと方向性
国内外のモバイル業界において、もっとも古くから親しまれているブランドのひとつである「モトローラ(Motorola)」。2008年に携帯電話事業が分社化され、2011年には「モトローラ・モビリティ」として再スタートを切ったが、現在はパソコンなどでおなじみのLenovoグループの傘下に入り、Lenovoブランドの製品と共に、世界中の国と地域で事業を展開している。
同社は国内の携帯電話業界にも古くから大きな影響力を持ってきたことで知られ、スマートフォン時代に入ってからもau向けにスマートフォンやタブレットを供給する一方、SIMフリー端末についてもGoogleの「Nexus 6」、自社ブランドでの「Moto G」「Moto X Play」などを販売してきた実績を持つ。なかでも昨年8月に発売された「Moto G4 Plus」は、他社に先駆け、DSDS(Dual SIM/Dual Stanby)に対応し、それまで国内市場では今ひとつ利用価値がなかったデュアルSIMという機能を大きく前進させ、一気に注目度が高まった印象だ。
その後、カメラやプロジェクターなどの機能を実現する「Moto Mods」と呼ばれるモジュールに対応したフラッグシップモデル「Moto Z」を発売するなど、SIMフリー市場での存在感を増している。古くからモトローラを知るユーザーだけでなく、今までモトローラにあまりなじみのなかったユーザーにも認知されるようになり、着実に国内市場に新しい「モトローラ」ブランドが浸透しつつあるようだ。
今回発売された「Moto G5 Plus」「Moto G5」は、その名の通り、モトローラの主力モデルである「Moto G」シリーズの第5世代に位置付けられるスマートフォンであり、昨年のMoto G4 Plusの後継モデルになる。グローバル市場向けには今年2月に行なわれたMWC 2017で発表され、いち早く国内市場にも対応製品が登場したわけだ。国内でもSIMフリー端末の市場が拡大し、各社のグローバル向けの製品が投入されるケースも増えてきているが、これだけ短いタイムラグで投入されることは珍しく、モトローラとしての日本市場に対する意気込みを感じさせる。
今回の発売では、「Moto G5 Plus」と「Moto G5」という2モデルがラインアップされており、両機種とも基本的にほぼ同じデザインを採用しているが、「Moto G5 Plus」がミッドハイ、「Moto G5」がミッドレンジという位置付けで、チップセットやカメラなどに違いがあるものの、ユーザーインターフェイスなどは基本的に共通仕様を採用している。
上質感のあるデザインに進化
まず、Moto G5 Plusの外観からチェックしてみよう。前モデルのMoto G4 Plusはスリムなボディに仕上げられていたが、今回のMoto G5 Plusはディスプレイが狭額縁で仕上げられ、サイズもわずかに小さくなったで、コンパクトで持ちやすい形状に仕上げられている。背面の処理も従来モデルはややフラットな仕上がりだったが、Moto G5 Plusはわずかにラウンドさせた形状で、メタリックな質感と共に、全体的に上質感のあるデザインに仕上げられている。
本体の前面にはディスプレイ、指紋認証センサー、インカメラなどが備えられ、背面にはカメラ、右側面に電源キーと音量キー、底面側に3.5mmイヤホンマイク端子とmicroUSB外部接続端子、トップ側にはトレイ式のSIMカードスロットを備える。カメラのすぐ下にはモトローラおなじみの「M」のマークが凸状にデザインされている。従来モデルは背面カバーが着脱できたが、Moto G5 Plusは固定式となっている。ちなみに、防水防じんには対応していないが、撥水ナノコーティングが施されているとのことで、雨などのちょっとした水しぶきくらいなら、耐えられそうだ。
ボディで少し気になるのは背面カメラの部分で、ラウンドした背面から突起しており、カメラ部分をカバーするリング状のパーツも凸状に仕上げられている。実用上は問題ないが、胸ポケットなどに入れると、布地やいっしょに入れたカード、手帳などが擦れ、キズが付いてしまうかもしれない。市販の背面カバーなどを装着すれば、おそらくカメラ部の凸状と表面がほぼ揃うため、あまり気にならなくなりそうだが、カバーをせずに持つユーザーは他の持ち物との干渉に少し気を配った方が良さそうだ。
