モバイルSuicaで大失敗。でも納得できずにモヤモヤした話

　先日、モバイルSuicaで大失敗してしまいました。

　モバイルSuicaを登録した「Pixel Watch」を、Suicaをサーバーに退避（預け入れ）せずにリセットしてしまったのです。さらにまずかったのは、同時にスマホも機種変更するなどバタバタしていたせいもあって、そのことをすっかり忘れてしまっていたこと。新しいスマホで「Pixel Watch2」のために、モバイルSuicaを登録しようとしたら、「エラーが発生しました。再度実行して解決しない場合は、お手数ですがアプリを再起動してお試しください」とのメッセージが表示されました。再起動しても改善されないため、JR東日本のサポートに問い合わせしたところ、スマホ用のモバイルSuicaともう1つSuicaが登録されているため、これを解約しないと新規発行はできないとのこと。恥ずかしながら、ここにきてようやく「そういえば……！」と思い当たったのでした。

　モバイルSuicaでは機種変更の際、前の端末が故障や紛失などで操作できない状態でも、モバイルSuicaアプリや、Web上のモバイルSuica会員サイトにログインして再発行登録をすれば、翌朝5:00以降にSuicaを新しい端末で受け取ることができます。「Pixel Watch」もモバイルSuicaなので、理屈は同じ。ところがいざログインしてみると、スマホ用のSuicaはあるものの、Watch用に登録されているはずのSuicaが見当たりません。おかしいと思いつつも、リセットする意味で退会手続きをして、翌朝7:00以降に再入会を試みましたが、同じエラーが繰り返し表示されるばかりで、先に進めなくなってしまいました。

　これはあとからわかったことですが、「Pixel Watch」用のモバイルSuicaは、Googleアカウント（Gmail）とは別のメールアドレスで登録されていました。そもそも会員登録したアカウントが違っていたのです。なぜそうしたのかよく覚えていないのですが、とにかくそれがおサイフケータイに登録されているGoogleアカウントに紐付いていたまま残っているので、新規発行ができないとのこと。ならば、そちらのアカウントでログインして、再発行登録なり退会なりの手続きをすれば済む話……なのですが、大変困ったことに、登録したメールアドレスがわからなくなってしまいました。

　筆者はiPhone＆Apple WatchでもモバイルSuicaを使用しているのですが、そちらのメールアドレスとも、Googleアカウントとも違うアドレス。サポートでは本人確認の上、こちらが言ったメールアドレスと登録されているものが合っているかどうかには答えられるが、アドレスそのものを教えることはできないと言われてしまいました。試しにいくつか候補を挙げてみましたが、該当しないとのこと。完全に詰みです。どうしても新規発行（再入会）したければ、おサイフケータイに紐付いているGoogleアカウントを変えるしかないそう。何たる大失態でしょうか。100％自分が悪い……のですが、「でも、それっておかしくないですか？」と、どうにも納得ができない、もうひとりの自分がいました。

　世のほとんどのオンラインサービスが、アカウントとパスワードによるログインで成り立っているわけですが、登録したアカウントやパスワードがわからくなる……なんて、よくあることなのでは、と。そのために多くのサービスで、SMSやメールを使ったり、あるいは電話や郵送で本人確認をして、リカバリーできるしくみが採用されています。今回の場合も電話で本人確認ができていて、紐付いているGoogleアカウントもわかっているはず。なのになぜ、何も手立てがないのでしょうか？

　そのように主張したところ、サポートの方に「今回限りの特別措置です」と前置きされた上で手続きしていただき、翌朝、おサイフケータイアプリからSuicaを受け取ることができました。受け取ったあとは、メールアドレスがわからなくてもモバイルSuicaアプリに自動ログインでき、メールアドレスを確認＆変更できました。

　結果的には助けていただいたのですが、なぜこれが特別措置なのか、やはり納得ができません。筆者の場合はたいした金額ではありませんでしたが、アカウントがわからなくなっただけで一切の手続きができず、リカバリーの方法もなくて、チャージしたお金が取り戻せない……というのはおかしいと思います。そもそもプリペイドのサービスだから、そこまで責任は持てないということかもしれませんが、今やカードだって、記名式のMy Suicaなら紛失しても再発行してもらえます。いやもちろん、今回は100％自分が悪いです。悪いのですが……どうにもモヤモヤしてしまいました。