スタパ齋藤のコレに凝りました「コレ凝り!」

俺的お散歩サイクリング

ポタリング楽しい~♪

 思い返してみると、2017年頃からは「ポタリング」ばっかりしています。ていうかポタリングって何? その定義はわりと曖昧ですが、散歩感覚・観光感覚で「ゆっくり楽しむサイクリング」といったところでしょうか。

 サイクリングと言うと「自転車で走ること」が主な目的で、スポーツ主体のアクティビティですよね。でもポタリングと言うと、自転車で走ること自体も少々目的には入っていますが、同時に別の目的として、食べ歩き的においしいものを食べて回るとか、風景を楽しむとか、観光して回るとか、そういうレジャーが多分に含まれている、というイメージだと思います。

2019年元日のポタリング。天気が良かったので、わりと近くにある「比良の丘」ということろに行ってみました。と言うか、何となく無目的に狭山湖方面を走っていたら、「あっこの先に比良の丘があるのか! じゃあ行ってみよう」みたいな。ポタリングという言葉は「potter(英)」(米 putter)から来ているそうで、potterの意味は「のんびり過ごす、ぶらつく」だそうです。自転車でのんびりとぶらつくわけですね。
国道16号沿い川越付近に見える謎の廃線が長い間気になっていましたが、それが「西武安比奈(あひな)線」であることを知りました。「安比奈(あいな)親水公園の近くの路線だったのか!」と、何かがつながった気がして、早速その廃線周辺をポタリング。徒歩でもクルマでも行きにくい場所ですが、自転車だと自由に散策できます。
ときにはクルマに自転車を積み、観光地まで行ってからポタリング。自転車ならではの自由で広い範囲の観光を楽しめます。

 まぁ大雑把に自転車で出掛ける散歩みたいな感じです。自転車で行くから、徒歩よりずっと遠くまで行ける。また、自転車なのでクルマなどは通行できない道でも通れたりする。「あ、この横道、行ったことないな」みたいなところへと、気の向くままにどんどん進んでもいけます。

 単純な話ですが、徒歩よりずっと遠くまで行けて、たいていの道へ入っていけて、気分次第で探検できるし、立ち止まって風景を眺めることもできる。サイクリングという範疇のなかでは、非常に自由でユルくて、プレッシャーみたいなものもなくて、とても気楽に楽しめるのがポタリングだと思います。

 以前の筆者は、「サイクリング=スポーツ」と考えるフシがあり、わりとダラダラ走るポタリングにはあまり興味がありませんでした。もっと速く、もっと遠くまで走りたい! みたいな指向。ソレはソレで楽しいことです。

 が、何となくポタリングをしてみたら、予想外の楽しさがありました。知らないエリアを散歩してアレコレと見聞きするのってけっこう楽しいですが、その楽しさを濃厚にした感覚。知っていたつもりのエリアから、まだ知らなかったことがたっぷり見えてくる楽しさです。

 てな感じで、最近は専らポタリングを楽しんでおります。ということで今回は、筆者的ポタリングスタイルについて書いてみたいと思います。これからポタリングする方のご参考になれば幸いです。

砂利道も走れる自転車がオススメ!

 まず、どんな自転車でポタリングしているのかと言うと、主にグラベルロードバイクと電動アシストMTBです。ていうかその2台が筆者所有の自転車の全て。また、これらの自転車はとてもポタリング向けだと感じています。

TREK(トレック)の「Checkpoint SL 5」(レビュー記事)。グラベル(砂利道)も走れるロードバイクタイプの自転車です。ロードバイクとMTBのオイシイとこ取りをしたような自転車。舗装路での乗り心地も良いので、ポタリングにもよく向きます。もちろんサイクリングロードをそれなりの速度で走ることもできます。
MIYATAの「RIDGE-RUNNER」(レビュー記事)。MTBタイプの電動アシストスポーツ自転車(いわゆるe-bike)です。写真のようなダート激坂でもグイグイ走れて、とりわけ走り出しのラクさが際立ちます。道を選ばず走れること、ストップアンドゴーが多発しても疲れにくいことなどから、ポタリングにはヒッジョーに良く向きます。

