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スマホブラウザでバーチャルサイクリングできる「Biketerra」を試してみた
2025年10月14日 00:00
かつては文字と画像を表示するだけだったWebブラウザも、今やデスクトップアプリに匹敵する画像編集や表計算までできるようになっている。いやはや技術の進化というのは目覚ましいものですなあ、と感慨深く思っているオッサン筆者なのだけれども、ここへきてWebブラウザでバーチャルサイクリングできる「Biketerra」というサービスが現れたことを知り、試してみた。
バーチャルサイクリングのためのソフトと言えば、筆者が毎日やっているZwiftやMyWhoosh、TrainingPeaks Virtualなどが代表的。スマートサイクルトレーナーや心拍センサーと連携して、3Dワールドの地形などに応じて負荷がリアルタイムに変わり、実車さながらの走行感を室内で体感できるものだ。ネットを通じて世界中のユーザーとレースやグループライドを楽しむこともでき、ゲーム的に飽きずに続けられる。
これらのソフトは基本的にスマホやパソコンのネイティブアプリとして動作するわけだけれど、Biketerraは完全にWebブラウザ内で完結している。ライドイベントのお知らせや自分のアクティビティの詳細、用意されているコースなどを見ることができる公式サイトがあり、そこで好きなコースを選んで「RIDE NOW」を選べば、すぐに走行画面に切り替わる。あとはサイクルトレーナーやセンサーと連携するだけで走り出せるのだ。
性能の低い端末でも快適に動作できるようにするためか(あるいはWebブラウザ上で動作させるための制約か)、走行画面の3Dグラフィックはシンプルなもの。往年のバーチャファイターチックなポリゴンポリゴンした見た目で、これはこれで味があっていい。UIは洗練されているとは言いがたいが、各種ステータスは十分な情報量で、比較的安定して滑らかに動く。
スマホの場合は縦置きでも横置きでもプレーできるが、URL表示欄などが消せないだけに走行画面がやや窮屈になりがち。できれば大画面のタブレットやパソコンを使うか、スマホ画面を外部モニターにミラーリングするのが良さそう。とはいえ、スマホのWebブラウザでここまでできるようになったかー、という感動は間違いなくある。
もう1つBiketerraがユニークなのは、世界中の実在する道路を模したコースを走れること。ツール・ド・フランスの舞台となっているコースもあれば、日本の皇居周辺の周回路を再現したものもある。トータル3万2000kmにも及ぶコースが用意されているうえ、FITファイルやGPXファイルなどをアップロードして独自のコースを作ることもできるので、大会のコースを再現してトレーニングやシミュレーションに使うのもアリだ。
ただし、先ほども書いたようにグラフィックは初代バーチャファイターレベルで、欧州でも日本でも3Dオブジェは共通のアセットを使用しているため、見た目の違いはほとんどない。たとえば皇居周辺の道路は片側2車線以上はあるはずなのに対面1車線だし、どの建物も豆腐。しかも、十勝平野かよ、ってくらいに森や野原が広がっている(皇居内の森の再現度はある意味高いが)。欧州のコースを選んでもそこに大差はない。
あと、Biketerraも世界中のユーザーとライドできるはずなのだが、今のところ他のユーザーに出会えていない。一応毎日ライドイベントは開催されているものの数が少なく、筆者が走れる時間帯にはめぼしいものがないし、一覧で見る限り参加予定の人数も多くて10人前後だ。
無料の範囲では選べるコースが6つだけ。有料会員になれば制限はなくなるものの、標準で月額7.99ドル(約900円)~という、しっかりめの課金額なのも微妙ではある。Webブラウザだけで走れるというのはスゴいとは思うけれど、「実際のコースを手軽にバーチャルで再現してトレーニングに役立てたい」というようなモチベーションがない限りは、あえてこのBiketerraを選ぶ理由はないかもしれない。
Zwiftの料金がさらにアップしてしまわないよう、こういった新しいサービスがどんどん出てきて競争してくれるのはありがたいことなので応援していきたいと思っているけれど、果たして……。
















