みんなのケータイ

細かな改善や機能向上が地味に良かった、「Pixel 9 Pro Fold」「Pixel Watch 3」「Pixel Buds Pro 2」

 発表前から楽しみにしていたGoogleの新型折りたたみスマートフォン「Pixel 9 Pro Fold」。25万円近い高額商品だけに、これを買ったらしばらくガジェット散財はお休み、と決めていたはずが、「Pixel 9 Pro Fold」に同梱されたGoogle ストア15%オフクーポンと付与されるストアクレジットを組み合わせていたら、あれよあれよという間に「Pixel Watch 3」と「Pixel Bus Pro 2」まで手元に揃ってしまいました。まあ、「Pixel Watch 3」は前モデルである「Pixel Watch 2」が不慮の事故にり破損したという金額以外の要因も大きいのですが。

Pixel 9 Pro Fold、Pixel Watch 3、Pixel Buds Pro 2と2024年のPixel新製品がそろい踏み

 意図せず2024年のPixelシリーズがそろい踏みし、しかも、すべての製品を前モデルから使っているという立場から、それぞれを使った簡単な使用感をご紹介したいと思います。

大きな変化はないが着実に使いやすくなったPixel 9 Pro Fold

 前モデルのPixel Foldから2連続のPixel 折りたたみスマートフォンとなるPixel 9 Pro Foldですが、良くも悪くも新しい驚きはなし。サイズの横幅が短くなって持ちやすくなり、スペックも上がってサクサク動作するようになったなど細かい改善はあるものの、前モデルのPixel Foldから大きな変化はそこまでありません。特にカメラスペックが前モデルからさほど向上していないことが変化を感じられない一番の要因でしょうか。

 とはいえ、変化がないことが駄目というわけではなく、細かな改善によって折りたたみスマートフォンとしては非常に使いやすくなりました。特にメインディスプレイにアプリを2つ表示して2画面スマートフォンとして使う時は、片方ずつが一般的なスマートフォンと同じ画面サイズになるためにアプリ表示も崩れず、2つのアプリを同時表示したもたつきもありません。

 折りたたみスマートフォンで一番期待する電子書籍については、ほとんどのアプリが不満なく動作するのですが、毎日のように起動している「ジャンプ+」だけが見開き表示にわずかな課題あり。「ジャンプ+」では見開きが「常に見開き」または「画面横向き時のみ見開き」から選べるのですが、Pixel Foldの時はそのまま開けば見開きになっていたのが、Pixel 9 Pro Foldでは画面を横に回転しないと見開き表示されません。しかたなく「常に見開き表示」にすると今度は折りたたんだ状態の横幅が狭いディスプレイで見開き表示されてしまって視認性が下がります。

 当面は、「ジャンプ+」をつねにディスプレイを開いて読むことで対処しているのですが、電車内など狭いところで見開きが難しい場面もあるため、ジャンプ+ビューワーの開発を担当されている株式会社はてなの方がいつしか改善してくれることを心待ちにしています。

ノイズキャンセリングと外音取り込みが大幅性能アップしたPixel Buds Pro 2

 「Pixel 9 Pro Fold」を購入すると付与されるストアクレジットの使い先、くらいにしか想定していなかった「Pixel Buds Pro 2」。一番期待していたのは「探す」機能に対応し、身の回りで見当たらなくなったときには音を出して探すことができるという点だったのですが、幸いにもいまのところ紛失はしておらず、まだ、この機能を発動する機会に巡り会えていません。できればこのまま一生この機能を使わないで過ごせるのが一番ではあるのですが。

 一方で想定外に良かったのがノイズキャンセリングと外音取り込み機能で、明らかに前モデルのPixel Buds Proよりも大幅に機能が向上しています。特に外音取り込み機能については、前モデルのPixel Buds Proではオンにしてもさほど外の音が聞こえず、結局イヤフォンを外して音を聞いていたのですが、Pixel Buds Pro 2はほとんどイヤフォンをしていないのと同じくらい外の音がしっかり聞こえます。他社製のイヤフォンを試せていないので他にもこのくらい性能が高い外音取り込みは他にもあるのかもしれませんが、個人的に今まで使ってきたイヤフォンの中ではトップクラスの性能でした。

性能が大幅向上したノイズキャンセリングと外音取り込み

 ノイズキャンセリングの効きも良く、先日入ったカフェで後ろの席が賑やかにおしゃべりしていたところで試してみたら、ほぼほぼ背後の音が聞こえなくなり、音楽に集中できました。さすがに無音部分では周りの音が聞こえるものの、音楽が鳴っていると騒がしいカフェでも周りが気にならないほど。いままでノイズキャンセルしても割と外の音が聞こえるからな、とほとんど使ってなかったのですが、Pixel Buds Pro 2にしてからはノイズキャンセリングを積極的に使うようになりました。

オフラインマップや充電スピード向上で使いやすくなったPixel Watch 2

 最初は購入予定ではなかったものの、Pixel 9 Pro Foldの15%オフクーポンとストアクレジットの還元額にも影響されて購入した「Pixel Watch 3」。カタログ上は前モデルのPixel Watch 2から大きな変化が感じられなかったため、見送り予定だったのですが、こちらも実際に購入してみるとよい驚きがありました。

 一番気に入っているのはGoogle マップのオフラインマップ機能。スマートフォン側で登録したオフラインマップをPixel Watch 3に同期することでナビ時の実表示速度向上を図ることができます。

 最初はオフラインマップなんて容量が大きくて使いものにならなそう、と思っていたのですが、試しにダウンロードしてみた東京近郊は数百MB程度、東京を囲む県を多少入れても1GB程度で収まります。Pixel Watch 3のストレージは32GBもあり、音楽を保存でもしない限り、相当に余裕があるので1GB程度ならさほど困りません。移動時にスマートウォッチのナビ機能は愛用しているので、少しでも表示速度が速くなるのはとても助かります。

東京都全域と周囲の県をかなり入れても2GB届かない程度。地図のヘビーユーザーとしてはアプリより嬉しい機能

 ディスプレイの大きさも地味に向上。41mmサイズは前モデルのPixel Watch 2と本体サイズはそのままにベゼルを小さくしたことでディスプレイの表示面積が向上。わずかな差ではあるのですが、毎日のようにPixel Watch 2を装着していた身からすると「大きい!」と一目でわかるくらいの差分がありました。前述の通り、地図表示をよく使う筆者にとって、少しでも表示面積が広げられるのはありがたい限り。

 充電スピードも向上していて、風呂の入浴時、起床から外出までのわずかな時間を使ってフル充電できるようになりました。筆者は睡眠時もデータ計測のため装着して寝ているのですが、満充電から起床までバッテリーは90%台でほとんど減らず、歯を磨いたり洗顔したりとしている間に充電しておけばフル充電できるので、充電待ちをほぼほぼ気にすることがなくなりました。

 期せずしてPixelシリーズ最新モデルがそろい踏みした筆者ですが、どの製品も細やかな改善が図られており、特にPixel Watch 3とPixel Buds Pro 2には事前にそこまで期待していなかった反動もあってとても満足度が高いです。さすがに来年は前モデル買い換えはないことを祈りつつ、今期はPixelシリーズに身を固めてスマートライフを堪能したいと思います。