レビュー
「OPPO A3 5G」レビュー、エントリークラスながら性能・機能でミッドレンジに迫る
2025年1月21日 00:00
オウガジャパンは、エントリークラスのスマートフォン「OPPO A3 5G」を発売した。価格は、公式直販サイトでは3万2800円。MVNOではIIJやHISモバイル、mineoなどでの取り扱いもあり、量販店やECサイトでは3万円以下と手頃な価格で購入できるモデルだ。
ディスプレイは6.7インチ(1604×720ドット)のLCDパネル。低価格モデルのためHD相当の改造どうではあるが、ピクセル密度は246dpiなのでウェブサイトなどの文字表示などはそこまでドット感は感じない。
またリフレッシュレートも最大120Hzのため、画面スクロールなども表示はスムーズだ。
日光下での最大輝度は公称値で1000ニトとなっており、画面情に白背景画像を表示し最大輝度設定で測定したところ、619ルクスだった。
本体サイズは約76(W)×7.7(D)×166(H)mmで、6.7インチクラスとしては大型で、画面占有率は89.9%で若干ベゼルの黒枠が気になる。ただし厚さは7.7mmに抑えられているので、グリップはしやすい。
重量は約186g。本体カラーは、パープルとブラックの2色。テスト用に使用したブラックは、背面がマットな質感で、指紋などが目立たない独自処理「OPPO Glow」が施されており指紋などが目立たない。
さらに「SGS」と「MIL規格」の両耐衝撃テストもクリアする堅牢性も備えている。本体の軽さとあわせて、ケースをつけずにそのまま使った方が特徴を活かせそうだ。
本体右側面には電源ボタンと音量ボタンを配置。指紋認証センサーはディスプレイ内蔵型ではなく、電源ボタンと一体になっているタイプ。右手でグリップしたときは親指、左手なら人差し指が当たる位置にあるので、使いにくさは感じない。
プロセッサーはMediaTek製のDimensity 6300。メモリーは4GBで内蔵ストレージは128GB。内蔵ストレージを仮想メモリーとして利用できる機能もあり、その場合は最大8GBのメモリーとして使用できる。
エントリーモデル向けのプロセッサーだが、普段使いでは特にストレスは感じない。もちろんアプリの起動や画面の切り替えなど、ハイエンドモデルと比べると若干つっかかりは感じるが、完全に止まるほどではない。スマートフォンに慣れていて、操作が速い人には気になるかもというレベルに収まっている。
バッテリーは5100mAhを搭載。ディスプレイの解像度が低いこともあり、使用時のバッテリー消費はそこまで多くないようで、動画視聴などでも減っていかない印象。常にスマートフォンを手に持って使用しているような使い方でなければ、2~3日は充電する必要はなさそう。
また充電も同社独自の「45W SUPERVOOC」に対応。PDも「PPS」に対応した45Wでの充電が可能なので、対応する充電器を用意すれば高速充電が可能。メーカーは対応充電器なら1%から50%までを約30分で充電できるとしている。
充電などに使用するUSBは本体底面に配置。規格はType-CだがUSB 2.0のため、高速でのデータ通信には対応していない。 またOTG対応なので、USBメモリーなどは利用できるがDP Alt Modeは搭載しておらず、外部モニターへType-Cケーブル接続での出力には対応していない。
スピーカーは本体下部のみのモノラル仕様。音楽コンテンツを楽しむ場合は物足りないが、テレビ番組など人の声がメインのコンテンツは、モノラルのほうが意外と聞きやすいので、視聴するコンテンツ次第で好みが分かれるところ。
音量は100%を越える300%の「ウルトラボリュームモード」が利用可能。オーディオテスターアプリで1000Hzの正弦波を鳴らして、約15cm離れたところの100%では約68.6db、ウルトラボリュームモードの300%では約69.5dbだった。
SIMスロットは左側面上部にあり、ピンでトレーを押し出すタイプ。nanoSIMが2枚セットできるほか、片方はmicroSD(最大1TB)との排他仕様。またeSIMにも対応しており、その場合はトリプルではなく、物理SIMとeSIMのデュアル仕様となる。
最近は物理SIMのデュアルタイプは少なく、物理SIMを2枚で運用している人にはうれしいポイント。また本体ストレージも128GBと決して多くはないので、写真や動画などをmicroSDに保存できるのはありがたい。
本体下部にはイヤホンジャックも搭載されているので、有線イヤホンもそのまま利用可能。microSDも含めて、従来のスタイルでスマートフォンを使いたいというユーザーには、古いモデルから手間をかけずに移行できそうだ。
通信面では、セルラーの対応バンドが、5Gはn1 / 2 / 3 / 28 / 41 / 77 / 78。NTTドコモが使用するn79に対応していないほか、ハイエンドと比較すると対応バンドが少なめなので、海外でのローミングの際に5Gでつながらないケースがありそう。KDDI、ソフトバンク、楽天モバイルおよびそのMVNOでの利用がベターだ。
カメラは背面に広角カメラ(5000万画素、F値1.8)を搭載したシングル仕様。デザインからトリプルカメラのような印象を受けるが中央は深度センサーで一番下はLEDとなっている。
実機で、さまざまな場面を撮影してみた。基本的に手持ちでの撮影で、とくにピントなどはあわせず、そのままシャッターを切るというスタイル。さすがに夜景撮影では「夜景モード」で撮影しても、ハイエンドのスマートフォンに比べるとノイズが気になる。
とはいえ明るい状況下ならじゅうぶんなクオリティで撮影でき、デジタルズームも2倍なら画質の劣化を感じない。
ただし気になるのは連写性能。シャッターボタンを連写すると、3回目くらいで処理待ちが起きシャッターが切れなくなる。また動画は4Kでの撮影には非対応で、最大で1080P/30fpsとなっている。ズーム性能や画質も含めて、このあたりが気になるユーザーは、やはり高価格帯でカメラ性能の充実したモデルを選んだ方がよさそう。
日本での使用にうれしいのがFeliCaの搭載。おサイフケータイ機能が利用できるので、Suicaなどの電子決済が使えるほか、マイナンバーカード機能(スマホ用電子証明書機能)にも対応している。
さらに使用できるアプリや使用時間の制限ができる「キッズモード」や、アイコンなどを大きく表示できる「シンプルモード」も搭載しているので、子どもやシニア向けのスマートフォンとして使えるのもポイント。
ハイエンドモデルと比較すると物足りなさは感じるものの、エントリークラスながらミッドレンジに迫る性能や機能を装備する「OPPO A3 5G」。スマートフォンの導入にあまりコストをかけたくない子どもやシニア層、またサブの2台目としてじゅうぶんポテンシャルを発揮できそうな端末だ。