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この際、家族まとめて、「Apple One」にしてみた

【iPhone 13 Pro Max】

 iPhone 13シリーズが発売されて、そろそろ1カ月ちょっと。本誌のレビュー記事でも説明したけど、今年のiPhone 13シリーズは昨年のiPhone 12シリーズに比べ、あまり大きく内容が変わってないこともあって、販売も静かなスタートの様子。旧機種のiPhone 12シリーズが値下げされたので、そちらを買う人もいるんだとか。

iPhone 13シリーズは「iPhone 13 Pro Max」を購入。大画面が欲しいと、これしか選択肢がないのが……

 ところで、アップルというと、iPhoneをはじめ、ハードウェアが話題になることが多いけど、実はサービスもたくさん提供している。音楽を購入できる「iTunes」をはじめ、サブスクリプションで音楽を楽しめる「Apple Music」、音楽をデバイス間で共有できる「iTunes Match」、ゲームのサブスクリプションサービスの「Apple Arcade」、クラウドストレージサービスの「iCloud」、オリジナルの映画やドラマを視聴できる「Apple TV+」など、さまざまなサービスも展開中。

 これらの多くはiOSやmacOSなど、アップルのプラットフォームだけでなく、Windowsなどの他の環境でも利用でき(一部、内容は違うけど)、Apple TV+のように、「Google TV」(Android TV)やAmazonの「Fire TV」など、他のプラットフォームにも勢力を拡大するサービスもある。

 記事などで使うこともあって、筆者はこれらのアップルが提供するサービスを契約しているけど、実はつい最近まで、それぞれを個別に契約していた。というのも「iCloud」は旧サービスの「MobileMe」の頃から使っていたし、「Apple Music」も2015年7月のサービス開始から契約していた。「Apple TV+」も1年間の無料期間を経て、有料サービスを契約した。

 アップルでは昨年11月から、これらのサービスをまとめて契約できる「Apple One」というサービスをスタートさせている。内容としては「Apple Music」「Apple TV+」「Apple Arcade」「iCloud+」で、料金は個人プランが月額1100円、ファミリープランが1850円。それぞれを個別に契約した場合との比較は、以下の表の通り。

Appleが提供する各サービスと「Apple One」の月額料金を比較。「Apple Music」を契約中の個人なら、わずか120円の追加で、利用できるサービスが一気に拡大。年間契約による割引があれば、もっとうれしいんだけど……

 単純に比較すると、個人プランでは4つのサービスを個別に契約した場合より、1000円以上、安くなる計算。4つのサービスのうち、「Apple Music」と「iCloud(50GB)」を個別に契約していれば、「Apple One」を契約した方が割安で、「Apple TV+」や「Apple Arcade」がおまけで付いてくるという見方もできる。

 同等以上のサービス内容で、月額料金が安くなるのなら、移行しない手はないけど、筆者の場合、ちょっと気になる点があり、つい最近まで移行していなかった。理由はいくつかあって、そのひとつがファミリー共有を設定している家族が仕事の関係上、個別に「iCloud」で追加ストレージを利用しているため、筆者が「Apple One」に契約すると、家族の環境にも影響するかもしれないためだ。たとえば、「Apple One」のファミリープランに移行すると、「iCloud+」のストレージ容量は200GBになるが、家族が契約中の「iCloud」のストレージの扱いがどうなるのかが不明なのだ。

 そこで、アップルのサポートに問い合わせたところ、ファミリー共有を設定済みのユーザー(この場合は筆者)が「Apple One」のファミリープランを契約した場合、家族は契約中の「iCloud」の契約を継続利用するか、「Apple One」のストレージを分けてもらうかを選べるそうだ。

 また、すでに有料の「iCloud+」を契約中のユーザーが「Apple One」を契約した場合、保存されたデータはそのまま移行され、これまでの「iCloud+」の有料プランは解約となり、料金は日割り計算で払い戻される。ただし、契約中の「iCloud+」の有料プランの方が容量が多いときは、「Apple One」で利用できる容量と合わせて使うこともできる。たとえば、個人で「iCloud+」の2TBを契約しているときは、「Apple One」が個人プランなら50GBが追加され、ファミリープランなら200GBが追加されるわけだ。

 さらに、利用するサービスによって、複数のApple IDを使い分けている環境にも対応する。音楽などのコンテンツ購入やサブスクリプションサービスのために「○△□@example.jp」などのメールアドレスで「Apple ID(その1)」を使い、iCloudストレージ用には「○△□@icloud.com」などの「Apple ID(その2)」を使うようなケースだ。こうした使い分けの環境では、「Apple One」を設定するときにiCloudストレージの割り当てるApple IDを選ぶことができる。

 とまあ、いろいろな利用ケースに合わせ、ちゃんと準備はされているのに、各サービスの解説ページではこれらの情報がまったく説明されておらず、サポートページもなかなか見つけられないのが残念なところ。特に、iCloudのストレージ容量の移行などは、図解付きの説明があれば、もうちょっとわかりやすいのに、基本的にはテキストのみなので、頭の中で読み解かなけれならない感じ。

 とは言うものの、トータルで見れば、月額料金は安くなるし、利用できるサービスも増えるので、すでに「Apple Music」と「iCloud」を契約していたり、家族でファミリー共有を設定しているユーザーは、「Apple One」への移行を検討してみるといいかもしれません。

「Apple One」はiPhoneやiPadの[設定]アプリの[ユーザー]-[サブスクリプション]-[Apple Oneを入手する]から申し込める