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iPadOS 15.4の新機能「ユニバーサルコントロール」でiPadをさらに活用しよう!

 先日公開されたiOS 15.4アップデートでは、iPhone 12以降のFace IDがマスク着用時でも利用できるようになった。Face IDの新機能は、iPhoneのみでiPad Proには導入されなかったが、その一方でiPadOS 15.4とmacOS 12.3では新機能の「ユニバーサルコントロール」が実装された。ようやくだ。機能の発表から実装まで、長かった……

 ユニバーサルコントロールは、Macに繋いであるキーボードやマウスからiPadを操作できるようになるという連携機能だ。いちいち繋ぎ直したり切り替える必要はなく、「iPadがアプリごと、Macのウィンドウの一つになる」というイメージだ。

「ディスプレイを追加」には近くにあるiPadが表示される。ちなみに筆者宅には「近くにない」と判定されたiPadがあと2枚稼働している

 設定は、Mac側の「システム環境設定」の「ディスプレイ」から行なう。「ユニバーサルコントロール」をオンにして、iPadをディスプレイとして追加し、使用形態を「キーボードとマウスをリンク」に切り替える。

 これ、接続しても見た目は変わらないが、マルチディスプレイを使うように、設定されたiPadの方向にマウスカーソルを移動させると、そのままマウスカーソルがiPadに表示される。マウスカーソルがiPad側に表示されている状態だと、キーボード入力はiPad側に出力される。

自動再接続をオンにしておくと、スリープから復帰すると自動的に再接続する

 Mac側でMagic Trackpadを使っていれば、2本指スワイプのスクロール操作はもちろん、3本指/4本指スワイプでマルチタスク操作などマルチタッチのジェスチャーも使える。

 MacとiPadは、同じWi-FiにつながっていればOKだ。ただ、ちょっとだけラグがあるので、カーソルの追従とか文字入力時には微妙に気になる。エディタ用途でiPadを使うというのにはちょっと不向きかもしれないが、動画閲覧や情報表示がメインで、たまに検索ワード入力するくらいであれば、とくに問題はない。

この位置にiPadを設定したいのだけど、どうにも現状は不可能なようで、数秒で左下に移動してしまう

 なおこのユニバーサルコントロール、現段階ではベータ版という位置付けで、挙動が怪しいポイントがいくつかあったりする。

 たとえば筆者のメイン環境では縦配置と横配置の2つのディスプレイをL字型に配置しているが、なぜかiPadをL字の内側に配置することができない。筆者の家のディスプレイ配置だと、iPadを本来の位置に設定できず、直感的な操作ができない状態だ。

 自宅でパソコンを使っているとき、タブレットなどのモバイル機器は充電するだけ、という人は少なくないと思う。しかしパソコンのディスプレイ周辺にタブレットを置けるようにしておけば、タブレットをモバイル環境だけでなく、パソコン使用時にも使える。使える場面が増えるということは、そのデバイスの価値が増えることでもある。

筆者のメインデスク環境。散らかっているように見えるかもしれないが、きわめて整理されている状態である(当社比)

 筆者は、パソコン(Mac mini)に大きめのディスプレイを繋いでいるが、そのディスプレイの下に配置したiPadで動画や株価などのアプリを使っている。筆者はこの環境で毎日何時間も作業するが、その作業中、この2枚のiPadはほぼ点灯しっぱなしだ。いずれもちょっと古いものの高価な12.9インチiPad Proだが、元を取れていると思う。

 筆者の場合、ユニバーサルコントロール実装以前からMacとiPadを併用していたので、メインディスプレイをアームで高めに固定することで、iPadをタッチ操作しやすく配置している。しかしMacBook利用者などは、タッチ操作しやすい位置にiPadを配置できない人は、このユニバーサルコントロール、試して欲しい新機能だ。