みんなのケータイ

ソフトバンク5GをSIMカードのみで契約してみた

【HUAWEI P40 Pro】

 今年3月末から各社が順次、提供を開始した5Gサービス。コロナ禍の影響もあり、当初、各社が目論んでいたようなスタートを切ることはできず、各社の決算会見などを見る限り、端末の販売もあまり芳しい状況ではない。

 とは言え、5Gサービスを契約すれば、NTTドコモとauはデータ通信量が実質的に無制限になり、ソフトバンクも動画SNS放題のうえに、50GBのデータ通信量が付いてくるため、テレワークやリモートワークで、データ通信量が増えているユーザーからは興味を持たれているようだ。

HUAWEI P40 Proに装着するが、外出が少ないので、あまり活躍する機会がない

 そんな各社の5Gサービスだが、各社のサービス内容が発表された当初から、ちょっと気になっていることがある。

 そのひとつが5Gの契約に5G対応端末の購入が条件となっていることだ。

 もともと、国内の各携帯電話会社は、これまでも新規契約をするとき、基本的に端末の購入を条件としていて、SIMカードのみの契約には利用端末の店頭への持ち込みなど、いくつかの手続きが必要とされていた。5Gサービスの契約でもこの条件を踏襲したということのようだ。

 しかし、2019年の電気通信事業法改正も含め、国内のモバイル業界は「回線契約と端末販売は分離する」方向で進んでいるはず。

 にも関わらず、5Gサービスを契約するとき、5G対応端末の購入が基本条件になっているのは、どうなんでしょう? 各携帯電話会社は「5G対応端末を店頭に持ち込んでいただければ、契約できます」という主張をするんだろうけど、このご時世に「店頭に来てください」ってのもねぇ……。

 SIMカードのみで契約した5G回線が動作しないっていう事態を避けたいんでしょうが、もうちょっと工夫が欲しいところです。

 そう考えると、総務省は端末販売割引の些細な差額を熱心に追求するより、本来、こういう原則的な方針に合わない制限に着目し、必要に応じて、各社をご指導いただくことが大切だと思うのですが、いかがでしょうか?

 さて、前回の本コーナーの記事でも少し触れたように、5Gサービスの契約に、5G対応端末の購入が条件だった状況は変わり、ソフトバンクが同社のオンラインショップで、SIMカードのみでの5Gサービス契約の受付を開始した。

ソフトバンクオンラインショップでSIMカードのみを契約すると、SIMカードのほかに、「SIMカード単体ご契約のお客様」という書面などが送られてくる

 そこで申し込んでみることにした。5GサービスのSIMカードのみの契約がどういう手続きなのかを知りたかったし、個人的に購入したファーウェイの5G対応SIMフリースマートフォン「HUAWEI P40 Pro」を試してみたかったからだ。

 申し込みの手続きは簡単で、ソフトバンクオンラインショップのページを表示し、[購入機種の探す]を選ぶと、一覧に[SIM]という項目がある。

 次に、[機種変更][新規契約][のりかえ(MNP)]を選ぶ画面になり、今回は[新規契約]を選び、年齢は[20歳以上]を選んだ。受け取り方法が[自宅等での受け取りになります]になっていることを確認し、[利用するSIMを確認する]へ。

ソフトバンクオンラインショップで申し込むとき、SIMカードのみを選ぶと、その先に「SoftBank 5Gをご利用になりますか?」という選択肢が表示される

 続いて、[お使いになる機種を選択してください]は[Android]を選ぶが、[機種の購入先を選択してください]は[ソフトバンク]と[その他]が選べる。

 筆者は家電量販店で購入したHUAWEI P40 Proなので、[その他]を選んだが、ソフトバンクが販売する5G対応スマートフォンの中古品(まだほとんどないだろうけど)などを入手したときは[ソフトバンク]の方を選ぶことになる。

 どちらを選んだ場合も端末のIMEI番号の入力が求められるが、5G対応端末かどうかは確認していないようで(そもそもできない)、実在する端末のIMEI番号であれば、4G対応端末などのものでも次の手順に進むことができる。

