みんなのケータイ

スマートウォッチ版Geminiは想像以上に柔軟な動きができる便利な相棒

 7月より、Wear OSにてGeminiが順次利用開始されています。筆者のGoogle Pixel Watch 3でもGeminiが利用できるようになったので、1カ月ほど、手元でAIを使う生活を続けてみました。

 ちなみに、スマートウォッチ版Geminiは、Pixel Watchのほかにも、Wear OS 4以降を搭載するスマートウォッチにて、順次対応予定。試用したGalaxy Watch8 Classicでも利用可能でした。

 Geminiの呼び出しは、「OK、Google」と呼びかけるかアプリを起動する、サイドボタンを長押しするかになります。ホーム画面やウィジェット画面にGeminiのショートカットを配置すれば、ワンタップでアクセスすることも可能となります。

Pixel Watch 3の場合はサイドボタンの長押しやホーム画面からのショートカット、OK、Googleの掛け声でGeminiが起動できる

 基本的な使い方は、Geminiを呼び出し、音声入力でさまざまな指示を行います。Pixel Watch 3、Galaxy Watch8 Classicでは、キーボードでのプロンプト入力には対応していないようでしたが、スマートウォッチのディスプレイサイズや利用シーンを考えれば、音声入力の方がベターです。

 ただし、屋外では人目を気にしながら使うことになるので、キーボード入力のオプションも欲しいところ。電車内など公共の場はともかく、道端であれば、AIに話しかけるのが普通になるほど、広く浸透したらいいなと感じています。

 実際に試すと、Geminiによる検索機能が簡単に使えるため、「東京タワーは何年にできた?」といった質問に、素早くテキスト、音声の両方で回答してくれました。

 料理中など、手が汚れていたりするシーンで、スマートウォッチに「大さじ1杯は小さじ何杯?」と尋ねると、「小さじ3杯です」と答えてくれるなど、ちょっとした助けになってくれます。

 また、料理中に重宝しているのが、Google Keepアプリにサッとメモを残すという使い方です。

 料理をしていると、調味料を使い切ってしまっても、すぐにスマートフォンにメモを残しにくく、つい買い忘れてしまうことが多かったのですが、いつでもスマートウォッチから「買い物リストに醤油とメモをしておいて」と声をかけるだけでメモが残るので、買い忘れを防止できるようになっています。

Google Keepアプリにメモを残せる。先に「買い物リスト」を作成しておけば、リストに項目を追加してくれた

 Googleマップと接続し、道順の検索、ナビの開始といった設定も、スマートウォッチ単体で行えます。徒歩の場合は、スマートフォンで検索すればいいのですが、自転車の運転中、信号待ちの短い時間でマップ検索をするといったシーンでは、スマートフォンを取り出すよりも手早くなります。

 筆者は車の運転をしないので、あまり恩恵を受けられていませんが、渋滞情報などを確認するといった使い方もできるようです。

目的地の検索、ナビの開始も可能

 GoogleカレンダーやGmailへのアクセスも可能で、「○月○日に食事会の予定を作成して」や、「メールの下書きを作成して」といった指示にもしっかりと応えてくれます。

 これだけの操作は、スマートフォンやPCから行った方が早いのではと感じることもありますが、セルラーモデルを使っていて、スマートフォンを持たずにランニングをしたり、近所のコンビニまで買い物に行くといった人には、ニーズがありそうです。

 ただし、Gmailの通知から、記載されているスケジュールをカレンダーに追加するといった、アプリを横断しての操作は、手元ではできませんでした。

Google カレンダーに直接スケジュールを追加できる

 スマートウォッチでのGeminiは、実装したばかりということで、手早く検索できる程度のものかと思っていましたが、Google系のアプリをうまく動かし、かなり柔軟な使い方ができることに驚きました。AIは日に日に進化しているとも言われますが、まさにAIの成長スピードを実感できるアップデートです。

 一方で、スマートフォンにも言えることですが、サードパーティ製アプリとの接続はまだまだこれからなので、さらなる伸びしろにも期待しています。