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プロ野球ファンの筆者は2021年シーズンをどうやって楽しむべきか?

 筆者はプロ野球チームの横浜DeNAベイスターズのファンだ。今年のシーズンはベイスターズにとって、チーム事情的にも“キツい”シーズンだが、それでも選手達が元気にプレイする姿を毎試合楽しみにしている。

我らが横浜スタジアム。昨年は1度しか行けなかった……

 プロ野球ファンであれば、ひいき球団の試合をどうやって追いかけるか重要な問題だ。行けるなら球場で応援したいが、毎試合球場に行くのは大変だし、ましてや今年は観客数制限や無観客試合もある。やはりテレビや配信サービスで安定的に試合を視聴するのが定石だ。

 とくにネット配信サービスは、有料チャンネルと比べると比較的安価で、スマートフォンやタブレットがあればどこでも視聴できる。

 また、ネット配信になったことで、かつてはめったに中継のなかった球団でも、いまでは“毎試合”生中継を楽しめる。実はここ、マイナー球団のファンには大きな進化だったりする。

パ・リーグは生配信サービスが充実

「ベースボールLIVE」アプリ。マルチアングルなどはテレビ中継を超えた体験だ

 パ・リーグ球団のファンであれば、困ることは何もない。パ・リーグ6球団の合弁会社「パシフィックリーグマーケティング」が提供する「パ・リーグTV」(月額1045円)、ヤフーのスポーツナビ内で提供されている「ベースボールLIVE」(月額508円のYahoo!プレミアム会員)、Rakuten TVの「パ・リーグSpecial」(月額702円)のいずれかに加入すれば、パ・リーグ全球団の主催試合が視聴できる。

 このなかでもヤフーの「ベースボールLIVE」は、これだけのためにYahoo!プレミアムに加入しても安いくらいのサービスだが、さらにポイント優遇や「週ベ」を含む雑誌読み放題サービスなどなど、さまざまなサービスが付いている。

 ソフトバンクモバイルの回線契約があれば、無料でプレミアム会員となれるので(LINEMOはダメ)、知らないあいだに視聴権利を持っていた、という人も少なくないだろう。

 ヤフーのライブ配信は、「スポーツナビ」でも視聴できるが、こちらには今シーズン、有料の応援機能も追加されている。いわゆる「投げ銭」機能だが、ここで投じられたお金は、ヤフーからパシフィックリーグマーケティングを経由し、各球団に支払われる。

 ベースボールLIVEのアプリではマルチアングル配信にも対応していたりと、セ・リーグファンの筆者からすると、パ・リーグは羨ましいくらいにいろいろ充実している。

一方のセ・リーグは、球団/シーズンごとに異なる

 一方のセ・リーグの試合は、試合を主催する球団ごとにどこで視聴できるかが変わってくるので、どの球団の試合を見たいかによって選択肢が異なってくる。

 ちなみにここで取り扱うのは、2021年シーズンのことだ。どこでどの球団の配信があるかなどは「毎シーズン異なる」ので注意しよう。

 まず、すべての球団の主催試合を見ようとするなら、スカパーのプロ野球セット(月額4483円)になる。有料のテレビチャンネルだが、専用アプリが用意されていて、スマホでも視聴可能だ。しかしちょっとコストが高めなので、かなり気合いが入ったファン向けと言える。

「DAZN」は幅広い球団の試合を中継してくれるが、カープが欠けてるのが不便すぎて……

 コストパフォーマンスを考えつつ、幅広い球団の試合を見たいなら、「DAZN」(月額1925円)だ。広島東洋カープの主催試合以外を配信している。

 カープ以外のセ・リーグ球団ファン以外であれば、大雑把に言うと「セ・パ交流戦をのぞく全試合の1/5のカープ戦のさらに半分のカープ主催試合、つまり1/10が視聴できない」となる。これだけ見られれば十分だろう。

 あとは球団ごとに、より安価に視聴する手段が用意されてるパターンもある。

直結チューナーは持っておくと移動時や災害時にも活躍する。自宅ならnasneみたいなWi-Fiチューナーも便利

 読売ジャイアンツの主催試合は、「ジャイアンツLIVEストリーム」(月額1650円)か「Hulu」(月額1026円)でも視聴できる。前者はファンクラブ割り引きがある「ガチファン仕様」で、後者は日テレ系の総合配信サービスなので野球以外もいろいろ視聴できる。

