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Xperia 1 IIIが世界最速で香港に登場、しかし発売元は意外な国だった

【Xperia 1 III】

 日本で人気のXperiaシリーズですが、海外でも少しずつ人気を高めています。2019年2月に「Xperia 1」を発表して以降、製品の絞り込みやわかりやすいモデル名を付けたことがその理由でしょう。最新フラッグシップモデルの「Xperia 1 III」も海外では高い前評判を受けています。そのXperia 1 IIIが(おそらく)世界最速で発売された国は意外なところでした。

海外でも前評判の高いXperia 1 III

 筆者の居住する香港では6月頭にXperia 10 IIIが発売になりました。ちなみにXperia 10 IIIは海外でもソニー人気の高い台湾で5月下旬に発売になりましたが、最近では香港でも人気が高まっているということもあってかほぼ同時期の発売となりました。そのXperia 10 III発売のわずか数日に今度はXperia 1 IIIが突如あらわれたのです。

6月2日に香港で発売になったXperia 10 III

 とはいえこれは香港発売品ではなく、海外からの輸入品。香港の「スマホ屋ビル」の輸入ショップに6月7日にXperia 1 IIIの輸入第一弾が到着しました。筆者もすぐにさわってみたかったのですが、入荷初日はメディア関係者などが撮影に訪れるほどの人気。翌日も夜に再訪したのですが前の撮影チームの撮影が伸び、実機に触れるまでやや待たされるほどでした。香港でもXperia 1 IIIへの注目はかなり高くなっています。

香港に入荷したXperia 1 IIIをさっそく触ってみた

 輸入品のXperia 1 IIIのプリインストールアプリを見ると「あれ? なにか違う」とすぐに感じました。普段見慣れたアプリがありません。グーグルサービス(GMS)が入っていないのです。実はこのXperia 1 IIIは中国大陸からの輸入品とのこと。なんと台湾や香港、そして日本よりも先にXperia 1 IIIが中国国内で発売になっているのです。

GMS非搭載の中国大陸モデル

 中国のソニーのサイトを見ると、Xperia 1 IIIの価格は256GBモデルで8499元(約14万6000円)と高価です。iPhoneやGalaxyの上位モデルと変わりません。また中国では中国国内のスマートフォンメーカーの力が圧倒的に強く、アップル以外の海外メーカーは太刀打ちできない状況になっています。そんな市場にもかかわらずソニーが高価格なXperia 1 IIIを世界に先駆けて投入するとは驚きでした。

 たぶん中国ではハイエンドモデルをあえて早い時期に投入し、価値のわかるユーザーに真っ先に知ってもらおうという戦略なのでしょう。Xperiaファンを増やし、またソニーのデジカメユーザーに興味を持ってもらうためには「数よりも価値」の戦略が効果的。たとえばPhotography Proは高性能化したXperia 1 IIIのカメラ性能を限界まで引き出すことができます。画素数や望遠倍率で争うのではなく、カメラのそのものの使いやすさが受ければ中国でもXperiaユーザーは少しずつ増えていくかもしれません。

 香港在住の筆者は日本の発表会に参加できず、Xperia 1 IIIの実機を触るのは今回が初めてでした。高級感ある仕上げに十分なパフォーマンス、カメラの使い勝手の高さはXperia 1シリーズもここまで完成度が高まったのか、と驚きました。このXperia 1 IIIをすぐに買えるとは中国の消費者がうらやましいと思ったくらいです。日本はもちろん香港でも発売される日が待ち遠しいと感じました。