みんなのケータイ
SoftBank Airを導入 ソフトバンクとワイモバイルの両方でセット割引ができる?
【Airターミナル5】
2023年10月31日 00:00
料金プランの割引は家族割引とセット割が基本
今年は各社から新しい料金プランが発表された。6月にNTTドコモが「eximo」と「irumo」、8月にauが「auマネ活」プラン、9月にはソフトバンクが「ペイトク」を相次いで発表し、それぞれ順次、提供を開始している。
それぞれの料金プランの内容は、本誌の記事をご覧いただくとして、燃料費(電気代など)や人件費の高騰などを反映して、全体的に値上げの傾向にあるものの、それぞれにちょっとずつ方向性の違う料金プランになった印象。
個人的にはauの「auマネ活」プラン、ソフトバンクの「ペイトク」あたりがちょっと楽しみ。
各社の料金プランはいろいろと新しい取り組みをしているけど、基本的に以前から共通しているのは、割引サービスの内容。
ひとつは家族などの複数回線をまとめたときの「家族割引」、もうひとつは光回線などの高速インターネット(ブロードバンド回線)の契約を組み合わせた「セット割引」だ。どちらも月々1100円程度が割り引かれる。
あとは3社の自社ブランドのクレジットカードでの支払いで割り引く「カード支払い割」くらいかな。3社と契約しながら、支払い額を抑えるには、「家族割引」と「セット割引」の2つの割引の適用を受けたいところ。
筆者の場合、今のところ、NTTドコモとauについては、いずれも光回線でセット割引が適用されている。家族割引の方は元々、契約する回線数が多いので、こちらもひと通り、割引が適用中。
これに対し、ソフトバンクは回線数による家族割引が適用されているけど、高速インターネット回線とのセット割は適用されていない。
筆者宅の場合、筆者だけでなく、家族も仕事でインターネットを日常的に使うため、万が一のためのバックアップ回線という意味合いもあって、光回線はNTTドコモとauで契約しているけど、さすがに3回線目は要らないと考え(笑)、長らくソフトバンクはセット割がない状態が続いていた。
5G対応SoftBank Airはどう?
そんな中、以前から気になっていたのがソフトバンクの提供する「SoftBank Air」。いわゆる「ホームルーター」ですね。
これまでもImpress Watch Videoの「法林岳之のケータイしようぜ!!」で何度か取り上げて、実機を試したことがあったけど、昨年後半から筆者宅がソフトバンクの5Gエリアに入ったこともあって、導入を検討していた。
ソフトバンクのセット割引の名称は、「おうち割 光セット」。名称に「光」って入っているので、光回線だけのように誤解されがちだけど、SoftBank Airも対象。
割引額も対象の料金プランを契約していれば、永年で月額1100円が割り引かれる。対象の料金プランは最新の「ペイトク」や「データプランメリハリ無制限+」をはじめ、ここ数年のほとんどの料金プランで割引の適用が受けられる。
逆に、数年前まで提供していた「データ定額ミニ 2GB」「データ定額ミニ 3GB」などは、割引額が月額550円に抑えられている。筆者のように、複数回線を契約しているユーザーは、それぞれの回線で割引が受けられるので、効果は大きい。
SoftBank Airの導入を検討するもうひとつの理由は、自宅のネットワーク環境と切り離した高速インターネット回線が欲しいと考えていたため。
これは本誌の「本日の一品」コーナーで、auの「au 無線LAN STICK KTD31」を取り上げたときにも触れたけど、レビューなどで借りた端末でスクリーンショットを撮るとき、同じLAN上のデバイスの利用状況が見えたり、動作に影響が出ることもあるので、ネットワーク的にも切り離しておいた方が確実と考えたためだ。
SoftBank Airで提供される「Airターミナル」は、現在、5G対応の「Airターミナル5」が最新。
改めて説明するまでもなく、5G/4Gのモバイル回線を利用するため、光回線ほどのパフォーマンスは期待できないけど、筆者としては、自宅のネットワークとは切り離した回線が欲しいこと、セット割引が受けられることも目的なので、並みのパフォーマンスが得られれば、とりあえず、十分という考え。
端末の価格は「7万1280円」と、結構な金額だが、月月割として、1980円が36カ月にわたって、割り引かれるため、3年間、使い続ければ、「実質0円」になる計算。
スマートフォンでは端末購入と紐付いた月額割引は、数年前に廃止されたけど、Airターミナルは『データ通信端末』の扱いになるため、制限を受けない。
一方、料金プランの方は、ソフトバンクのWebページを確認すると、月月割やキャンペーンなどもまとめて試算されているため、ちょっとわかりにくいんだけど、「Air 4G/5G共通プラン」の月額5368円が基本料金。
ここから割り引かれるキャンペーンとしては「SoftBank Air ハッピープライスキャンペーン」ってのがあって、端末の「Airターミナル5」を一括払い、もしくは分割払いで購入した人は、12カ月間、月額2090円が割り引かれるというもの。つまり、最初の1年間は月額3278円で使えるというわけ。それ以降は本来の月額5368円に戻ってしまうけど。
また、ソフトバンクでの割引とは別に、ちょっと割安に購入できる方法として、チェックしておきたいのがAmazonの「SoftBank Air ソフトバンクエアー 事務手数料3,300円が無料になるエントリーコード」という商品。
販売価格は350円なんだけど、タイトル通り、契約事務手数料の3300円が不要になるうえ、キャッシュバックも受けられる。さらに、今年9月1日からは「Amazonキャッシュバック増額キャンペーン」でキャッシュバックが1万3000円分、増額され、合計3万円が戻ってくるという。
受信時100Mbpsオーバー、送信時20Mbps前後のパフォーマンスを記録
結局、筆者はAmazonで『エントリーコード』を購入することにして、購入後に指示されたURLから申し込み。
手続きは一般的な携帯電話サービスの契約とほぼ同じで、数日後には「Airターミナル5」が届き、開通手続きを行なった後、無事に使いはじめることができた。
ネットワークのパフォーマンスは時間帯によって違うものの、受信時で100Mbpsオーバー、送信時で20Mbps前後といったところ。端末とサービスは受信時最大2.1Gbpsだけど、筆者宅は5Gエリア内でもおそらく端の方なので、今後、エリアが拡大するのを待つしかない。
ネットワークへの接続は基本的に5Gで、時間帯や周囲の状況によって、4Gに切り替わってしまうこともある。4G接続になってもあまり気にしないけど、本体を再起動すると、再び5Gで接続されることが多い。
ただ、他の地域でも同程度のパフォーマンスが得られるかというと、そうでもなく、買ってみたものの、満足できる速度が得られず、お怒りのユーザーもときどき見かける。
こういうサービスって、結局、試してみないとわからないので、1~3月の新入学新社会人のシーズンへ向けて、かつてUQ WiMAXがやっていた「Try WiMAX」のように、ソフトバンクも「Try SoftBank Air」をやった方がいいかもしれません。
「おうち割 光セット」の手続きはどこ?
