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Japan IT Weekで見つけた5Gデバイス

 2022年4月6日から8日まで東京ビッグサイトでJapan IT Weekが開催されました。香港在住の筆者ですが、現在日本に長期滞在中。せっかく日本にいるならばと、日本の展示会の取材にいくつか行っています。

Japan IT Weekで5G関係の取材を行った

 Japan IT Weekでは「第11回IoT&5Gソリューション展」が開催され、工場の自動化向けのIoTソリューションや5G機器の展示が行われていました。個人的にはインダストリー4.0などを追いかけているのでこの展示に期待したのですが、5G関係の展示がいくつかあったので紹介します。

 まずは京セラのローカル5Gソリューション。5G端末として法人向けの5Gルーター「K5G-C-100A」を展示していました。K5G-C-100AはルーターですがSnapdragon 865を搭載、2.6インチディスプレイを搭載したAndroidデバイスです。Android OS向けにアプリケーションを開発すれば本体にインストールして動作させることも可能です。

京セラのK5G-C-100A

 通信方式は5G NR(Sub6、ミリ波)と4G LTEでローカル5Gにも利用可能、NSAとSAに対応します(ローカル5GはSAのみ)。デュアルSIM対応で5G+4Gの同時待ち受けが可能です。5Gミリ波で高速通信中など本体が発熱するために内部には物理的な空冷ファンを内蔵しています。単体で内部処理が行えるため、エッジコンピューターとしても使用可能でIoTデバイス向けに適したルーターと言えます。

側面には廃熱用のスリットが見える

 ローカル5G向けのネットワーク機器はサムスン製の屋内用・屋外用機器を展示していました。5G NR SA方式のSub6とミリ波に対応します。O-RAN準拠で自由度が高く、ローカル5G導入の敷居が低くなるとのこと。京セラは導入検討、設計から実際の導入と構築、そして運用までトータルでローカル5Gをサポートします。

サムスン製のローカル5G向けネットワーク機器

 AM Telecomはクアルコムチップとサムスンチップの5Gモジュールなどを展示。産業用に5G対応CPEも製造しています。5GはSub6対応ですがオプションでミリ波にも対応できるとのこと。

AM Telecomの5G関連製品

 気になる存在はUSBドングルタイプの5Gモデム。開発中の製品ですが、5Gはミリ波対応も可能、SIMカード2枚を装着可能で、キャリアの5Gだけではなくローカル5Gにも利用可能。工場などでノートPCやデスクトップPCに装着すれば、どこでも高速通信環境を入手できます。個人のノートPCで5Gを使いたい場合は5Gルーターなどを使えばいいのですが、デスクトップPC用途なら個人向けもありかもしれません。

開発中の5G対応USBモデム。デュアルSIM対応

 組み込み機器用の5Gモジュールも、1年くらい前まではSub6対応品ばかりでしたが、今はもうミリ波にも対応したものが発売されています。モジュール大手のTelitやSIMComの製品が展示されており、スマートフォンでミリ波が普及するより先に、工場などのローカル5Gでミリ波が使われることが当たり前になるのでしょう。

Telitは豊富な通信モジュールを展示。FN980 M.2が5G Sub6とミリ波対応
Cathayが展示していたSIMComのSIM8300G-M2。ミリ波はn257、n285、n260、n261対応