三井公一の「スマホカメラでブラブラ」
「iPhone 15 Pro Max」「Pixel 8 Pro」で撮り比べ! 写りや操作性の勝負はいかに?
2023年11月30日 00:00
カメラ機能が優れたスマートフォン「iPhone 15 Pro Max」と「Pixel 8 Pro」の発売からふた月ほど経過した。カラーや容量によって未だに入手が難しいモデルもあるが、どちらを購入しようか迷っている人も多いと聞く。
そこで今回は代表的な機能を使って両者で撮り比べてみた。製品チョイスの参考になれば幸いだ。なお、スペックなどの詳細は2機種の過去記事を参照願いたい。
3つのカメラを比較
「iPhone 15 Pro Max」と「Pixel 8 Pro」は3つのカメラを搭載している。超広角カメラ、広角カメラ、望遠カメラとなるが明るさや画角は両者とも異なる。特にデジタルズームを使った超望遠域の写りは差があるので注意が必要だ。
望遠カメラ
どちらも素晴らしい描写で、ひと昔前のスマートフォンとは次元が違う写りになっている。「Pixel 8 Pro」は精細で線が細い写りだが、「iPhone 15 Pro Max」はやや線が太く野暮ったい絵作りに感じた。
描写性能
両端末とも通常時はピクセルビニングによって約1200万画素の写真を出力する。屋外と室内での描写はどのような差が現れるだろうか?
公園の遊具を撮ったが、精細感は両者から感じられる。しかし発色とトーンの差が意外と大きかった。好みにもよるが「Pixel 8 Pro」は見た目に近い印象だが、「iPhone 15 Pro Max」はややあっさり目で色味とテクスチャーの表現が薄い気がした。
親子丼を店の中で撮影したが、両者ともいい仕上がりだ。シズル感も十分にありSNSなどにアップするには十分な画質である。「iPhone 15 Pro Max」はやや濃厚な色合いで「盛って」いる感じを受ける。
高解像度撮影
大判プリントなど作品制作時に高画素撮影は重要になってくるポイントだ。
両機種ともメインとなる広角カメラは高解像度センサーを搭載している(「Pixel 8 Pro」は全カメラに高画素センサーを搭載している)。「iPhone 15 Pro Max」は約1200万画素出力に加えて約2400万画素での出力にも対応した。それに加えて約4800万画素でのアウトプットもできる。
それぞれ約1200万画素、約2400万画素、約4800万画素の絵となる。ファイルサイズはそれぞれ7.3MB、13MB、24.3MBだ。描写を見る限り通常の使用ならば12MP(高効率)で十分だろう。本体ストレージを節約するのが賢明だ。
「Pixel 8 Pro」は通常約1200万画素出力だが約5000万画素でのアウトプットが可能だ。作品作りをするときには心強い。何と言っても広角カメラだけではなく、全カメラで高画素出力できるのが素晴らしい。
ポートレートモード
「iPhone 15 Pro Max」は1倍から5倍までポートレートモードを使えるのがいい。指先でピンチしての細かい画角調整できるのがうれしい。一方「Pixel 8 Pro」は1.5倍から最大3倍までとちょっと寂しいスペックになっている。
1倍、2倍、5倍でのカット。境界判定が難しい被写体を選んだが、切り抜き精度も向上してまずまずの仕上がりになっている。
1倍、2倍、3倍で撮影。境界判定に定評があった「Pixelシリーズ」だがこの「Pixel 8 Pro」も同様である。被写体と背景までの距離にもよるが、やはり5倍でのポートレートモードも欲しいところである。
夜景モード
「夜景番長」との異名をとった「Pixelシリーズ」だがそのスゴさは健在である。夜の中禅寺湖を両者で撮り比べてみた。
「iPhone 15 Pro Max」はメリハリがあり濃厚な絵作りとなった。「Pixel 8 Pro」はトーンにあふれとても好感の持てる描写になっている。シャドウ部のディテールも豊富で写真好きなユーザーにも歓迎される写りだと言えよう。
写りは互角、操作性は「Pixel 8 Pro」の勝利か
「iPhone 15 Pro Max」、「Pixel 8 Pro」とも同じサイズ感で、3つのカメラを搭載している。写りもほぼ互角でどちらをチョイスするかは「好み」や「慣れ」の問題になるのではないか。 ただカメラ起動などの操作性や、撮影者の意図を反映しやすいセッティングなどは「Pixel 8 Pro」に軍配が上がる。端末任せだけ、という人は「iPhone 15 Pro Max」が向いているかもしれない。しかし12月には超解像ズームの画質向上などのアップデートが「Pixel 8 Pro」には控えている。超望遠域での差がどうなるか見ものだ。