みんなのケータイ

iPhoneを使って仕事道具を忘れた時の“うっかり”に備えてみた

 今月も再びパソコンの話から始まるのですが、先日取材にノートパソコンを持っていくのを忘れるという失態を犯してしまいました。

 取材でノートパソコンがないと何が困るかと言えば、取材中にメモを取れないこと。筆者はもともとプログラマーだったこともありキーボードを打つのはそれなりに早い一方、ペンで文字を書くのが苦手なので紙のメモは使いたくありません。かといってスマートフォンで文字を打つスピードもキーボードほど早くはなく、入力の漏れが生じてしまうことが多いので、やはりキーボードが使えるノートパソコンがないと困るのです。

 最近であれば、グーグルの「Pixel」シリーズのボイスレコーダーで録音した音声を自動で文字起こしできるようになったので、メモを取らなくても何とかなるようにはなったのですが、これも話す人や話し方によって精度に差が出るという難点があります。実際ノートパソコンを忘れた時の取材はPixel 7で録音しながら文字起こしを眺めていたのですが、誤変換で「ちがう、そうじゃない」ともどかしい思いをすることが少なくありませんでした。

 ただ過去を振り返ると、ノートパソコンをうっかり家に忘れてしまうことが年に1、2回くらいはあるのも確か。そして外でがっつり仕事をするならともかく、メモを取るだけなら、ノートパソコンがなくてもスマートフォンにBluetoothキーボードをつなげば済む話なのでは? と思い始めるようになりました。

 そこで、パソコンを忘れた時の予備としてBluetoothキーボードを用意することに。鞄に常に入れておけるよう、薄くて軽くてコンパクトなサイズのものはないか? と探してみて、最終的に選んだのが、ロジクールの「Keys-to-Go」というものです。

 Keys-to-Goは、iPhoneやiPad、Apple TVなどアップル製品向けのBluetoothキーボードで、薄型軽量ながらもタッチタイプができる最小限のサイズ感を実現しているのがポイント。キーピッチや打鍵感などはさすがに妥協が必要ですが、キーのクリック感はそれなりにありますし、何より常時使う訳ではないので十分実用レベルです。

ロジクールのBluetoothキーボード「Keys-to-Go」。iPhoneやiPadに向け、持ち歩いて利用することを前提としているため、コンパクトかつ薄くて軽いのが特徴

 他にも、充電端子がいまどきMicroUSB、アップル製品専用でAndroid端末に使い回せない、その割に値段が割高であるなど弱点は少なからずあるのですが、Pixel 7は録音用に使っていることからiPhoneで使うことを前提にすれば何とかなるだろうと判断、購入に至ったわけです。

実際に側面から見たところ。かなり薄いのが分かる

 キーボードが用意できたら、あとは書いた文章をクラウドに保存できればいいので、iOS版の「Word」なり「Googleドキュメント」なりを使えば最低限のことはできるのですが、1つ問題になったのが、仕事で書く文章は基本的にプレーンテキスト形式で保存していること。先に挙げたアプリではプレーンテキストの扱いが意外と難しいことから、別途、テキストエディタを用意することにしました。

 こちらも、いろいろ探してみて、良さげに感じたのが「LiquidLogic」というもの。パソコンで老舗のテキストエディタ「MIFES」を開発しているメガソフトが提供するiOS用のテキストエディタで、どちらかといえばプログラマー向けの機能が多いのですが、行番号が付いたり、文字のカウント機能があったりと、文章を書く機能も割と充実しています。

プレーンテキストの読み書きのため用意した「LiquidLogic」。パソコン向けテキストエディタで実績のあるメーカー製で、機能はかなり充実している

 加えて、アカウントを登録しておくことで「OneDrive」や「Googleドライブ」などに接続して直接ファイルを読み書きすることも可能。iPhoneで書いたテキストをクラウド経由で後からパソコンで開き、編集するといったことも簡単にできるのは安心感があります。

主要なクラウドサービスのアカウントを登録し、クラウド上のテキストファイルを読み書きできる。無料でも2つのアカウントの登録が可能だ

 これらを一通り活用することで、いざという時の備えはできたことから、今後はうっかりパソコンを忘れてしまった時でも安心です。無論、だからといって仕事道具を忘れていい訳ではないのですが……。

一連のセットを「iPhone 13 Pro」で使ってみたところ。実際に使ってみるといくつか制約はあるものの、いざという時の備えとしては十分だ
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