続・Xperia arcをひかり電話の子機にする

2011年6月10日 06:00
(石野純也)

 5月23日に掲載された「Xperia arcをひかり電話の子機にする」に、自分の予想をはるかに上回る反響をいただいた。ウケがよかったネタは飽きられるまで掘り下げるのが基本(笑)。というわけで、本日の「みんなのケータイ」では、あの記事に盛り込み切れなかった“外出先でのひかり電話”を紹介していきたい。

ショートカットとウィジェットでVPN接続の手順を省略

 前回は、焦点を絞るためあえて自宅内での子機設定に話をとどめていたが、もちろん、VPNを経由すれば外出先でもひかり電話の番号で発信が可能だ。この場合、ドコモのspモードではPPTPなどのVPN接続ができないため、同時に契約しているmopera UにAPNを変える必要がある。APNを切り替えてからVPNで接続するという一連の流れは、設定メニューから行うのが少々面倒。以前紹介したようにウィジェットやショートカットを駆使して、極力手間を省きたい。なお、この際に利用していた「ApnSwitcher(Beta)」は、Androidマーケットから消えてしまったようだ。Xperia arcを購入した3月時点でも見つからなかったため、前回簡単に紹介した「Shorty」というアプリでANP設定へのショートカットを作って、ウィジェットの代わりにしている。

 VPN接続が終わったら、あとは自宅内にいる時と同じように「インターネット通話(SIP)アカウント」を開き、「着信を受ける」にチェックをつければよい。これだけで、3G回線を使って外出先からひかり電話のルーターにアクセスできる。実際、3G経由でひかり電話を発信してみたところ、ちゃんと固定電話の番号が着信側に表示された。ただ、自宅でWi-Fiに接続している時より音声の遅延が大きくノイズも多いため話しづらい。回線の状況にもよるが、ケータイの音声通話のような品質は、期待しない方がよさそうだ。VPN接続を継続しながら着信を受ける設定にしていると電池の消費も激しくなるため、実用的とはいいがたい気がする。Wi-Fi接続なら音質もそれなりだが、公衆無線LANだと発着信できるエリアがかなり狭くなってしまう。このように考えると、外出先にいてどうしても固定電話の番号で発信しなければならない事情がある時など、利用シーンは限定されそうだ。ちょっとしたアリバイ工作にはなるかもしれないが……(笑)。一方で、海外にいながらにして国内発信ができるというのは料金的な魅力が大きいので、出張の機会があればぜひ試してみたい。また、ひかり電話は回線とセットのサービスだが、IP電話だけを単体で提供している会社もある。これらとXperia arcなどのAndroid 2.3端末を組み合わせるのも、面白そうだ。

3Gのネットワーク経由でひかり電話の登録ができた自分のiPhone 4に発信してみたところ

 なお、Android 2.2以下やiPhoneの場合は、アプリでインターネット電話を実現できる。AndroidマーケットやApp Storeにアクセスし、「SIP」でキーワード検索すれば、いくつかのアプリが見つかるはずだ。ここでは詳細まで踏み込まないが、いくつかのアプリではきちんと発着信できた。これらの端末をお持ちの人は、ぜひ試してみてほしい。