バッテリーは固定式の3000mAhのものを内蔵しており、これまでのモトローラ製端末同様、TurboPowerによる急速充電に対応する。付属の専用充電器を接続すれば、15分で6時間の駆動ができる容量が充電されるという。朝の身支度などの短い時間でもすぐに充電できるのは心強いだろう。バッテリーの消費については、具体的なスペックが明示されていないが、筆者が数日間、他の端末などと共に持ち歩いてみたところ、意外にバッテリーの消費が緩やかな印象を得た。いっしょに持ち歩いた端末は電池残量が半分以下なのに、Moto G5 Plusは70%以上、残っていることもあった。
チップセットはクアルコム製「Snapdragon 625(MSM8953)」を採用し、RAMは4GB、ROMは32GBを搭載し、最大128GBまでのmicroSDメモリーカードの装着が可能だ。後述するように、Moto G5 Plusは従来のMoto G4 PlusやMoto Zなどに続き、デュアルSIM&デュアルスタンバイにに対応しているが、多くのデュアルSIMカードに対応したスマートフォンが2枚めのSIMカードとmicroSDメモリーカードが排他利用であるのに対し、Moto G5 Plusは2枚のnanoSIMカード、1枚のmicroSDメモリーカードを同時に装着して、利用することができる。デュアルSIMを利用しつつ、音楽や動画などをmicroSDメモリーカードに入れて持ち歩いたり、カメラで写真や動画を撮りたいユーザーにとっては、うれしい仕様だ。
ディスプレイは1920×1080ドット表示が可能な5.2インチフルHD対応で、前面のガラスはコーニング製Gorilla Glass 3を採用する。最近はガラスの周囲をラウンドさせた2.5Dガラスが流行りだが、Moto G5 Plusのガラスはフラットな形状で、ボディ周囲の枠がわずかに高くなっており、落下時などにもガラスを割れにくくする工夫をしている。
本体前面の指紋認証センサーはわずかに凹んだ楕円形だが、GalaxyやiPhone 6s以前のように、物理的に押し込むボタンを組み合わせたものではなく、凹部に埋め込まれたセンサーで指紋を検出するタイプだ。ロック解除などの指紋認証のレスポンスは良く、すぐに解除されるが、実はそれ以外の用途も提供されている。
まず、従来のMoto G4 PlusやMoto Zでも採用されていた機能として、操作中に指紋認証センサーに数秒、指先を合わせると、画面をオフにできるが挙げられる。よく端末を使い終わったとき、節電や誤操作防止のため、多くの端末では電源キーを押して、画面をオフに切り替えるが、Moto G5 Plusは指紋認証センサーに指を合わせるだけで、切り替えられるわけだ。指紋認証による画面ロック解除と対になっていると考えれば、わかりやすい。
次に挙げられるのが新機能として搭載された「ワンボタンナビ」だ。Moto G5 Plusは出荷時にAndroid 7.0が搭載されており、出荷時設定ではナビゲーションキー(戻るキー、ホームキー、履歴キー)が画面内に表示されているが、この表示をオフにして、指紋センサーのみで3つのキーと同じ操作をすることができる。具体的には、指紋認証センサー部分を左にスワイプすると戻るキー、タップするとホームキー、右にスワイプすると履歴キーという割り当てになっている。使い始めたときはやや戸惑うが、慣れてくれば、自然に操作することができる。しかもワンボタンナビを有効に切り替えたときは、画面内のナビゲーションキーのエリアが解放されるため、その分、縦方向に少し広く利用することができる。ちなみに、ワンボタンナビは後述する「Motoアプリ」内で切り替えることができる。
通信機能についてはMoto G4 Plusに続き、DSDS(デュアルSIM&デュアルスタンバイ)に対応しており、3G/3Gや3G/LTEの同時待受に対応する。たとえば、会社から貸与された回線や長く利用していて手放せない回線のSIMカードを片方に挿し、もう片方に安価な料金で通信が利用できるMVNO各社のSIMカードを挿すことで、仕事やプライベートな電話は各携帯電話会社のSIMカードで利用しつつ、データ通信は安価なMVNO各社のSIMカードで利用するといった使い方ができる。もちろん、普段は1枚のみ、SIMカードを挿しておき、海外渡航時などは空いているトレイに現地のプリペイドSIMカードを挿して利用するといった使い方もできる。