 しかしそもそもジャイアンツの主催試合はたいてい日テレ系列で放送されるので、テレビなり外付けチューナーなりがあればたいてい無料で視聴できる。さすがジャイアンツである。

 阪神タイガースの主催試合は、「虎テレ」(月額660円)で視聴できる。こちらはタイガース公式のサービスで、視聴者参加型コンテンツ「熱狂メーター」などガチファン向けのサービスだ。

 ジャイアンツ主催試合も視聴できてこの価格なので、セ・リーグの中ではかなり恵まれている。さすがタイガースだ。

 中日ドラゴンズは専用のサービスがないので、その主催試合を見るなら、前述の「DAZN」か「J SPORTSオンデマンド」となり、それ以外に安価な配信サービスはない。

 なんかこの保守的な感じにドラゴンズっぽさを感じるのはナゼだろう。

ニコ生もかつては複数球団が主催試合を提供していたのだが、現在はベイスターズのみ

 我らが横浜DeNAベイスターズの主催試合は、「Paravi」(月額1017円)と「ニコニコ生放送」でも配信されている。ニコニコ生放送は無料で視聴可能だが、ベイスターズの中継はニコ生でも人気のチャンネルで、安定して視聴するには有料のプレミアム会員(月額550円)が必須だ。

 しかし安価だし、なによりニコ生のコメントが楽しいので、ベイスターズ主催試合だけでいいならニコ生はオススメだ。ベイスターズは毎シーズン、どこで配信するかが変わってる感じだが、親会社がDeNAだけあって、ネット配信には積極的かつ挑戦的だ。

 東京ヤクルトスワローズは、忘れられがちだが「フジ・メディア・ホールディングス」の資本が入っているので、フジテレビオンデマンドの「フジテレビONE」(月額1100円)でも配信している。

 しかし、フジテレビの無料チャンネルや系列のニッポン放送でめったに主催試合が放送されないのは、スワローズ頑張れ、という感じである。

 広島東洋カープの主催試合を広島県外で視聴するには、「J SPORTSオンデマンド」(月額1980円)が、カープと中日ドラゴンズ、横浜DeNAベイスターズの主催試合を配信しているので、カープファンはDAZNよりこちらの方が良いだろう。

 ちなみにこのサービスでも、必ず地上波放送のある広島県内でカープの試合を視聴することはできない。さすが広島、さすがカープである。

ベイスターズファンの筆者の楽しみ方

 ベイスターズファンの筆者は、昨年まではDAZNを利用していたが、今シーズンはニコニコのプレミアム会員に加入して主催試合を視聴しつつ、そのほかの試合はradikoでラジオ中継を聴取している。

「radiko」は野球中継との相性抜群。過去の試合もオンデマンドで聴取できる

 ここまで長々と映像中継について書いてきたが、実はプロ野球はラジオ中継も使いやすい。まず野球は競技の特性上、音声だけでも試合の状況が伝わりやすい。映像中継の音声を聞くだけだとダメだが、ラジオなら特殊技能を持つアナウンサーが、音声だけで1球1球を理解できるように実況してくれる。

 音声だけでOKなので、移動中や家事作業中、ゲーム中などの「ながら聴取」でも試合を楽しめる。ラジオというとテレビに劣っていると思われがちだが、「ながら」の便利さでは、ラジオの方がはるかに使いやすい。また、動画よりも通信量が少ないので、モバイル環境でも安定し、「ギガ」消費も少ないのもポイントだ。

 そして地方球団の主催試合はほとんどの場合、地元のラジオ局が中継してくれる。これには例外があり、セ・リーグではスワローズとベイスターズの主催試合は基本的にラジオ中継されないが(関東の各局はジャイアンツとライオンズ優先なのだ)、筆者はベイスターズの試合はニコニコで視聴するので、これもあまり問題はない。スワローズ主催試合はほぼあきらめているが、神宮球場が自宅徒歩圏内なので、いざというときは球場に行きやすかったりする。

 現在地で放送されていない遠隔地のラジオ局を聞くには、月額385円の「ラジコプレミアム」が必要になるが、安価なので気軽に加入できる。ほかの映像中継の配信サービスを利用していても、それに加えてラジコプレミアムにも加入しておけば、加入している映像配信サービスが中継していない試合を聴取したり、「ながら」で試合を楽しんだりできて便利だ。

 プロ野球ファンにとって今シーズンは球場に行きにくいシーズンとなるので、テレビやネットの中継はより重要になってくる。自分のひいきチームに最適な環境を整え、快適なプロ野球応援シーズンを送ろう。