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モトローラが「Moto G5」「Moto G5 Plus」3月31日発売

G5が2万2800円、G5 Plusが3万5800円

 モトローラ・モビリティ・ジャパンは、Androidスマートフォン「Moto G5」「Moto G5 Plus」を日本国内で3月31日に発売する。「Moto G5」の価格は2万2800円で、「Moto G5 Plus」は3万5800円(いずれも税抜)。

 あわせてアクセサリーのMoto Modsには、クルマのエアコン吹き出し口などにマグネットで固定できる「ビークルドック」(9800円)が追加され、今春以降に発売される。

G5/G5 Plusに搭載される便利機能

 ソフトウェアでは「ピュアなAndroid 7.0」とされる「G5」「G5 Plus」の2機種だが、より使い勝手を向上させるような工夫が凝らされている。加速度センサーなどを用いたもので、2回振るとライトが点灯する、スマホを手に持ちながら2回手首をひねるように動かすとカメラが起動するといった機能を継承しつつ、今回は新たに、画面下部からスワイプすると表示領域を狭くして片手で扱いやすくする機能を搭載。

 また通知が届いた際、プレビュー画面へドラッグすると届いた通知内容に応答し、右か左へドラッグすると後回し、下へドラッグすると通知を消去する。アプリによっては通知しないよう設定することもできる。

 新機能の「ワンボタンナビ」は、指紋センサー機能のあるディスプレイ下のボタンを使う。指紋でのロック解除、長押しするとロックに加えて、左にスワイプすると「戻る」、右へのスワイプは「最近のアプリ履歴」になる。Android定番のキー操作を、ひとつのボタンとひとつのアクションの組み合わせで代替し、より少ない手数で操作できるようにする。

G5とG5 Plus

 Moto G5は5インチフルHDディスプレイを搭載するAndroid 7.0スマートフォン。メインカメラは13メガピクセルで、センサーの画素サイズは1.1μm、位相差オートフォーカスに対応し、レンズはf/2.0。フロントカメラは5メガピクセルでf/2.2。最大1.4GHz駆動のオクタコアCPUとなるSnapdragon 430を採用。16GBのストレージと2GBのメモリを搭載する。今夏以降、DSDSに対応する。LTEの対応バンドは1、3、5、7、8、19、20、28、38、40。

センサーの違い

 上位機種の「Moto G5 Plus」は、5.2インチフルHDディスプレイを搭載する。撮像素子と位相差オートフォーカス(PDAF)が兼用となったデュアルピクセルオートフォーカスの12メガピクセルカメラを備える。G5のカメラでは、撮像素子とPDAFのセンサーは分かれているが、G5 PlusのセンサーはPDAFと撮像素子が同じであり、1つ1つの画素のサイズがG5のセンサーより大きく、より明るく撮影できるなどの利点がある。また一般的なスマートフォンよりも60%、素早くピントがあうという。最大2.0GHzでオクタコアのSnapdragon 625を採用。ストレージは32GB、メモリは4GB。LTEの対応バンドは1、3、5、7、8、19、20、28、38、40、41。DSDSに対応する。

 どちらもau回線は非対応となる。

G5のスペック概要
G5 Plusのスペック概要
主な仕様
機種名G5 PlusG5
価格3万5800円2万2800円
チップセットSnapdragon 625(MSM8953)
2GHz オクタコアCPU
Adreno 506(650MHz GPU)
Snapdragon 430(MSM8937)
1.4GHz オクタコアCPU
Adreno 505(450MHz GPU)
ディスプレイ5.2インチ
1920×1080
Gorrila Glass
5インチ
1920×1080
ソーダライムガラス
メモリ/ストレージ4GB/32GB2GB/16GB
外部メモリ(最大容量)microSD(128GB)
LTEバンドFD-LTE:1/3/5/7/8/19/20/28
TD-LTE:38/40/41
FD-LTE:1/3/5/7/8/19/20/28
TD-LTE:38/40
Wi-FiIEEE802.11a/b/g/n
Bluetooth4.2
NFC
SIMカードnano
DSDS
※2スロットともにLTE対応、ただしLTEが同時に使えるのは1スロットのみ、G5は今夏以降対応
メインカメラ1200万画素、1.4μm、F1.71300万画素、1.1μm、F2.0
フロントカメラ500万画素、1.4μm、F2.2500万画素、1.4μm、F2.2
バッテリー3000mAh2800mAh
大きさ150.2×74×7.7mm144×73×8.7mm
重さ約155g約149g
インターフェイス、センサーmicroUSB、ジャイロセンサー、指紋認証、加速度センサー

