みんなのケータイ

なくなったiPhoneのホームボタンを「AssistiveTouch」で疑似的に復活させる

 iPhone SE(第3世代)の後継機というか、iPhone 16シリーズのもっとも買いやすいモデル「iPhone 16e」が発表されました。この原稿を書いている時点ではまだ発売されていませんが、人気のほどはどうでしょうね。ストレージが最小の128GBでも、アップル直販の価格が9万9800円と円安憎しな価格で、iPhone 16の128GBと2万5000円しか違わない。もしかしてあらためて「16」を選ぶ人も多いんじゃないかな、などど感じています。

 とうとうなくなってしまったホームボタンを残念に思う人も多いようです。Apple Payで支払いをするときに、サイドボタンのダブルクリック+Face IDよりも、Touch IDの方がホームボタンに指を置くだけだから簡単、スマートという意見も多いです。

 個人的にはFace IDにすっかり馴染んでいますし、ダブルクリックして本人認証され、カードがしっかり読み取れる状態になってからリーダーにかざすという流れも、確実にできていいなと思っています。

 でも、やっぱりホームボタンが必要だ! というなら、「AssistiveTouch」というアクセシビリティの機能をオンにすると、Touch IDを使うことはできませんが、ホームボタンらしき機能を加えることはできます。

 AssistiveTouchは「設定」アプリ内の「アクセシビリティ」→「タッチ」でAssistiveTouchをオンにすることで利用できます。オンにするとディスプレイ上に黒く丸いアイコンが出現。画面下部に配置するとなんとなくホームボタンぽく見えます……かね。

AssistiveTouchのボタン。しばらくすると透明度が増して目立たなくなりますが、どんな画面でもずっと表示されています。なお、ボタンの位置は画面の端なら上下左右どこでも動かせます。

 この丸をタップすると「通知センター」「カスタム」「デバイス」「Siri」「コントロールセンター」「ホーム」のアイコンが並んだ小さなウィンドウが表示されます。このホームのアイコンをタップすると、いつでもホーム画面に戻れます。ただし、丸いボタンをタップしてホームのボタンをタップするという2度のタップが必要ですが。

AssistiveTouchの最初のウィンドウ。タップすると、それぞれの画面を表示しますが、「デバイス」をタップすると、さらに機能を選択できるウィンドウが表示され、画面をロックや画面の回転、アクションボタンに割り当てた機能のオン/オフ、音量調整などができます。カスタムボタンには「ピンチして回転」「長押し」「ダブルタップ」などが割り当てられています。

 本来はiPhoneの細かい操作が困難な方々のために用意されたAssistiveTouchですが、健常者でも活用できる機能があります。

 私個人の経験としては、かなり前のことになるので今でもできるかどうかは不明ですが、どうしてもスクリーンショットが撮れない画面があって困っていたとき、このAssistiveTouch内のスクリーンショットのメニューを利用したら撮影できた、良かった! ということがありました。

 今回、あらためて機能をチェックし、なかなか良いと感じたのは「AssistiveTouchで承認」という機能。Apple Payなどでサイドボタンのダブルクリックをする代わりにAssistiveTouchでFace IDを呼び出すもので、設定するとタッチだけでFace IDが行われるようになります。

 初期状態だとなんどもタップする必要があって面倒ですが、AssistiveTouchの最初のウィンドウはカスタマイズできるので、そこにApple Payのアイコンを配置しておくと、かなり簡単にダブルクリックせずにFace IDの認証ができます。

AssistiveTouchの設定画面で「AssistiveTouchで承認」をオンにすると、ボタンのダブルクリックの代わりにタッチでFace IDが起動します。
本来はFace IDになる画面で、AssistiveTouchからApple Payのメニューを呼び出しタッチで承認できます。ただ、支払いカードを表示するところからAssistiveTouchを使わないと承認の画面にならないようです。

 アクセシビリティのメニューにはAssistiveTouchだけでなく、文字の太さやサイズを変えるなど、知っておいた方がいいメニューが結構あります。アクセシビリティのメニューを一度も開いたことがないという人がいるなら、一度覗いておくことをお勧めします。