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「Galaxy Z Fold6」で便利な手書きメモ&録音文字起こしの同時利用、精度は課題か
2024年11月6日 00:00
登場当初はダメダメだったGalaxy AIの日本語文字起こしだが、その後のアップデートで少しずつではあるが、精度は上がっている。Pixelのレコーダーアプリと比べるとまだまだ粗は目立つものの、同シリーズの日本語環境では非対応な話者の識別などが可能。他の機能と連携させることもできる。
その1つが、Samsung Notesアプリでの録音と文字起こしだ。Samsung Notesは、文字通りメモに使うためのアプリ。S Penを使って筆記しながら録音でき、かつその録音した音声を文字起こしすることができる。囲み取材や展示会取材などで、立ち聞きするようなシチュエーションでは、メモと録音を両立させることが可能になって便利だ。
もちろん、Samsung Notesアプリ内で録音すれば、メモをタップした際に録音の該当する部分を呼び出してくれる。これだけならほかのアプリでもできそうだが、録音した音声とメモはどうしてもタイミングがズレてしまう。実際にある程度相手の発言を聞いたあと、ペンでメモを書くので当然と言えば当然だが、文字をタップするとその先の音声が再生されることが多い。
このような再生箇所を指定していときには、文字起こし機能の方が便利だ。AIが自動的に文字に起こしてくれるため、タイミングのズレを最小限に抑えることが可能。上記のように精度はイマイチだが、手書きのメモを参照すれば、それを補える。欲を言えばビシッと文字起こししてほしいが、その点は今後の進化に期待したい。
記録したデータについては、メモと音声、文字起こししたテキストを個別に分割してアップロードすることができる。PCなどで後から音声だけを確認したいという時や、誰かに音声ファイルを渡したいときには、音声データだけを抜き出せばいい。データが完全に一体化しているわけではないため、活用時の自由度もある。
ただし、文字起こしがすべて後からなのが少々残念だ。これはレコーダー単体でもそうだが、Galaxy AIの文字起こしは録音済みのデータをオンデバイスAIで後から処理する方式。Pixelのように、リアルタイムで文字起こししてくれるわけではない。最近では、Xiaomiの「Xiaomi 14T/14T Pro」も文字起こし機能を実装したが、これも後処理方式だった。リアルタイムにその場で内容を確認したい時に使えないので、間違いが分かりづらい。
オンデバイスAIだと限界があるのかもしれないが、Pixelに関しては文字起こしまでは端末内部だけで処理しており、フライトモードやモバイルデータ通信がオフの状態でも利用できる。文字起こし対応レコーダーは、外国語の聞き取りを補助する用途にも活躍するため、後処理方式はやや使い勝手が悪い。
もう一点、気になっているのがS Penの扱いだ。Galaxy Z Foldシリーズは「Galaxy Z Fold3」のころからS Pen ProかS Pen Foldを利用できた。筆者は、Galaxy Z Fold3のころにS Pen Proを購入し、そのまま4、5、6と使い続けてきている。S Pen Foldと比べるとペンの太さがあって、書き心地がいい。
ところが、Samsungオンラインショップを見ると、S Pen Proは品切れ状態が続いており購入することができない。S Pen Foldも単体販売が終了しており、唯一の選択肢は「S Pen Case」だけになっている。つまり、S Penをなくしたらケースごと買い直さなければならないというわけだ。筆者のような裸運用の人はもちろん、別のケースを使っている人もわざわざ使わないケースまで買う必要が出てきてしまう。
S Pen対応はGalaxy Z Foldシリーズの売りの1つで、他のフォルダブルスマホとの差別化要素にもなっている。実際、開いた時にこれだけ画面サイズが大きいと、S Penでメモが取りやすい。この売りをもっと訴求しない手はないと思うのだが……。「Pixel 9 Pro Fold」のような“競合”も徐々に増えているため、今一度、アクセサリーも含めたエコシステムをしっかり訴求する必要があるのではないか。うっかりS Pen Proをなくした時に買い直せないのもどうかと思うので、在庫管理の改善に期待したい。