みんなのケータイ

VRゲームをやり続けて健康的になったけど、やりすぎているかもしれない件

Vitalityのアプリ。このアプリでウェアラブル機器のデータを吸い上げてポイントを獲得する

 2年ほど前にもネタにしたが、住友生命の「Vitality」という保険を契約し、2年が経過した。日々の運動や健康診断で保険料割引などの特典を得られるという保険商品だ。

 「Vitality」ではApple Watchなど指定のウェアラブル機器で計測した日々のアクティビティからポイントが付与される。具体的には1日に「1万2000歩」「平均心拍数60%以上で60分間の運動」「平均心拍数70%以上で30分間の運動」のいずれかを満たすと、その日の満額ポイントが取得できる。通勤通学などの歩数で稼いでも良いし、何かのスポーツを習慣にしても良い。

毎日、歩数か心拍数でポイント獲得していく

 週に4〜5日くらいのペースで満額ポイントを獲得していると、各種クーポンや割引、キャッシュバック、そして保険料割引率アップなどの特典が得られる。これをモチベーションとして健康的な運動習慣を継続しよう、という保険商品だ。

 保険会社とはいわば、「わたしが病気になると損する」という利害が一致する唯一の他人だ。保険会社は膨大な統計データをもとに、どうすれば顧客が病気にならず、保険料を支払わずに済むかを分析し、保険商品を設計している。理屈の上ではだが、保険会社の言う通りにしておけば病気になるリスクを軽減できる、そう筆者は考え、毎日一定量の運動を習慣としている。

 まぁ運動と言っても、筆者の場合は「Beat Saber」という身体を動かすタイプのVRゲームなんだけど。この種のVRゲームは、自宅内でそこそこ激しい運動ができて、そもそもゲームなので楽しみながら継続しやすい。筆者はこれをほぼ毎日、保険を契約する1年くらい前から継続している。もう3年目だ。

 このおかげで、身体も少し変わってきて、健康的になったと思う。

DXA法の身体測定。X線を使う測定方法なのでかなり正確

 もともとガリガリだった筆者の体型は相変わらずガリガリだが、(糖質脂質は制限しているが)食事やオヤツを増やして体重を増やしても、体型は維持されている。昨年の人間ドックでDXA法により計測した体脂肪率は15%くらいだったので、ガリガリだが筋肉は増えて、健康的になったと思う……たぶん。

 簡単な食事制限もやっているので、健康診断の数値も変化していて、タイミングによってはLDLコレステロール値と中性脂肪値が基準以下になる。LDLコレステロール値が基準値外だと、Vitalityで健康診断のボーナスポイントが得られないので、場合によっては健診前に卵などの高コレステロール食品を多めに摂る必要があるが、これらの数値が高いよりも健康的だと思う……たぶん。

(左)現在の安静時心拍数。とくに昨年11月ごろから低く安定してきている。Apple Watchはこういう数値が継続測定されるのが楽しい
(右)VRゲームを日課にする前、安静時心拍数は60bpm以上あった。普通の運動不足オジサンスペックである

 心肺機能が強化され、安静時心拍数は54bpm前後になった。VO2Maxは45前後を維持している。心拍数は横になったりすると50bpmを切ることもあるので、健診では異常値(徐脈)扱いになったりするが、アスリートに見られるスポーツ心臓に近い状態なので、健康的だと思う……たぶん。

(左)最近のVRゲーム時の計測データ。筆者の最大心拍数の60%は105bpmなので基準ギリギリ
(右)VRゲームを始めて1年目くらいは平均心拍130bpm超えも当たり前だった

 そして筋肉と心肺機能が鍛えられ、VRゲームにも慣れてしまったおかげで、運動をしていても心拍数が上がりにくくなってきた。同じVRゲームでも、2年前は平均心拍数70%以上を達成できていたが、現在はいろいろ負荷を増やしても平均心拍数60%を超えないこともあり、Vitality保険のポイント稼ぎに困るようになってきた。運動不足だった頃に比べると、健康的になったのだと思うが、こればかりは困ったことでもある。

アディダスのグローブ型ウェイト。汗を吸うインナーグローブを併用しないと3カ月くらいで中学校の剣道防具みたいな臭気を発する

 最近は運動中の心拍数を上げるために、両手にウェイトを着用してVRゲームをプレイしていたりする。Apple Watchなどリスト型ウェアラブルは普通のリストウェイトだと使いにくいので、アディダス製のグローブ型のウェイトを愛用している。腕を全力で振り回してもズレないので、VRエクササイズに最適だ。

上腕に装着できるApple Watch用バンド。個人的には肘近くの方が上腕二頭筋の影響を受けにくいのでラク

 しかしこの手のグローブ型ウェイトは、500gくらいまでの製品しかない。負荷が500gだけで物足りないときは、追加のリストウェイトも使えるよう、Apple Watchを上腕に取り付けられるサードパーティ製バンドも使っている。上腕での付け心地は手首に劣るが、リストウェイトを併用するときには最適だ。

ウェイトの多重着用。最初のウォーミングアップ中だけこうしておいて、心拍数が上がったらリストウェイトだけ脱ぎ捨てたりする

 VRゲームでの運動習慣は自宅内で済むのでステイホームが捗るし、天候などに左右されないので毎日の習慣にしやすい。筆者のような運動不足の中年にオススメしたい……ところだが、やりすぎには注意が必要だし、筆者自身、ちょっとやりすぎているとも自覚している。

 今更だが、ウェイト着用でのVRゲームプレイは関節への負荷が大きいので、よほど負荷が足りないとかでない限り、ウェイトは着用しない方が良い。筆者は一時期、右肩を痛めて整形外科に通っていた。いまは理学療法やピラティスにより姿勢や関節の動かし方を改善したので問題ないが、そうしたケアができないと身体を壊す。

 毎日、そこそこ強度の運動を継続しているおかげで、心肺機能が鍛えられるが、そのおかげでVitality保険のポイント獲得に必要な運動強度がどんどん上がっていくというのは、健康なのかもしれないが、身体、とくに関節への負担は注意が必要だ。心肺機能は鍛えられても、関節は鍛えられない。

 筆者はもともと運動不足だったので、運動を習慣化できたことで健康にはなったと思う。しかし今後は運動しすぎで身体(というか関節)を壊さないよう、気をつけていきたい。