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旧機種でも使えて便利な「Galaxy AI」だけどFlipユーザーへの恩恵は少ないかも

 4月に発売されたGalaxy S24シリーズで話題になったのが、独自のAI機能である「Galaxy AI」。2023年に発売されたモデルでも、アップデートで利用できるということで、4月中旬からGalaxy Z Flip5で実際に楽しんでいます。

 職業柄、Galaxy AIの中でも特に注目していたのが、レコーダーアプリのアップデートです。従来は10分間の会話しか文字起こしが出来なかったのが、AIを活用し、長時間の文字起こしも可能に。また、要約を自動的にまとめてくれる機能も利用できるようになっています。

 文字起こしの精度は、あまり高くないというのが正直な感想。最新機種のGalaxy 24シリーズに搭載されているSnapdragon 8 Gen 3がAI機能を大幅に強化している一方、Galaxy Z Flip5には1世代前のSnapdragon 8 Gen 2を搭載しているため、純粋にスペックの違いによる差分かもしれません。

 もちろん、マイク性能の違いによる差があり、録音環境によっても精度にばらつきが生まれると考えられますが、リアルタイムでの高精度な文字起こしができるGoogle Pixelがあるだけに、高いハードルをいまいち超え切れていない印象もあります。

 画像関連のAI機能としては、撮影した写真内の一部を切り取り、拡大、縮小をしたり、位置を動かすことができます。個人的には使用頻度はあまり高くありませんが、切り抜きの精度も高く、数年前まではPCが必要だったような編集作業が、サクッとできるのは魅力的。特にSNSを多く利用する人には、ぜひ試して欲しい機能です。

 また、角度補正を行った際にできてしまう空白をAIで生成する機能もなかなか便利。ポケットからスマートフォンを取り出し、急いでシャッターを切ると、どうしても水平が取れないことがあるので、「あとから編集できる」という心持ちでいられるのも、嬉しいポイントです。

 各方面に新機能が追加されているGalaxy AIですが、個人的に最も利用頻度が高いのが、かこって検索機能。画面上に気になるものがあった際に、ホームボタン(ジェスチャー操作の場合は下部のバー)を長押しし、該当部分を指で囲えば検索ができます。

 Webブラウジング中だけでなく、ゲームアプリのプレイ中などにも検索ができるので、アプリを切り替えて、テキストを入力して……といった手間が省けるのが快適です。

 そのほか、通話中のリアルタイム翻訳や、チャットアプリでの自動翻訳機能なども新機能として利用できますが、筆者の使用環境では試す機会がほぼないので、実践できる機会を楽しみにしています。

 さて、ここまでGalaxy AIについて紹介してきましたが、Galaxy Z Flip5のカバー画面では、あまり新機能を活かしきれないのが少々残念なポイントです。画像編集関連の機能は利用できますが、ボイスレコーダーでの文字起こしは非対応。

 囲って検索機能も利用できません。せっかくアップデートが来たのに、ほとんどの新機能を試すためには、メインディスプレイを開かないといけないのは面倒。せっかくのフォルダブルスマートフォンですからね……。