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スマホ回線、「通話あり月290円」から「通話なし月119円」に乗り換えるべきか

 2025年7月末、カムチャツカ半島付近で発生した巨大地震に伴い日本にも津波が押し寄せ、多くの人が非難するなど大きな混乱が発生しました。避難された方やけがなどをされた方も多かったようで、何らかの被害に遭われた方々に心からお見舞いを申し上げます。

 今回の津波はあらためて、大規模な自然災害がいつどのような形で起こるか分からないことを示した訳で、そのためにもやはり“備え”が重要であることを認識した次第。携帯電話の備えといえばバッテリーや通信回線などが挙げられ、筆者もバッテリーの備えだけでなく、自然災害だけでなく通信障害発生時にも対応できるよう、4社の通信回線を何らかの形で利用できるようにしています。

 ですが、物価高が続く昨今、備えにはコストがかかるのも悩ましい所。とりわけ通信回線は、KDDIの「povo2.0」などを除けば基本的には何らかの月額料金がかかるだけに、維持費をいかに安くしながら、いざという時の備えも実現できるかが重要です。

 そこでNTTドコモ回線を用いた予備回線として、現在利用しているのがMVNOである日本通信の「合理的シンプル290プラン」。月額290円で1GBのデータ通信が利用でき、1GB以上通信データ通信を消費しないよう上限も設定できることから、とても安くNTTドコモ回線を利用できるというのがその理由です。

予備回線の1つとして利用している日本通信の「合理的シンプル290プラン」。通信量上限を1GBに抑えておけば月額290円で回線を維持できる

 ですが最近、その日本通信から新たにより安価な「ネットだけ!プラン」というのが登場しました。こちらは音声通話のないデータ通信専用プランで、月額1200円で20GBのデータ通信が利用できますが、毎月の通信量を1GB以下に抑えれば月額119円と、合理的シンプル290プランより安く維持できるのが魅力です。

2025年4月より提供されている「ネットだけ!プラン」はデータ通信専用のプランで、20GBのデータ通信が利用でき月額料金は1200円。だが通信量を1GB以下に抑えると、月額119円での利用が可能だ

 ただこれだけ月額料金が安いと、頭を悩ませることになるのが初期契約時の手数料です。

 「ネットだけ!プラン」は、「合理的シンプル290プラン」と違って手数料を抑えられるスターターパックが利用できないので、3300円の初期手数料がかかってしまいます。

 そして3300円という手数料は、毎月119円で利用することを考えると2年分以上の月額料金に匹敵する額。合理的シンプル290プランで現在支払っている月額290円と比べても、およそ11カ月分とかなり大きな額です。

 もちろん1GB以下での利用を続けるならば月額料金はネットだけ!プランの方が安いので、将来を見据えれば乗り換えた方がお得なのですが、手数料を加えるとお得になるまでどれくらいの期間を要するのかが気になる所。そこで毎月1GB以下で利用することを念頭に、ネットだけ!プランに初期手数料を加えた料金と、合理的シンプル290プランの料金をそれぞれ毎月積み上げて計算してみました。

 その結果が下のグラフとなるのですが、料金が逆転するのは19ヵ月目と、1年半以上かかることが判明。これだけ月額料金が安いと、やはり3300円の手数料はかなり大きく響いてくるようです。

「ネットだけ!プラン」(初期手数料を含む)と「合理的シンプル290プラン」の料金積み上げ比較。いずれも通信量は1GB以下の場合を想定している

 それに加えて「ネットだけ!プラン」は音声通話が利用できないので、非常用として使うには物足りなさもあったことから筆者は今回乗り換えを見送るという決断に至った次第。

 毎月通信量1GB以下を維持する必要があるとはいえ、これだけ月額料金が安いと年間でも1400円強で済みます。予備回線としてNTTドコモ回線が必要という人ならeSIMに入れておいても悪くないのではないでしょうか。