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iPhoneで使える「StreamYardのゲスト」アプリ、配信に重宝しそう

 先日、CESに行っていた石川温さんと山根康宏さんとをつないで、YouTube配信用の録画をしていたときのこと。このときは録画でしたが、YouTubeでライブ配信などをする際には「StreamYard」を活用しています。

 CESでの収録も含め、3人ともStreamYardをモバイル端末で利用する際は、Android端末を利用するケースが多いため気がつかなかったのですが、iOS用に「StreamYardのゲスト」という専用アプリが3カ月ほど前からリリースされていたようです。

iOS向けに「StreamYardのゲスト」アプリがリリースされていた

 StreamYardには「ローカル録画」という、遠隔地をつないでの収録・配信時にそれぞれが使っているデバイスで映像と音声を保存しておき、そのデータをクラウドにアップロードする機能があります。「ローカル録画」を使用しないで収録・配信を行うと、データ通信の品質によって画質や音質が悪くなったり途切れたりすることもありますが、「ローカル録画」の場合、端末で録画した映像と音声をそのまま保存しておけるので、あとから動画を編集する際に、高品質なデータで編集できるわけです。

StreamYardには、リアルタイムでの送信とは別に、端末にも動画や音声を保存し、それをアップロードする機能「ローカル録画」がある

 当然ながらデータサイズは大きくなるのですが、録画したデータは録画日から最大90日までは使用した端末からアップロード可能。配信終了後に高速で安定したWi-Fiにつないでからアップロードもできます。また、録画中に途中でアプリが落ちたりしても、同じ端末から再アクセスすれば、落ちていたあいだだけは録画はできませんが、それ以外のデータはしっかりと残っていて、ちゃんとアップロードできます。

収録終了後にそれぞれがアップロードできる

 ちなみにCESの配信動画は、ローカル録画のデータを元に編集してあります。Chromeからの録画・録音になるので画質や音質は端末の性能にもより、石川さんはXperia PRO-I、山根さんはGalaxy S21 Ultraを使っていたそうです。

ローカル録画でアップロードされた動画は、それぞれダウンロード可能
エクスポートでは、それぞれの動画データがタイムラインをあわせて並べ動画編集ソフトのプロジェクトファイル形式でダウンロードでき、編集作業の手間を省けて便利

 と、ここまでが前段階としての話で、「StreamYardのゲスト」アプリに戻ります。iOS端末から配信するケースもあるかもと、使い勝手をチェックしてみるとなかなかに良い機能があります。

 まずiOS端末からStreamYardを利用する際は「Safari」を使うのですが、その場合は「ローカル録画」が利用できません。思うにStreamYardはそのためにゲスト用のアプリをリリースしたのかなと思います。

ローカル録画は「StreamYardのゲスト」アプリでないと対応していない

 また、Safariの場合基本的には外部マイクには対応しておらず、本体マイクでの録音となっていました。一方「StreamYardのゲスト」は外部マイクにも対応しています。これならワイヤレスマイクも使えそうということでテストしてみました。

iPhoneのSafariは外部マイクをサポートしていない
マイクの設定に「外部マイク」とある

 最初にテストしたのはRODEの「RODE Wireless GO II」。端末はiPhone 14 Proなので、端子はLightningです。受信機に公式アクセサリーの「SC15 USB-C-Lightning」を接続すると、問題なく外部マイクとして認識しワイヤレスマイクの音声を拾っていました。ちなみにこの接続時には、スマートフォンの音声は本体スピーカーから出力されます。

RODE Wireless GO IIと公式アクセサリーのケーブルなら外部マイクとして認識

 続いてテストしたのはUlanziの「AM18」。実は取材用の機材として「RODE Wireless GO II」を2年半ほど愛用してきて、今でも使い勝手や音質には満足しているものの、マイクのバッテリーがへたってしまい、満充電にしても1時間くらいしか動作しなくなってしまいました。なので先月あたりから「AM18」へと機材を切り替えています。

 AM18にはイヤホンジャック→Lightningのケーブルが付属していますが、このケーブルを使っても「StreamYardのゲスト」ではマイクとして認識しません。ちなみに標準カメラアプリでも外部マイクとして認識していないようです。何に使うケーブルなのでしょうか? またRODEのSC15を使っても認識しなかったので、SC15自体はRODE専用のようです。

AM18の付属ケーブルでは外部マイクとして認識せず

 そのためiPhone 14 Proに「Apple Lightning - 3.5 mmヘッドフォンジャックアダプタ」を装着し、3.5mmのピンケーブルでAM18に接続します。このとき使用するピンケーブルは、iPhone側が4極、AM18側が3極のタイプです。この接続ならAM18を外部マイクとして認識し、ワイヤレスマイクからの音声もちゃんと入力されました。

Lightning - 3.5 mmヘッドフォンジャックアダプタを使って、ピンケーブルでの接続ならマイクとして認識した

 ただしこの接続だとiPhoneからの音声を聞くことができません。ひとり語りの配信や収録ならいいのですが、ほかの人と遠隔地をつないでの配信・収録の場合は音声でのやりとりができません。

 そこで「Apple Lightning - 3.5 mmヘッドフォンジャックアダプタ」にイヤホンとマイクを分岐するケーブルをつけて、AM18とイヤホンをそれぞれに接続します。これでiPhoneからの音声も聞くことができ、さらに音声はワイヤレスマイクも使うという設定にできました。

イヤホンとマイクを分岐するケーブルを使えば、マイクもイヤホンも使えるようになった

 iPhone 15シリーズは接続端子がType-Cになったので、もうちょっと取り回しがよくなっているかも知れませんが、Lightning搭載のiPhoneでも外部マイクでStreamYardの配信・収録に参加できるのはかなりの改善です。

 ちなみにAndroidにはゲスト用のアプリがなくChromeからの配信となりますが、こちらはこちらで結構問題もあります。というのも端末によって、外部マイクが使えたり使えなかったりといった差が激しく、アップデートでいつの間にか使えないということも。

 できればAndroidにもゲスト用アプリが欲しいのと、ゲスト用アプリではコメント表示などの作業ができないので、外部マイクにも対応したホスト配信用のアプリをiOS、Android共にリリースしてほしいところです。