みんなのケータイ

父は亡くなり、回線とスマホと残債(端末代金分割支払金)が遺されました

【arrows Be4 Plus(F-41B)】

 今年6月、母が心疾患で亡くなり、後を追うように9月に父もガンで亡くなりました(いくら仲がよくとも、そこまで合わせなくとも……)。母の携帯電話の回線は亡くなった後に父が解約していたのですが、父の物は遺された私が解約することとなりました。

 父の携帯回線は郵便物から判断すると、NTTドコモでの契約のようでした。NTTファイナンスからの「ご利用料金のご案内(ドコモご利用分)」「内訳項目」に書いてある電話番号も父の物、というハガキが何枚もありましたので。

ドコモから来ていたハガキ。ドコモ回線契約だと、普通思いますよね。

 回線を解約するため、スマホ、死亡届、それから筆者の身分証(マイナンバーカード)を持って、実家近くのドコモショップに向かいます。

スマホや、死亡届を用意。準備万端。
実家近くのドコモショップ。いつも親切なお店だと、昔、母から聞いた。

 「ケータイを使っていた父が亡くなったので解約したいのですが……」
 「ご愁傷様です。……その方は既に解約されていますね」
 「え?」

 能面のように表情を変えずドコモショップ嬢が繰り返します。

 「解約済みです」

 「では、このハガキは?」

 ハガキを見て端末を叩き……ジッと画面を見る女性ドコモスタッフ……。

 「……これは……残債ですね」

 聞けば、父はスマートフォンをドコモから3年の割賦で購入しており、その代金と、加えて加入した「ケータイ補償サービス」の金額だけを毎月ドコモに払っていたのだとか。

 「番号が変わっていないということは、MNP転出で回線だけ乗り換えられたのだと思います」

 いつのまにかMVNOか何かに転出して「俺のお陰で電話代が安くなったぞ、スゴかろ?」と母に自慢してる姿が目に浮かびます。

 そして、なぜか、私にはそれを言わなかった。父は生前、変なところで秘密主義だったことが思い出されるのですが、こういう時には残された者が困るのだと痛感し、頭を抱えました。

 ドコモスタッフが口を開きました。

 「ところで、スマートフォンの残債があと3回残っていますが、どうされますか?」

 「……どうされますか、とは?」

 「請求先のカードや口座が止まってご請求ができなければ、請求書が連絡先に郵送されます」

 「? 郵送しても誰もいませんが」

 「どなたかにお支払いいただくことになります。」

 「……」

 そうか。親族だったら結局あなたが払うことになるよ、と言いたいのでしょう。まぁ、そうでしょうね。集金する側なら。

 「分かりました、今、ここで残り分、全部払います。」

 端末代金の分割支払金は、亡くなっても帳消しにはならないのですよね。当然ですが。端末代金分割支払金額は……718円。残り回数3回で計2154円でした。もともと安価な端末、残り回数も少なかったことに安堵します……いや、iPhone 15 Pro Max(1TB)とか買う父でなくて良かったな、と(苦笑)。

端末代金分割支払金718円×残り3回分で2154円。支払いました。

 そして、私の手には、謎の回線契約がされた、残債のないスマホ(arrows Be4 Plus)が遺されたのでした。

 実家に戻ってから、父のスマホを開いてよく見ると「OCN」のアプリが入っていまして。確認してみたら「OCN モバイル ONE」に回線契約していることが判りました。初めから現物を動かし、よく見るべきでした。現在は、こちらで相続(継承)手続きを進めています。

 あ、そう、廃止ではなく、相続の方向です。というのも、どこか(povoあたりの)基本料金の安い回線にMNP転出してしばらく持ってもいいかな、という気がしはじめてきたからです。

 何かの拍子に、父に電話をかけてくる方がいるかもしれない……という気も少しだけしてきたので(分かりませんが)。