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クラウドストレージをDropboxに戻したシンプルな理由
2025年1月21日 00:00
2014年頃からDropboxを愛用してきた筆者だが、その後OneDriveやGoogle ドライブがそれなりに使えるサービスになってきたことと、Microsoft 365とGoogle Workspaceを契約していてそれに各1TB以上のクラウドストレージが含まれていたことから、2021年に切り替えた。仕事データのバックアップを含むメイン用途にOneDriveを、主に外部とのやりとりにGoogle ドライブを使う感じだ。
が、そうやって数年間使い続けてきたものの、ずっと不満はくすぶっていた。まず、とにかく同期が遅い。たとえばAndroidスマホで撮影した写真やスクリーンショットがクラウド側にアップロードされ、それがパソコンにダウンロードされるまで長く待たされる。場合によってはスマホ側でOneDriveアプリを開くなどしてアクティブにしないと同期が始まらなかったり。
iPhoneだと、iOSの仕組み上仕方がないとはいえアプリを立ち上げたままにしておかないと同期しないし、しばらく(画像数にして数十ファイル程度~)同期しないでいると、変更・追加のあった画像の確認処理に何分もかかって同期が始まらず、仕事が全然進まないこともあった。
決定的だったのがパソコン上での処理の遅さだ。OneDriveのデスクトップアプリをインストールして使っていたのだが、たとえば同期対象にしているフォルダ内のファイルをエクスプローラー上で選択するとき、盛大にラグが発生する。おそらくOneDriveで管理していることを示すマークをファイルアイコンに重ねて表示するのに時間がかかっているのだと思うが、画像閲覧やファイルのリネームがままならないのはものすごくストレスだった。
Google ドライブのデスクトップアプリも試してみたのだが、こちらはクラウドとパソコンとの間で同期処理が確実に行なわれないという致命的な問題があり、早々に諦めた。同期対象がトータル600GB以上、ファイル数20万以上とそこそこの量だったのもあるかもしれないが、1TBを超えるストレージ容量を提供している以上、それくらいは余裕で処理して欲しいと思ってしまう。
そんなわけで年明け早々、4年ぶりにDropboxを契約した。2TBの「Dropbox Plus」プランは年額1万5840円だが、時期的なものなのか25%オフの1万1880円。Microsoft 365とGoogle Workspaceにもそれぞれ年間1~2万円支払っているので、これ以上ランニングコストを増やしたくないなあとは思いつつも、背に腹は代えられない。
しかしその結果、かつての快適さを取り戻した。最初の600GB超のデータを完全に同期するのには2~3時間しかかからず、テキストだろうと大きめの画像だろうと、追加・編集した隙からどんどん同期。スマホの画像もちょっぱやでパソコンにダウンロードしてくれる(iOSはアプリを立ち上げないと同期してくれないのは変わらないが、格段に高速化した)。
今まで同期が遅かったり、ファイル操作がままならなかったり、ファイルのアクセス権限がおかしくなったり、同期エラーが頻発したりと、いろいろあった苦労は一体なんだったんだろう、という気持ち。その昔Dropboxの中の人に取材したとき、「速度には自信をもっている」というような話があったので、まさにその通りだなあと。
ただ1つだけ不満がある。パソコンのデスクトップアプリだと必ず「Dropbox」フォルダを同期対象にしなければならないことだ。筆者的にはデータドライブのルートに置いたフォルダを同期させたいのに、Dropboxというフォルダを1階層無駄に掘ることになってしまう。
これはDropboxに限ったことではなく、OneDriveやGoogle ドライブもサービス名のフォルダ配下がメインの同期対象になる仕様だ。世のクラウドストレージサービスが「絶対にサービス名フォルダを使わせるマン」になりがちなのは悲しい。
一応、OneDriveの場合は同期フォルダ内のフォルダをシンボリックリンクにすることで、ドライブのルートに置いたフォルダを同期対象にするワザもある。が、この場合はアプリを再起動するか、「同期の一時停止→再開」の操作をいちいちしないと同期処理が走らないので面倒。でもってDropboxはそもそもシンボリックリンクを認識してくれない。ぜひとも、同期フォルダにはユーザーが決めた好きな名前(の複数フォルダ)を使わせてほしいものだ。