 グラベルロードやMTBがポタリングに向くと思うのはナゼか? 筆者が走るエリアにも関わってきますが、未舗装路でも問題なく走れるからです。細めタイヤのロードバイクとかだと、パンクが心配で砂利道には入っていきにくいです。ミニベロ(小径車)も乗り心地や安定性という面で、やはり舗装路を走りたくなると思います。

 砂利道や泥道を走ることも想定したグラベルロードやMTBなら、未舗装路~ある程度の悪路まで安心して走れます。なので、「あっ何だろうこの道、ちょっと行ってみよう!」と興味が赴くままに入って行けます。

 もうひとつ、グラベルロードやMTBといったジャンルの自転車は、低いギア比を選べることが多く、つまりはペダルを軽く踏んでも十分力強く前進できます。ですので、抵抗の大きい悪路でも軽快に漕げますし、よりラクに坂道を上がれます。まあ、その分スピードを出しにくいとも言えますが、そのことはゆっくりユルく走るポタリングでは問題になりません。

 グラベルロードやMTBは、未舗装路にも強いし、悪路もラクに進めるし、坂道だって得意。「舗装されてないから行くのはやめよう」「砂利道だしパンクしそう」「坂道は避けたいなあ」といった自転車にアリガチなネガティブな気分を大きく軽減してくれるのが、グラベルロードやMTBだと思うわけです。

 まあでも、気に入った自転車、走りやすい自転車なら、何でもOK。グラベルロードやMTBなら「さらにラク」ってだけの話です。こうしなくちゃダメ、こうしないとヘン、みたいな決まりやプレッシャーがないのも、ポタリングというスタイルの魅力ですね。

どんな服装で走るのか?

 サイクリングのなかで、かなりユルくて自由なカテゴリーと思われるポタリング。服装も自由です。っていうか自転車乗るのに「この服装が好ましい」と決めるのは自分自身なわけですが、でもなんか他のサイクリングカテゴリーには「ロードバイクはこういうウェア」「MTBはこんな格好」みたいなのがアリガチですね。

 さておき、筆者のポタリングウェアですが、いろいろ試しながら走ってきた結果、最近では「普段着の人がヘルメットかぶって自転車に乗ってる」みたいな服装です。自転車から降りてヘルメットを脱げば、その辺を歩いているフツーの人みたいな外見。

 具体的には……季節によって違いますが、真冬ですと、上がウィンドブレーカーで、下は普通のパンツ。靴はトレッキングシューズです。“自転車感”ナシの普通の格好です。

 さらに細かく。アウターレイヤー(風などを防ぐ上着)、ミドルレイヤー(体温調節と湿気排出の……中着?)、ベースレイヤー(素早く汗を吸って放出する下着)に分けると?

 上はアウターレイヤーがウィンドブレーカーで、ミドルレイヤーがウィンドブレーカーとドライ素材のパーカ。ベースレイヤーはドライ素材のTシャツです。下は、アウターレイヤーは伸縮素材だけど普通のズボンに見えるパンツで、ミドルレイヤーはお尻パッド付き短パン(季節によってはプラスしてタイツ)、ベースレイヤーは伸縮素材の薄い下着です。

 季節によって変わりますが、全て薄い衣類を使い、主にミドルレイヤーの枚数などを変えることで気温に適応させています。暑ければ1枚脱いで、寒ければプラスして着る。薄い衣類だと軽く動きやすく、重ね着調節しやすいです。山とかの服装と似てますね。

 あ、ほぼ全部ユニクロでした! 写真でご紹介します。写真説明文のリンク先は、ユニクロやAmazonへの商品リンクです(各写真は販売ページから抜粋)。

トップス。左から、アウターレイヤーのユニクロ「ポケッタブルパーカ」、ミドルレイヤーのユニクロ「ライトポケッタブルハーフジップブルゾン」とユニクロ「ドライEXフルジップパーカ」、ベースレイヤーのユニクロ「ドライEXクルーネックT」です。自転車もトレッキングもこの組合せがけっこう多いですが、なかなか実用的。
ボトムス。左から、アウターレイヤーの「ドライEXウルトラストレッチアンクルパンツ」、ミドルレイヤーっていうかお尻の痛み防止短パンのAmazonで売ってる「DABADA サイクル インナーパンツ」、そしてベースレイヤーっていうか下着はユニクロ「エアリズムボクサーブリーフ」です。サイクルパンツの下に超薄ブリーフは、フィット感が良く擦れなども少なく違和感もなくて、かなり「アリ」な感じです。