Moto G4 Plusが先陣を切ったDSDSだが、他社も徐々に追随しており、今後はSIMフリースマートフォンの標準機能になっていきそうだ。ちなみに、APN設定についてはNTTドコモのspモードやmopera.net、MVNO各社のIIJmioや楽天モバイル、OCN モバイル ONE、mineo(ドコモプラン)など、14種類が出荷時に登録されている。
デュアルピクセルセンサー採用のカメラを搭載
今回のMoto G5 Plusで、モトローラが強くアピールしている機能のひとつがカメラだろう。Moto G5 Plusには1200万画素デュアルピクセルセンサーとF1.7という明るいレンズを組み合わせたメインカメラ、500万画素センサーとF2.2レンズを組み合わせたインカメラを搭載する。メインカメラに採用されているデュアルピクセルセンサーは、キヤノンの一眼レフカメラ「EOS 70D」、スマートフォンではGalaxy S7 edgeにも採用された技術になる。
一般的にスマートフォンに搭載されるイメージセンサーには、位相差AFのための位相差センサーが組み込まれているが、画素全体の1%程度しかない。これに対し、デュアルピクセル技術はイメージセンサーを2つのフォトダイオードで構成し、それぞれのフォトダイオードが取り込んだ光の信号を検出して、位相差AFを機能させるため、さまざまな被写体に対して、すばやくフォーカスを合わせることができるうえ、暗いところでもピントを合わせやすいとされている。
撮影モードとしては標準的な「写真」や「動画」のほか、「パノラマ」「スローモーション」「プロフェッショナル」などが用意される。メインカメラではHDRやタイマー撮影、フラッシュなどの撮影機能が利用でき、インカメラでは美化(ビューティー)モードでの撮影も可能だ。通常の「写真」で撮影する場合、ファインダー中央のアイコンを操作して、フォーカス位置や明るさを変更したり、上下にスライドさせて、ズームをするなどの操作ができる。デュアルピクセルセンサーの特性を活かし、ファインダー内の複数箇所にすばやくピントを合わせるような撮影は、撮影モードを「プロフェッショナル」に切り替える必要があるが、ISO感度や露出、シャッタースピードなども自由に設定して、撮影することが可能だ。
実際に、Moto G5 Plusを使い、いくつかのシーンで撮影してみたが、ある程度、明るいシーンでの撮影はきれいに撮影できるものの、普段、筆者がレビューなどで撮影している薄暗いバーなどで撮影してみると、明らかに暗く(まあ、元々、暗い場所なのだが……)、他のスマートフォンに比べると、ややチューニングが足りないという印象を持った。「暗いところでの撮影にも強い」としているが、国内市場では暗いところに「もっと強い」スマートフォンが存在していることを考慮すれば、もう一息、バージョンアップを望みたい。
自分撮りについてもMoto G5 Plusと同じか、それよりも安い価格帯の端末で、自分撮りのビューティーモードに注力した製品があり、それらに比べると、ややエフェクトも大人しいと言えそうだ。もっともあまりエフェクトが効き過ぎるのも考えものなので(笑)、このあたりはモトローラならではの基準や個性をもう少しハッキリと打ち出してもいいのかもしれない。
シンプルな使いやすさと便利機能
Moto G5 Plusは出荷時にAndroid 7.0を搭載している。ここのところ、既存の製品のAndroid 7.0へのバージョンアップが相次いでおり、意外に早くAndroid 7.0中心になってきそうだが、出荷時からAndroid 7.0が搭載されていれば、バージョンアップの手間もなく、安心して使うことができる。
