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ファーウェイ、3眼「P40」、4眼「P40 Pro」、5眼「P40 Pro+」発表

P40シリーズを手にするコンシューマー・ビジネス・グループのCEO、リチャード・ユー氏。ファーウェイの端末部門を率いる

 ファーウェイは、5G対応のスマートフォンの新機種「P40」シリーズを発表した。それぞれ搭載するカメラの数が異なるほか、P40とP40 Pro/Pro+はディスプレイサイズや、フロントカメラのスペックに違いがある。

 P40(メモリ8GB、ストレージ128GB)は4月7日に発売され、799ユーロ(約9万6000円)。P40 Pro(8GB+256GB)も4月7日発売で999ユーロ(約12万円)、P40 Pro+(8GB+512GB)は6月発売で1399ユーロ(約16万8000円)。

 ひとまず本記事ではそのスペックがわかるプレゼンテーションでの主だった場面を紹介、随時加筆していく。

大サイズセンサーを採用、ワイドや望遠も

 もっとも大きな特徴となるカメラは、「P40」がトリプル(3眼)、「P40 Pro」がクアッド(4眼)、そして「P40 Pro+」はペンタ(5眼)となる。

機種カメラ(MPはメガピクセル)
P403倍光学ズーム(8MP、80㎜、f2.4)
ウルトラビジョンワイド(50MP、RYBBセンサー、23㎜、f1.9)
ウルトラワイド(16MP、17㎜、f2.2)
色温度センサー(8カラーチャンネルマルチスペクトラム)
P40 Proウルトラワイドシネ(40MP、18mm、f1.8)
ウルトラビジョンワイド(50MP、RYBBセンサー、23㎜、f1.9)
5倍光学望遠(12MP、RYBB、125㎜、f3.4)
色温度センサー(8カラーチャンネルマルチスペクトラム)
ToFセンサー(深度測定)
P40 Pro+ウルトラワイドシネ(40MP、18mm、f1.8)
ウルトラビジョンワイド(50MP、RYBBセンサー、23㎜、f1.9)
10倍光学望遠(8MP、240㎜、f4.4)
3倍光学望遠(8MP、80㎜、f2.4)
ToFセンサー(深度測定)
色温度センサー(8カラーチャンネルマルチスペクトラム)

 P40には3倍光学望遠(ズーム)カメラ、P40 Proには5倍光学望遠カメラ、P40 Pro+は3倍と10倍の光学望遠カメラが用意される。一方、P40にはToFセンサー(深度測定)がない。

 P40 Pro/Pro+に搭載される50MP(5000万画素)カメラは、RYYB(Red、Yellow、Yellow、Blue)センサーを採用。RGBセンサーと比べて40%多く光を取り込めるという。そのサイズは1/1.28インチで、先代のP30 Proの1/1.7インチより大型化。競合他社のGalaxy S20+(1/1.76インチ、RGGB)、iPhone 11 Pro Max(1/2.55インチ、RGGB)と比べても大型のセンサーであることをアピールする。

 写真撮影時のISOは、P40 Pro/Pro+で最高409600、P40で204800というスペックを達成。数値が大きいほど、暗い場所であっても、より明るく撮影できることを示しており、競合他社よりをはるかに上回るスペックだという。

 また世界初の要素として、オクタフォトダイオード(Octa PD)のオートフォーカスを採用しており、暗い場所でもよりスピーディに焦点をあわせられる。

 XD Fusion Image Engineと呼ばれる画像処理エンジンでは、撮影した写真を、被写体やそのシルエット、表面、背景を分離して解析する。これにより、色味やディテール、ボケ効果などをより適切に調節して、1枚の写真として仕上げる。

 こうした効果により、ユー氏はP40シリーズのカメラ機能が「ベストなセンサー、ベストなオートフォーカス、ベストなAIによるホワイトバランス、そしてベストな画像処理エンジン」という組み合わせになり、24時間いつでも最高の写真を楽しめると説明。iPhoneなどライバルの製品との作例を比較して、その性能を強く印象づけた。

 ズーム機能もP40シリーズのカメラの特徴のひとつ。光学ズームでは、P40で3倍、P40 Proで5倍、P40 Pro+は3倍と10倍という2つのカメラを搭載する。

 デジタルズームとの組み合わせとなるハイブリッドズームではP40 Proは10倍、P40 Pro+は20倍を達成。デジタルズームだけであればP40 Proは最大50倍、P40 Pro+は100倍となり、プレゼンテーションでは最大ズームでも被写体の姿がわかる様子が示された。

ズームの例。これは1倍
10倍
100倍

作例(プレゼン中継のスクリーンキャプチャ)でのカメラ性能紹介

AI機能を生かした撮影

 AIによる処理を生かし、スポーツをしている人など、動きのある被写体を撮影すると、被写体となる人の大まかな骨格を判定して、ベストな瞬間を切り取った一枚を推奨してくれる。

 また複数の人が写っている場面に対して、カメラを見る被写体のみ残し、ほかの人を自動的に削除する機能、ガラス越しに撮影する場合にガラス上の映り込みを削除する機能も用意される。

