みんなのケータイ

ワクチン接種証明アプリ、引越後に過去の証明書をとっておくべき理由

【Google Pixel 7】

 新型コロナウイルスの「BA.4-5対応型ワクチン」いわゆるオミクロン株対応ワクチンの接種が始まり、4回目、5回目とワクチンを追加接種した方が増えてきました。

 接種したことを証明できる「接種証明書」は、接種券と同じ用紙に印刷されているもの(接種済証など)に加えて、自治体の窓口などで受け取れる紙の証明書、そしてマイナンバーカードを利用したスマートフォンアプリによるデジタルの証明書があります。

 海外へ渡航する方は英文の証明書が必要になるので、手間が少ないアプリの証明書が便利です。「全国旅行支援」を利用する場合や、病院やワクチンの接種時に過去のワクチン接種情報を確認する場面にも利用できます。

 接種証明書アプリは、追加接種しても自動更新されないので、筆者は接種後、早めにアプリ上で発行を受けるようにしています。

 ところで、引っ越しをすると、接種証明を発行しても、過去のワクチン接種情報が参照できない場合があります。

 たとえば、3回目の接種後に引っ越したらどうなるでしょうか。引越先で4回目のワクチン接種を済ませ、接種証明書をその引越し先の自治体で発行すると、「4回目を接種しました」という意味合いの証明書になるのです。つまり、引っ越しをしていなければ、1~4回目までに接種したワクチンの種類や接種日、ロット番号などがまとめった証明書になるのですが、引越後だと1~3回目の接種情報の記載がない証明書になるのです。

 これは、接種時の自治体が接種証明書を発行しているためで、1~3回目の接種情報は、当時住んでいた自治体を選択した上で証明書を発行する必要があります。

接種証明書
左が3回目接種時の自治体、右が4回目接種時の自治体を選択して発行した証明書。一見すると違いがわからないですが……
3回目接種時のものは、1~3回目まで過去の接種記録も確認できます
一方、4回目接種時のものは、過去の接種記録がありません

“歯抜け”の証明書で困るシーン

 一見、困ることがなさそうですが、いくつか懸念されるケースがあります。

 たとえば、ワクチンの追加接種の際、前回ワクチンを接種した日付や種類を記入または問診で確認される場面があります。接種券には、過去のワクチン接種情報が掲載されることが多く、通常であれば接種券を見ればわかる内容です。

 ところが、筆者のように引っ越しを挟むと、「引越し先」(4回目の接種券を発行する自治体)以外での接種記録は、(4回目の)接種券には記載されないので、接種証明を別途用意しておく必要があります。

 また、海外への渡航時、国や地域によってはワクチン接種または陰性証明が求められる場合があります。日本国内で接種できるワクチンは数種類ですが、世界を見ると数多くのワクチンがあり、指定されたワクチンを一定回数接種していることが求められます。

 この場合、「4回目に接種した日付や種類」の証明書だけでは、「1~3回目に接種した種類」がわからず、有効な証明書とならない場合があります。こうなってしまうと、国内であれば急いで陰性証明を取得するなどができますが、渡航先で発覚した場合、最悪入国できない可能性があります。

 特に、海外渡航時にアプリの接種証明を利用しようとしている方は、1回目からの証明書があるかチェックしてみるといいでしょう。

筆者の環境では、Pixel 7でマイナンバーカードを読み取る場合、カメラがある突起部の下あたりを目安に置くとうまくいきました