ホームアプリをはじめとしたユーザーインターフェイスについては、モトローラ自身も発表会などで「ピュアAndroid 7.0」と謳っているように、Android標準のユーザーインターフェイスをベースに、使いやすさを考えた仕様を採用している。昨年のMoto G4 PlusやMoto Zなどでは、Nexus 5Xなどと同じホームアプリを採用し、独自アプリもほとんど搭載しない仕様だったが、今回のMoto G5 PlusではGoogleが米国などで販売する「Pixel」(日本未発売)のホームアプリを踏襲し、画面最下段のドック部分のすぐ上の「△」を上方向にスワイプすると、アプリ一覧が表示され、一覧は上下方向にスクロールする。以前はNexus 5Xなどの含め、アプリ一覧ボタンから表示し、左右にスクロールするタイプが多かったが、今後はこのスタイルが主流になるのだろう。
独自アプリとしてはMoto G4 PlusやMoto Zでも搭載された「Moto」アプリにいくつもの機能が集約されており、これを上手に活用することで、使い勝手が大きく向上する。「Moto」アプリは「Actions」と「Display」の2つから構成される。
Actionsは端末のアクションによって、Moto G5 Plusの機能の起動できるというもので、内容はMoto G4 Plusに搭載されていたものが継承されている。たとえば、本体を2回、振り下ろしてのフラッシュライト点灯、持ち上げて着信音停止、ディスプレイを下向きに置いての着信音の無音化、端末を持つ手首をひねってのQuickCapture(カメラ起動)、画面外から上、左、右にスワイプしての画面縮小などがあり、前述の指紋認証センサー部分でナビゲーションキーの操作を可能にするワンボタンナビもこのActionsで設定する。また、このActionsが秀逸なのは、それぞれの機能について、説明とチュートリアルが用意されており、実際の機能を体験してから設定できるようにしている。
もうひとつのDisplayは、画面がオフの状態のとき、Androidの通知をフェードイン/フェードアウトで表示するというもので、端末が机などに置いてあるときは軽く触れると通知が表示され、通知を表示したり、通知をドラッグして詳細を表示するといったことができる。
また、ユーザーインターフェイス周りで、もうひとつユニークなのが出荷時にもホームに設定されている時計ウィジェットだ。従来のMoto G4 Plusでも時計のウィジェットが設定されていて、気温や日付を表示するだけでなく、気温をタップして天気、日付をタップしてGoogleカレンダーというしくみになっていたが、ウィジェットの外周に白い線を表示して、電池残量を表わすようにするなど、細かな点も進化を遂げている。もちろん、電池残量はステータスバーの右上に表示されているのだが、ホームにウィジェットで表示されていれば、より視覚的でわかりやすい。
コストパフォーマンスの高いMoto G5
冒頭でも触れたように、今回はMoto G5 Plusといっしょに、Moto G5も発表され、すでに販売が開始されている。
Moto G5は同じMoto Gシリーズの第5世代に位置付けられる端末で、ボディなどの外観はMoto G5 Plusとほぼ同じで、基本的な機能は継承されているが、細かい部分に違いがあり、うまくコストを抑えた『弟分』のモデルとして仕上げられている。Moto G5 Plusと異なる部分を中心に説明しよう。
まず、ボディはディスプレイがMoto G5 Plusよりも小さいため、高さが約10mm、幅が約1mm、コンパクトになっている。側面のボタンや底面のmicroUSB外部接続端子などのレイアウトも基本的には同じ構成だが、左側面にSIMカードスロットはなく、背面カバーを外し、電池パックを取り外して、着脱する。Moto G5 Plusでは背面カメラが突起していたが、Moto G5では突起もなく、少し凹んだような位置に備えられている。バッテリーは2800mAhの電池パックが採用されており、付属の10W高速充電器を利用すれば、15分の充電で最長4時間の利用が可能としている。
SIMカードスロットはデュアルSIMで、microSDメモリーカードも同時に利用可能だ。SIMカードスロット1はmicroSDメモリーカードスロットと二段階に重なった構造だが、電池パックを外した本体側にも程良い隙間があるうえ、ボディ側の印刷も今ひとつわかりにくいため、間違って隙間側に挿してしまいそうだ。実際にはSIMカードを隙間に挿せないので、トラブルにはならなさそうだが、はじめてのユーザーはちょっと戸惑うかもしれない。ちなみに、DSDS(デュアルSIM&デュアルスタンバイ)については、今夏以降にバージョンアップで対応するとしており、出荷時は利用できない。
