みんなのケータイ

220円支払って、ATMで「d払い残高」を現金化した話

 この「みんなのケータイ」には、サイフを忘れたり、落としたりした話ばかりを書いている気もしますが、先日、またもサイフを家に忘れて出かけてしまいました。

 といっても、最近では電車に乗る際も、コンビニで買い物をする際も、街中で食事をする際も、たいていの場所で電子決済やQRコード決済が使えるので、サイフを忘れてしまってもスマホさえあれば、困ることはあまりありません。ただ、その日はどうしても、とあるお店のラーメンが食べたかったのです。

 現金を持っていないことに気づいたのは、仕事先から少し足を延ばして、ようやくたどり着いたお店の、店頭の券売機の前でした。券売機には「現金決済のみ」と張り紙があります。誰かと一緒ならその人に借りることもできますし、実際に同様のシチュエーションで現金を借り、QRコード決済の送金機能を使って返済したこともありますが、その日はあいにくおひとり様でした。本当ならばいさぎよく諦めて、電子決済やQRコード決済が使えるレストランに行くべきでなのでしょう。しかし繰り返しますが、その日はどうしても、その店のラーメンが食べたかったのです。ましてやお店まで行って、美味しそうなスープの香りを嗅いでしまったいまとなっては、もう後戻りはできません。

 現金は持っていないけど、なんとかしてラーメンを食べたい。「手持ちのスマホのひとつを、この場でリセットして中古ショップに持ち込めば、現金化できる」などと思い詰めて、「でも、それはさすがに……」と打ち消したところで、ふと思い出したのが、セブン銀行のATMを使う方法です。

思いのほか簡単に現金を手にできましたが、一度にたくさん出金できないよう制限されていました

 セブン銀行のATMでは、一部のQRコード決済の残高を現金で払い出すことができます。その中には筆者が利用している「d払い」や「au PAY」も含まれています。いずれも事前に本人確認が行われていることや、銀行口座等からチャージした残高があることが前提で、「au PAY」では「送金・出金」サービスへの申し込みが必要。「d払い」の場合は、ドコモの回線契約がある場合のみ、利用できるとのことです。どちらも利用できる環境でしたが、今回は「d払い」を利用しました。

 まず、アプリを起動して、連携済みの銀行からお金をチャージ。続いてセブン銀行のATMに出向き、タッチパネルを操作して、「引き出し・預入れ クレジット取引など」→「スマートフォン」を選びます。一方スマホでは、d払いアプリの「出金」から「セブン銀行ATM」を選択。出金額を入金して、ATMのタッチパネルに表示されているQRコードを読み取り、アプリに表示された企業番号と認証番号をATMに入力すれば、現金が受け取れるしくみです。手続き上、難しいことは何もなく、思いのほかさくっと現金を手にすることができました。

「出金」→「セブン銀行ATM」を選んで払い戻ししたい額を入力。1000円から払い戻しできますが、手数料も含む残高が必要です
こちらが利用明細票。別途220円の手数料がかかっています

 d払いのサイトには、一度に出金できる上限額は10万円と記載されていますが、詐欺などに備えてなのか、残高の問題なのか。表示された上限額が3000円だったので、ラーメン代プラス、少し余裕が持てる額として3000円を出金しました。手数料は1回あたり220円です。3000円を引き出すのに220円かかると考えるとかなり痛い出費ですが、背に腹は変えられずで、いたし方ありません。その後お店に引き返し、念願のラーメンを食べることができたのですが、大変自分勝手ながら、いつもより220円分余計にかかっていると考えると、どうしても採点が辛くなってしまって、満足度はいま一つでした。

 筆者のようなうっかりものには、非常手段としてとってもありがたいサービス。覚えておいて損はないと思いますが、手数料を考えるとあまりお世話にはなりたくないサービスでもあります。まずは次のいざというときに備えて、スマホケースの隙間やカバンのポケットに、現金を忍ばせておきたいと思います。