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無駄なATMでの現金引き出しを避けるため、「BankPay」と「ことら送金」を使ってみた

 上京してからずっと、同じ銀行のメイン口座を使っている筆者。原稿料など各種報酬の振込はそちらの口座を使用しているのですが、それとは別の銀行で住宅ローンを組んだ関係で、支払い関連にはそちらの口座を使うという運用を長らく続けています。

 そこで問題になるのが、報酬が入った口座から支払口座への資金移動です。もちろん振り込みをすれば済む話なのですが、多くの銀行はインターネットバンキングであっても、他行間の振込には数百円程度の手数料がかかってしまいます。

 実は一定回数振込手数料がかからないようなインターネット銀行の口座も持っているので、そちらに報酬の振込先を移せばいいのでしょうが、なかなかそうもいかない事情があったりします。

 なぜならフリーライターという職業上、毎月定期的に仕事をしている会社だけでなく、年に1回、あるいは数年に1回程度仕事をする会社からも時折報酬が振り込まれることがありまして、実は取引先が数十社にも上っているからです。口座変更手続きのためにそれだけの会社に連絡をするというのはかなりの手間で、なかなか進められていません。

 そこで資金を移動する際には手数料を節約するため、一方の銀行のATMで現金を引き出し、もう一方の銀行のATMで預け入れる……という行為を繰り返してきたのですが、数十メートルの距離とはいえ現金をたくさん持ち歩くのは決して安全とは言えませんし、それ以前に非常に無駄が多い行為であることも確かです。

 そこで何とか安全で効率よく、なおかつ手数料をかけずにお金を移動する手段はないものか……ということで注目していたのが「ことら送金」。10万円以下の個人間送金を、スマートフォンのアプリから手数料無料あるいは低額で実現するもので、銀行間の送金も可能なので期待をしていたのですが、サービス開始当初は当初は筆者が持つ銀行が対応していませんでした。

 ですが2023年に入って対応する銀行が急増し、「BankPay」というアプリを使うことで筆者が使っている銀行も対応したことから、こちらを使ってみることにしました。以前平澤さんが執筆された記事を参考に、eKYCでの本人確認にはマイナンバーカードではなく最初から運転免許証を用いることで、登録から1時間程度ですんなり本人認証は完了しました。

銀行口座を登録して送金や決済が可能な「BankPay」アプリ。都市銀行から信用金庫まで多くの銀行口座に対応しており、「ことら送金」の利用も可能だ

 BankPayでことら送金するには、まず受け取り用の口座を設定し、続いて送金先を選びます。BankPayでは携帯電話番号やメールアドレス、またはスマートフォン決済の「J-Coin Pay」にも送金できますが、筆者の場合銀行口座への送金となるため「口座指定送金」を選びます。

ことら送金は銀行口座だけでなく、電話番号やメールアドレスを通じた送金、あるいは「J-Coin Pay」への送金も可能だ

 続いて金融機関を選び、口座や口座の種類、口座番号等を入力してから送りたい金額を入力し、送金すればOK。オンラインバンキングで振込をする時の操作に近く、オンラインバンキングに慣れている人なら問題なく利用できるでしょう。

ことら送金に対応する金融機関の口座情報を入力した後、金額を入力すれば送金はできる。インターネットバンキングの振り込みに近い感覚だ

 また実際に送金してみると、土日であってもすぐ口座に反映されるようで、振込のように週明けを待つ必要がなかったのもメリット。筆者が使っている銀行の場合手数料がかかりませんし、履歴から同じ送金先に何度も送信できるので、操作の手間もそれほどありませんでした。

実際に送金したところ。送金したのは土曜日だったが、即日に送金されるので週明けを待つ必要がないのはメリットだ

 ただもちろん注意点もいくつかありまして、ことら送金はキャンセルができないので、送金先を間違えるとお金が戻ってこない可能性があるようです。そしてもうひとつはことら送金の送金上限が1回当たり10万円、そしてBankPayの場合1日当たりの送金上限も10万円に設定されていることで、仮に100万円を送金するとなると10日かかってしまうことから、大きなお金の移動にはやはり向いていません。

 そしてもう1つ、送金できる銀行がまだまだ限られており、とりわけインターネット銀行がほぼほぼ対象外というのも残念なポイントといえます。とはいえうまく活用すれば手数料を大幅に抑えて銀行間でお金を移すことができるだけに、ことら送金が使える口座を持っている人でしたら有効活用したいところです。