Wi-FiについてはMoto G5 Plus同様、IEEE802.11a/b/g/n対応となっており、2.4GHz帯でも5GHz帯でも利用できる。この価格帯の製品は2.4GHz帯のみというものも多いことを考えると、これもひとつのアドバンテージと言えるだろう。
ディスプレイは5.0インチフルHD対応で、前面のガラスはソーダライムガラス(ソーダ石灰ガラス)を採用する。ソーダライムガラスはあまり聞き慣れないが、一般的なスマートフォンに採用されているガラスで、Gorilla GlassやDragontrailといったブランド名を持つガラスと区別するために、カタログで表記しているようだ。
チップセットはクアルコム製「Snapdragon 430(MSM8937)」を採用し、RAMは2GB、ROMは16GBを搭載し、最大128GBまでのmicroSDメモリーカードの装着が可能だ。RAM/ROMのスペックはMoto G5 Plusに比べ、抑えられており、やや物足りない印象を持つかもしれないが、ヘビーな使い方でなければ、十分なスペックであり、後述する価格面とのバランスではコストパフォーマンスの高い部類に入ると言って差し支えない。
ディスプレイの下側には、Moto G5 Plusと同じ指紋認証センサーが備えられており、ナビゲーションキーの機能を割り当てられる「ワンボタンナビ」、長押しでの画面オフなどの機能も同じように利用できる。
背面に備えられたメインカメラは、1300万画素イメージセンサーにF2.0のレンズを組み合わせたものが採用されているが、Moto G5 Plusに採用されているデュアルピクセルイメージセンサーではない。とは言え、位相差AFには対応しており、ピントの合わせるレスポンスは十分なレベルにある。インカメラはMoto G5 Plus同様、500万画素センサーとF2.2レンズを組み合わせたものを搭載し、ビューティーモードなども共通仕様となっている。
全体的に見て、少しずつスペックや仕様が抑えられている感はあるが、Motoアプリをはじめ、ホームアプリやユーザーインターフェイスはまったく同じであり、使い勝手の面は十分なレベルに達している。これだけの仕上がりながら、実売価格は2万円台前半に抑えられており、コストパフォーマンスも高い。
シンプルな使いやすさと便利機能が高評価
昨年来、国内市場においても各社のSIMフリーの市場が活発になり、この春も各社が相次いで新製品を投入してきた。価格帯も2万円前後と3万円台の製品が豊富で、ユーザーからの関心も高いようだ。
今回発売されたMoto G5 PlusとMoto G5の2機種は、それぞれの価格帯にちょうど当てはまるモデルであり、どちらのモデルも十分なスペックを持つ非常に完成度の高いモデルだ。Moto G5 Plusは昨年のMoto G4 Plusの流れを受け継いだデュアルSIM&デュアルスタンバイ、Motoアプリの便利機能など、シンプルながらも実用性の高い端末に仕上げられている。カメラについてはライバル機種と張り合うために、今一歩のチューンアップを期待したいが、通常の利用であれば、あまり不満を感じることはなさそうだ。
弟分のMoto G5はひと回りコンパクトなボディに、Moto G5 Plusとほぼ同等の機能を搭載しながら、うまくコストを抑え、非常にバランスのいい端末に仕上げている。デュアルSIM&デュアルスタンバイがバージョンアップでの対応になってしまうが、コストパフォーマンスの高さは大きな魅力だ。
MVNO各社のサービスが拡充されてきたことで、SIMフリースマートフォンを求めるユーザー層が今まで以上に幅広くなってきたが、Moto G5 PlusとMoto G5のシンプルな使いやすさと便利機能は、そういったはじめてのユーザーにも受け入れやすいものであり、シンプルであるがゆえに、他機種からの乗り換えもしやすい。いずれも幅広いユーザーに試して欲しい機種と言えるだろう。