フロントカメラとジェスチャーコントロール、顔認証

 ディスプレイ上部には、横長のパンチホールが設けられ、3200万画素のフロントカメラ、IR(赤外線)の深度・ジェスチャー検知カメラ、環境・近接センサーが配置されている。

 このうちフロントカメラはP40の場合、固定焦点(FF)、P40 Pro/Pro+はオートフォーカス(FF)となる。IRカメラを使ったボケ効果も実現し、4Kサイズでよりクオリティの高いセルフィ―を撮ることもできる。

 IRカメラは顔認証にも用いられ、暗い場所でもロックを解除できる。またジェスチャー検知にも役立つ。

動画撮影もパワーアップ

 2019年9月に発表されたMate 30 Proでは、動画撮影機能として、4Kサイズ、60fps、HDR+、リアルタイムボケ効果、ISO51200、最高7680fpsのウルトラスロー撮影などがサポートされていた。

 今回のP40 Pro/Pro+では、4000万画素の動画用カメラでその性能を踏襲しつつ、さらに指向性のオーディオズーム撮影、長距離ズーム撮影などをサポートする。暗い場所でも、より明るく撮影できるほか、P30 Proで実現していた月を写真で撮影できる機能のように今回は動画で月を撮影できるようになった。

 またデュアルビュー撮影により、広角での動画撮影とクローズアップした撮影を同時に行える。

Mate 30 Proでの動画機能
P40シリーズでの動画機能

ディスプレイと狭額縁

 P40は6.1インチ、P40 Pro/Pro+は6.58インチの有機ELディスプレイを採用する。

AIアシスタント

 Hey Celia(ヘイ シリア)と呼びかけることでAIアシスタントを起動できる。

MeeTime

1080pのビデオ通話「MeeTime(ミータイム)も用意される。

Huawei Share

ファーウェイのデバイス間でシェアで写真やファイルを共有できる。

ファーウェイ独自のアプリストア

 リチャード・ユー氏は「過去10年、GMSを使ってきた。米国の企業に収益をもたらした。よい関係だった。しかし昨年から新端末で使えないことになり。HMSを代替的なソリューションとして提供する」と説明。

 4億以上のMAU(月間アクティブユーザー)、130万のデベロッパーが存在しているとした同氏は、消費者に最良の体験を提供すると語る。

 P40シリーズもHMSでアプリ環境が整えられる。

 グローバルおよび各国ごとのアプリ提供企業との関係構築に注力しているとのことで、発表会の中では英国メディアのアプリなどが紹介された。また動画、音楽で利用できるサービスも紹介された。

主な機能

項目P40P40 ProP40 Pro+
大きさ71.06×148.9×8.5mm72.6×158.2×8.95㎜72.6×158.2×9㎜
重さ約175g約209g約226g
ディスプレイ6.1インチ有機EL
2350×1080ピクセル
6.58インチ有機EL(90Hz駆動)
2640×1200ピクセル
防水防塵IP53IP68
チップセットKirin 990 5G
メモリ8GB
ストレージ128GB256GB512GB
バッテリー3800mAh4200mAh
対応周波数
P40P40 ProP40 Pro+
5Gn1、n3、n28、n38、n41、n77、n78、n79n1、n3、n7、n28、n38、n41、n77、n78、n79n1、n3、n28、n38、n41、n77、n78、n79
4G1、2、3、4、5、6、7、8、9、12、17、18、19、20、26、28、32、34、38、39、40、411、2、3、4、5、6、7、8、9、12、17、18、19、20、26、28、32、34、38、39、40、411、2、3、4、5、6、7、8、9、12、17、18、19、20、26、28、34、38、39、40、41

 3機種いずれも5Gに対応。チップセットはKirin 990 5G。OSはAndroid 10ベースのEMUI 10.1となる。防水防塵性能をサポート。

 EMUIの機能であるマルチウィンドウは、画面横から呼び出して利用できる。一方の画面でコピーしたテキストを、もう一方のアプリにペーストするといった使い方もできる。

Kirin 990 5Gを採用
AIパフォーマンス
消費電力の違い

 Wi-Fi(IEEE802.11a/b/g/n/ac/ax)、Bluetooth 5.1をサポート。現在地の測位はGPS、Glonass、BeiDou、Galileo、QZSS、NavICを利用できる。NFCにも対応する。

 3機種ともにデュアルSIMモデル(SIM×2とeSIM)が用意される。P40とP40 Proについてはスペック表でシングルSIMモデル(nano+eSIM)も存在することが紹介されている。デュアルスタンバイもサポート。5Gはプライマリー側のみ対応する。セカンダリーのSIMスロットはファーウェイ独自の外部メモリカードであるNM Cardとの排他利用になる。

 カラーはシルバーフロスト、ブラッシュゴールド、ディープシーブルー、アイスホワイト、ブラックの3色。P40 Pro+のみホワイトセラミック、ブラックセラミックの2色。

 P40 Proではスペシャルエディションのギフトボックスが用意される。P40向けのオリジナルケース、P40 Pro向けのゲーミング用ケース、水深10mまで楽しめるようにするスノーケリングケースも紹介された。