SoftBank Airは無事に接続できたけど、もうひとつの目的である「おうち割 光セット」はどうやって申し込むのか。
SoftBank Airを申し込むとき、自分のソフトバンクのメイン回線を登録したので、その回線と一括で請求されるすべての回線に対し、自動的に適用される……なんてことはあるはずもなく(笑)。
ただ、パッケージには「おうち割 光セット」をどうやって申し込むかの案内がなく、ちょっと戸惑ったけど、Webページをチェックしていたら、My Softbankの[契約・オプション管理]-[おうち割 光セット かんたん受付]から手続きができることがわかった。
ただし、この方法で手続きができるのは、SoftBank Airとソフトバンク回線(携帯電話)の契約が同一名義の場合のみで、名義が違う家族の回線は別途、ソフトバンクショップでの手続きが必要になる。
また、「おうち割 光セット」の申し込みは、同一名義であっても複数の回線を一括で手続きすることはできず、一回線ずつ、個別に申し込む必要がある。
通常は同一名義で何回線も契約している人はいないだろうけど、2回線契約なら、手続きも2回、必要なので、忘れずに申し込んでおきたい。手続きが完了すると、My Softbankの表示に加え、SMSでも受付完了のメッセージが送られてくる。
割引の適用は手続き日や請求締日などによって違ってくるけど、基本的には翌月から適用開始と考えておいた方が良さそうだ。
実はワイモバイルもセット割の対象になる?
SoftBank Airを導入後、契約するソフトバンク回線でひと通り、「おうち割 光セット」の手続きをしたけど、SoftBank Airはワイモバイル回線との組み合わせでも「おうち割 光セット(A)」として、割引が受けられる。
たとえば、家族のうち、お父さんやお母さんはソフトバンクを契約しているけど、安さ重視で子どもやシルバー世代がワイモバイルを契約しているようなケースでも同じように手続きをすれば、ワイモバイル回線でも割引が受けられるわけだ。
ただ、ソフトバンクとワイモバイルでは、割引サービスの建て付けが少し違う。ソフトバンクは前述のように、「新みんな家族割」と「おうち割 光セット」の両方が割り引かれる。これに対し、ワイモバイルは「家族割引サービス」と「おうち割 光セット(A)」のどちらか片方が適用されるというしくみ。
しかも「家族割引サービス」で割り引かれるのは2回線目以降なので、主回線は割引が適用されない。そこで、ワイモバイルの主回線で「おうち割 光セット」の手続きをすれば、割引の恩恵を受けられるわけだ。
また、ワイモバイルの「おうち割 光セット」の割引額は、料金プランによって違うの要注意点。10月3日から提供を開始した「シンプル2 S/M/L」では、「シンプル2 S」の割引額が月額1100円なのに対し、「シンプル2 M」と「シンプル2 L」の割引額は月額1650円と、かなり差がある。
ソフトバンクの「おうち割 光セット」よりも割り引かれるので、Softbank Airを導入したご家庭で、データ利用量が多い子どもなどが契約するのであれば、ワイモバイルの「シンプル2 M」と「シンプル2 L」を選ぶのも手かもしれない。
とまあ、そんなわけで、SoftBank Airを導入し、ソフトバンク回線とワイモバイル回線でひと通り、セット割の「おうち割 光セット」を申し込むことができた。
適用は11月以降なので、実際にどれくらいの金額が割り引かれるのかはまだわからないけど、両ブランドの割引額の合計で、「Air 4G/5G共通プラン」の月額5368円の半分以上は、取り返せる見込み。
しかしまあ、携帯電話サービスのソフトバンクとワイモバイルは別のブランドで、固定電話&通信サービスのソフトバンクも別サービスという扱いなので、いろんなものが整理されていないのがちょっともったいない。
携帯電話サービスに詳しいはずの知人もSoftBank Airの契約で、ソフトバンクとワイモバイルの両方が割り引かれるのをご存知なかった。もうちょっと内容や見せ方を整理して、お客さんにわかりやすく伝えていかないといけませんな、ソフトバンクさん。