Modsは4種類

 モトローラでは、今後3カ月間で日本では、4種類のModsを投入する方針。Modsは、Moto Zシリーズの機能を拡張するモジュールだ。

 1つは今春登場で1万円を切る価格となる「ビークルドック」。その他の3つは急遽発売が決まったもので、価格は未定だが、Modsを充電できるチャージングアダプタ、ワイヤレスで充電できる「ワイヤレスチャージング」、急速充電できるようにする「ターボチャージャー」の3つ。

 このうちターボチャージャーは、30Wで充電可能とのことで、15分の充電で待受時間が8時間伸びる。

 Modsについて、モトローラ・モビリティ・ジャパン代表取締役社長のダニー・アダモポロス氏は、日本ではMoto Zシリーズのユーザーの43.5%がハッセルブラッドのカメラモジュールをセットで購入したことを明らかにする。海外で人気のModsはバッテリーやスピーカーとのことで、日本は、カメラモジュールをセットで購入するという人が他国と比べて、最も多かった。

 クラウドファンディングで、サードパーティが開発、提供しようとするModsへの姿勢を問われるとアダモポロス氏は、これまでシリコンバレー、サンフランシスコ、ニューヨーク、深セン、北京、デリー、バンガロールでハッカソンを開催したと説明。クラウドファンディングサイトのIndie Go Goを通じて提供を試みる製品はあれど、まだグローバルで展開するModsはなかったとのことで、モトローラとしては、小規模なスタートアップが多いMods開発やModsのアイデアをいかに育てていくか重要視しているのだという。今後は、そうしたサードパーティと協業して、より多くのユーザーへ届けられるよう進めていく考え。

 コンセプトとして、日本特有のModsとしては、テレビ(フルセグ)や、FeliCa、放射線計測という3種類のModsのアイデアがあるという。ただし、まだコンセプトであり、どう市場に提供していくかは検討中。こうしたアイデアは、国ごとに異なるニーズがあること、Modsであればそうしたニーズへ対応できることを示しているとアダモポロス氏は語る。

グローバルで成長中、その勢いは日本にも

 アダモポロス氏は、スペイン・バルセロナでの展示会「Mobile World Congress 2017」では、多くの来場客が訪れ、商談も数多く進めるなど、モトローラにとって意義のあるイベントになったと振り返る。

モトローラ・モビリティ・ジャパンプロダクトマネージャーの島田日登美氏(左)とアダモポロス氏(右)

 グローバルでは前四半期から20%、出荷数が増えたというモトローラ。Gシリーズは同社のなかでベストセラーであり、数千万台の出荷を記録。Moto ZシリーズやModsも成長しているとアピールする。

 インドやブラジルでは市場シェアで2位にまで食い込み、欧州や南米でも成長中というモトローラは、中国を除くグローバルシェアランキングで4位になっており、3位も狙えるとアダモポロス氏。

 グローバルのこの勢いは、日本ではどうなのか。アダモポロス氏は2016年が大きな節目だったと位置付ける。これは、G4 Plusを6月に発売して数週間後、SIMロックフリースマートフォンのランキングで1位を記録したこと。その1位というポジションは8週間連続で維持し続け、ヒット商品になったことからだ。

 アダモポロス氏は、日本のSIMロックフリースマートフォンは、2015年以来、指数関数的な成長を遂げていると解説。2017年も市場規模は倍増すると見ており、モトローラは、「G5」「G5 Plus」の2機種で挑む。コストパフォーマンスを重視するユーザーにエントリーモデルの「G5」とその上位機種である「G5 Plus」がぴったりハマると期待する。

販路

 アダモポロス氏は2017年度は小売店や通信事業者を通じた販売に注力するとコメント。「G4 Plus」がヒットしたことで、価格帯の異なる「G5」「G5 Plus」の2種類をラインアップできると判断。ラインアップを拡充することで、市場シェアの拡大や、これまでリーチできなかったユーザーが購入する機会が生まれると期待しているという。

 Moto Gシリーズを使うグローバルのユーザーからアンケートを採ったところ、重視されているのは「ディスプレイの解像度/画質」「バッテリー寿命」「カメラ」の3つであることが判明した、とのことで、アダモポロス氏は「G5」「G5 Plus」は3つの要点を押さえた機種とあらためてアピールしていた。