 そして、次はSIMカードの画像が表示され、[SoftBank 5Gをご利用になりますか?]と表示されるので、ここは[利用する]を選択。

 次の画面に進むと、今度は料金プランを選ぶことになる。

 ソフトバンクの場合、5Gも4Gと共通で、「メリハリプラン」と「ミニフィットプラン」の2つの料金プランを提供しているけど、通常は「メリハリプラン」を選ぶ。

 なぜかというと、ミニフィットプランは月額4980円だが、段階制のデータ通信量が2GBを超えると、メリハリプランと同じ月額8480円になってしまうためだ。

料金プランは「メリハリプラン」と「ミニフィットプラン」から選ぶ。このページ内に見積額も表示される

 ただし、筆者は他にもNTTドコモ、au、ソフトバンクの5G回線を持っているうえ、この回線はテストで使うのみなので、少しでも料金の安い「ミニフィットプラン」を選んだ。

 料金プランやオプションサービスの選択などが完了したら、次は料金の支払いや本人確認書類のアップロード、連絡先メールアドレスの入力などをすれば、申し込みは完了。ちなみに、本人確認書類の提出は、申し込み完了後に送られてくるメールに記載のリンクから登録することもできるようだ。

 さて、そんな手続きを経て、筆者の手元にSIMカードが宅配便で送られてきたのは、申し込み完了から2日後。

 早速、SIMカードを台紙から取り外し、HUAWEI P40 Proに装着。APNは出荷時に「Softbank 4G シンプルスタイル」という項目があり、それを選べば、動作するはずだが、念のため、別途、「SoftBank 5G」という項目を作成して、利用している。

 実際のパフォーマンスを……と書きたいところだが、残念ながら、ソフトバンクの5Gサービスのエリアに出向くことがほとんどなく、今のところは4Gで接続しつつ、実際にはほとんど自宅なので、Wi-Fiネットワークにしか接続していないのが実状。

 たまに外食するときなどに持ち歩くくらいで、まだ5Gサービスの本領を体験するシーンに恵まれていない。心配されたミニフィットプランのデータ通信量の段階制ももっとも少ないレベルで済んでいる。

 HUAWEI P40 Proについては、ご存知の通り、GMS(Google Mobile Services)には対応せず、独自のHMS(Huawei Mobile Services)対応なので、いろいろと面倒が多いものの、何とかサブ端末として、利用できる環境は整っている。

 たとえば、地図はNAVITIMEが対応していることから、乗り換えルートなどもすぐに検索ができ、Gmailも標準のメールアプリやACCESSが開発した「CosmoSia」というメールアプリで対応できている。

 もちろん、サブ端末として利用している面もあるが、不自由を感じながらもある程度、使えているというレベルだ。カメラについては、相変わらず、業界トップクラスなので、写真を撮る楽しみはある。もっとも出かけられないけど……。

 気になることもいくつかある。たとえば、最近、「新型コロナウイルス接触確認アプリ(COCOA)」が何度か話題になっているけどHUAWEI P40 ProはGoogle Playストアに対応していないため、インストールできない。こうした公的なサービスのアプリがインストールできないのは、ちょっと厳しい。

 また、現在は新たに契約したソフトバンクの5G回線のSIMカードを利用しているが、ソフトバンク回線を管理するための「MySoftBank」は、アプリが利用できないため、ブラウザでの利用に限定されている。

標準で設定されている「Softbank 4G シンプルスタイル」というAPNとは別に、MMSの情報などを追加した「SoftBank 5G」という項目を作成した

 ソフトバンクのサービスやYahoo!のサービスに欠かせない「PayPay」もアプリがダウンロードできないため、これも利用できない。

 GMS非対応で、いろいろなアプリが利用できないことはわかっていたが、公的なサービス、あるいは各携帯電話会社の主要サービスや契約に関するアプリなどが利用できないというのは、ちょっと残念な状況だ。

SoftBankオンラインショップ
最新機種の情報をチェック