みんなのケータイ

水深40mまでOKのケースを装着し、Galaxyで海中写真を撮ってきた

【Galaxy S10】

 スマホで海中撮影&ダイビングログを実現する「DIVEROID」という製品を買いました。

 専用のアプリをインストールして、水深40mでも使える防水ケース「UNIVERSAL PRO」にセット。海の中で物理ボタンを使って画面を操作し、写真&動画撮影ができるというものです。

 さらに外付けのダイブコンピューター「DIVEROID MINI」をBluetoothで接続して、写真と一緒に潜った時間や深さなどを記録することもできます。

「DIVEROID」で撮影中の筆者。ケースにはライトやストロボも付けられます

 クラウドファンディングで入手して春先にはもう手元にあったのですが、コロナ禍でダイビングの予定がことごとくキャンセルになってしまい、テストができずにいました。

 今シーズンは無理かと半ば諦めていたところ、先日チャンスが巡ってきて試すことができました。

 一般的にダイビングで海中撮影をする際には、カメラの形状にあった防水かつ耐圧性能の高いケース=ハウジングを使用します。以前は多くのカメラメーカーがオプションとして用意していましたが、今ではメーカー純正のハウジングが買えるカメラは、ごくわずかになってしまいました。

 ハウジングを作っている専門メーカーもありますが、たいてい小ロットなので高額です。簡単には買い換えられないため、筆者はこれまでカメラが壊れても、ハウジングにあわせて同じものを中古で入手して使っていました。

 「DIVEROID」が優れているのは、サイズさえあえば幅広い機種のスマホで使えること。専用アプリを使用するほか、ある程度はサイズの調整も可能なので、機種変にあわせてハウジングを新調する必要がありません。ずっと使えるハウジングなんてまさに夢のようです。

 ただ、一方で疑問も浮かびます。なぜタッチ操作のスマホを物理ボタンで操作できるのか、スマホによって異なるカメラにどう対応しているのか……。今回テストしてみて、そのあたりの謎がクリアになりました。

スマホ用の防水ケース「UNIVERSAL PRO」。5つの丸い部分は金属で中のスマホの熱を外に逃がす役割をするとのこと。手前の丸いのが「DIVEROID MINI」です
背面には物理ボタンが3つ。このボタンで専用アプリの画面をタッチして、操作するしくみです。スマホはバネ式のホルダーで固定。多少のサイズ調整もできます

 「DIVEROID」の使い方は簡単で、まずは専用のアプリをスマホにインストールします。なおアプリは最新の「DIVEROID 2.0」が、App StoreおよびGoogle Play ストアに公開されています。

 インストール後ユーザー登録をすれば、準備は完了。アプリを起動したら、機内モードに切り替えた上で、外付けのダイブコンピューターのボタンを押してBluetooth接続し、「UNIVERSAL PRO」の中にあるクリップ式のホルダーにスマホを挟んで固定します。

 この固定した状態で正面の透明なウインドウ部分にカメラが出る機種で、かつホルダーにボタンが挟まらい機種であれば、結構幅広いスマホで使える模様。ホルダーにさえ挟めれば、ケースやガラスフィルターを着けたままでもセットすることができます。

 ちなみにアプリの起動中は、画面が暗くなることはあってもスリープすることはありません。あとはハウジングのフタをしっかり閉じてドボンと海に飛び込めば、ダイブコンピューターがログを記録しはじめ、カメラが使えるしくみです。

 背面にある一番上の物理ボタンで、モードを超広角、広角、ズーム(マクロ)の3段階に切り替え可能。真ん中のボタンは短く押すとシャッター、長く押すと動画撮影になります。感覚を掴むまでは、シャッターを切るつもりが録画が始まってしまったりして困りましたが、これは慣れでなんとかなりそう。

 一番下のボタンでは青味が強く出る水中での色合いを補正する、補正フィルターをオン、オフになっています。

 アプリでは物理ボタンがだいたい画面のどのあたりに当たっているかで、どのボタンが押されているのかを認識しているようで、多少ボタンの位置がずれてもちゃんと機能します。今回はHUAWEI P30 ProとGalaxy S10の2機種で試したのですが、どちらでもボタンが認識されました。

 ただしカメラのモードの切り替えは機種によっては注意が必要なようで、HUAWEI P30 Proでは超広角、広角、ズームがそれぞれ、カメラの広角、ズーム(5倍)、ズーム(10倍)に割り当てられてしまいました。どうやらこのアプリのモードは、カメラの基本的なズームの切り替えに依存するようです。

 Galaxy S10のカメラは超広角、広角、ズーム(2倍)の3段階の切り替えなたので、アプリでもちゃんと超広角、広角、ズーム(マクロ)を切り替えることができました。

 水中で超広角の写真を撮りたいとき、コンパクトデジカメの場合は通常、ハウジングにワイドコンバージョンレンズと呼ばれる外付けのレンズをつけるのですが、そこからマクロ撮影に切り替える場合は水中でレンズを着脱する必要があります。その点スマホなら、ワイドもマクロもモードを切り替えるだけでいいので、めちゃくちゃ手軽です。

ワイド作例
マクロ作例
ダイブコンピューターはダイビングの記録だけでなく、減圧症予防のための安全停止時間などを知らせてくれる大事な役割を果たすもの。スマホの大きな画面だと数字も見やすいです

 実際に撮影した写真も、カメラマンの腕は横に置いておいて、なかなかいい感じだと思いました。何より写真がダイビングログに紐付いているので、潜ってからどのくらいの時間に、どのくらいの深さで撮ったのかわかるのがおもしろいです。

 もちろんスマホなので、撮った写真は陸に上がってすぐにSNSなどでシェアすることもできます。

アプリの画面。スタートを押すとダイブコンピューターとつながって画面が切り替わります。撮影した写真は潜った深さなどのデータとともに記録されます

 普段のスナップではすでにそうなっていますが、これからは海中写真もスマホで撮る時代が来ちゃうかもしれません。

 ただ問題は、海で使用するだけに常に水没のリスクがつきまとうこと。まぁそれはカメラでも同じなのですが、スマホの方がよりダメージが大きい気がします。

 今回は水深18メートルくらいまでだったので大丈夫でしたが、さらに深く潜ったときにどうか。またスマホのカメラによっても撮れる写真が違ってくると思うので、安心してダイビングを楽しめるようになったら、ほかのスマホでも試してみたいと思います。