 上はあくまでも筆者の場合の一例です。でもまあ、機能性素材の衣服を組み合わせると、外見はフツーでありつつ、サイクリング向けの快適なスタイルができるものですね。ちなみに、冬なのに「ドライEX」とかの速乾衣類を使っているのは、寒い時期に衣類が汗で濡れていると急激に体温を奪われて超消耗するからです。ポタリングとは言え、そこそこ汗が出たりもしますので、汗が乾きにくい衣類を着ていると体が冷えて体調を悪くしちゃうと思います。

 スポーツな心意気で自転車に乗るときは、たとえばレーパン(レーシングパンツ)にサイクリングウェアって感じにする筆者。ビブ派ですが、やっぱりスポーツ志向サイクリングにはそういう専用ウェアが機能的で快適だったりします。汗の乾きも抜群なものが多い。

 でもそういうウェアは、キツめのタイツみたいな感じなので着づらかったり、体にぴったりピタピタなので街中では外見的に浮きまくったり。慣れると本人的には大した違和感はないんですが、その姿でコンビニに入ったりすると、周囲の人がコチラに対して大きな違和感を感じているのがすご~くわかります。

 上の写真ような服装は、まず着るのがラクっていうか、ささっと着ればポタリングの準備完了です。強いて挙げれば、パッド付きの短パンはちょっと着づらいですが、それでもレーパンよりはスムーズに穿けます。

 そして、外見的に浮くことがまずない。ミョーに目立ったり周囲の視線が痛かったりしませんので、あー疲れたな~と喫茶店に入っても自他ともに違和感ナシでイイ感じです。

 ただ、ちょっと注意したいのは、その服装で走行するということ。たとえば裾の広いパンツは、裾がフロントギアに引っ掛かったり、降車時に裾がペダルに引っ掛かったりすると怪我のモト。走行中に長いマフラーが障害物に引っ掛かったらタイヘン。そんな危険性を考慮し、なるべくリスクの少ない服装にすべきです。その点、サイクリング専用ウェアは安全につくられていますね。

 それから、自転車で走るからには「必須」になるものもあります。具体的には、ヘルメット、アイウェア、グローブあたり。転倒などの可能性を考えますと、頭と目は守んなきゃヤバいわけで、手もしっかり守りたいものです。ヘルメットをしていて一度転んで頭を打ったことがありますが、「あ~これヘルメットしてなかったら救急車沙汰だったろうな」と実感しました。

 アイウェアやグローブは、サイクリングの快適化と安全化にも必須です。砂埃や虫や小枝が目に入ったら視野が奪われ危険に直結しますし、グローブ無しで自転車に乗り続けると手が痛くなって手のことばっかり気になって……やはり危険を呼びますよね。そういう観点では、お尻が痛くなりにくいパッド付きの短パンなども重要なアイテムです。

 個人的には、これらに加えて底が硬めのシューズも必要と思います。逆に言えば、靴底が極端に柔らかいような靴は避けたほうがいいかな、と。自転車の原動力はペダリング。ペダルを踏み続けるのは足の裏。たとえばトレッキングシューズのような靴で、足の裏~足全体をサポートしつつ走ったほうが良いと思います。

どんな装備でポタリング?

 最後に、走行時に携行する装備など。結論から言って、フツーのポタリングには、あまり装備は必要無いように思います。

 ロードバイクで一日たっぷりのツーリングとかになると、飲料や補給食に加えてパンク修理セットやメディカルキットなどが必須の装備となります。マウンテンバイクでトレイル走行なんてときも同様ですね。スポーツ性重視のサイクリングの場合、ときには周囲に一切民家ナシ的な道を通ることもあるので、わりとマジメに「走行を支えたり命を守ったりする装備」が必要になります。

 でも、ポタリングの場合は、まあだいたいコンビニがあったり民家があったりするエリアを走ります。街中走行も多いんじゃないでしょうか。電話も通じるしGoogleマップも表示されるし自販機もあるような場所が、ポタリングの主なエリアだと思います。

 なので、パンクしたらスマホで自転車屋さんを探して修理してくれるか問い合わせ(←持込自転車は修理しないショップもあるので)。お腹がすき過ぎた~体力がヤバい~と思ったら最寄りのコンビニとかパン屋さんで糖質食品を買い食い。転んで足を擦りむいた~という場合はスマホでドラッグストア検索。骨折したとかヤバい蜂に刺されたって場合でも、119番すれば短時間で救急車が来てくれるようなエリアで行うことが多いのが、ポタリングです。

 とは言え、やっぱり、ある程度の装備は必要になります。まず、現金や電子マネーカードやスマートフォン。最悪、お金がなくても交番で相談する的な方法はありますが、スマートフォンは必須。通話で助けを求められますし、電子地図で現在位置も調べられます。さらには写真まで撮れる! あと筆者的にスマホで自転車ナビをしないポタリングは、ソレちょっと無理~苦行~道に迷う~とか思ったりも。

主にこんなモノを携行してポタリングしています。スマホ、自転車の鍵、携帯ツールやパンク修理用品。街中や人里を走るポタリングには、そ~んなに多くの装備は必要ないように思います。

 自転車の鍵も必要ですネ。盗難防止のワイヤー錠とかそういうヤツです。ポタリング中にちょっとコンビニに寄るとかお店で食事するとかいうときに、やっぱり鍵は必要。まあ鍵かけてても自転車を盗まれるときは盗まれますし、パーツを盗まれることもあるわけですが、自転車への施錠はある程度の盗難抑止効果がありますし、自転車オーナーの安心感にもつながります。ポタリングで寄り道していて「自転車、鍵せず置いてきたけど大丈夫かな~」みたいな「不安感からくる楽しめない気分」を大きく減らせると思います。

 あと携帯工具。ネジが緩んでパーツがグラグラする~、みたいなときに対応できるからです。まあ自転車屋さんに持ち込むとかホームセンターで工具買うとかすれば、ネジの緩みを直せるわけですが、工具を持っていれば「あっ今すぐネジ締めよう!」と数分で対処できます。要は「楽しいポタリングをネジ緩みごときで頓挫させないための携帯工具」ということですね。

 同様に、パンク修理セットも携行したい感じ。自転車を押して行ける自転車屋さんが運悪くどこも閉店していた! サイクルベースあさひでさえ、まさかの棚卸しによる閉店状態! なんてコトはあんまりナイと思いますが、パンク修理セットがあれば「万が一の超まさかの悪運でも自分でパンク修理できるし」という安心感があります。また、「いちばん近い自転車屋さんまで7Kmもあるのか~」という場合でもその場でパンク修理できますので、そういうコトになったら「あー持っててよかった♪」となるかもしれません。なお、パンク修理セットを携行するなら、携帯空気入れも忘れずに。

 それから、バックパックかバッグに、予備の上着かレインウェアを入れておきたい感じ。雨降りや寒さへの備えです。まあ、急な雨や寒さは、コンビニや喫茶店やファミレス等々に駆け込んで何か注文しつつやり過ごせますし、それ以前に天候が悪化しそうな日はポタリングしなければいいんですけど、持っているととても安心。レインウェアは緊急的に体温低下を防ぐためにも有用です。

 ほか、法律や条令で決められている自転車装備品はしっかり取り付けましょう。明るい前照灯と目立つ尾灯(赤色)は、無条件で携行・使用したほうがいいと思います。クルマなどに自転車の存在を知らせれば、より安全に走行できます。

 ただ、存在を知らせておいてもクルマが突っ込んできたりすることもありますし、自分が電柱とかに突っ込んじゃう可能性もあります。自転車で走行中の人間は「歩行者よりリスキーな状態で移動中」であることを心得つつ、安全&サイコーに楽しくポタリングしましょう~♪

スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。