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香港のSmarToneで5Gを追加契約、DSSで5Gエリアを拡大

 5月10日に香港で中国移動香港の5G契約をした話を前回書きましたが、その後別のキャリアでも5G契約を行いました。筆者がメインに使っているSmarToneが5月26日から5Gを開始したのでメイン回線も5Gに切り替えたのです。日本では5Gの使えるエリアはまだわずかですが、香港は各社ともにエリアを広げているため5Gがかなり使えるものになっています。

SmarToneでも5Gを契約

 SmarToneの5Gネットワークはエリクソンのインフラを使っており、広告でもエリクソンの名前が使われています。エリクソンが提供するDSS(ダイナミックスペクトラムシェアリング)を採用し、5Gのカバレッジが広いことを一般消費者にも大きくアピールしているのです。なおSmarToneのDSSは2.1GHz帯(LTEバンド1、NRバンドn1)に導入されています。

 DSSは、まだ導入国が少なく、実際にどの程度速度が変わるかを試してみました。なお「周波数の組み合わせによる速度の差」や「同じ周波数での速度差」といった技術的なテストではありません。あくまでもSmarToneで5G契約して、それを街中で使ってどう感じるかの体験です。

 香港のビジネス中心地、セントラルエリアで通信速度を試すと下りは300Mbpsでした。もうちょっと出るものと思いましたが、コンスタントにこの速度が出ているとYouTubeの動画視聴も画質は落ちず、動画の先送り操作などもストレスを感じません。なお電波は5GのNRバンドn78(3.5GHz)に接続していますが、NSA方式なのでLTEのバンド1なども同時に掴むEN-DC(デュアルコネクティビティー)接続となります。

5G NR接続で300Mpbs

 この交差点から10mほど歩き、歩道に屋根のある場所へ移動しました。アンテナピクト部分の5G表記はそのままですが、接続状況を見るとNRのn1に接続、すなわちDSSでLTEのバンド1をシェアしている状態です。

屋根の下ではDSSでNR n1に接続

 ここで速度テストをすると下り速度は40~50Mpbsでした。SmarToneの保有する周波数の帯域は、n78に対してn1は狭く、LTEとシェアしますから同じ5Gでも通信速度は落ちてしまいます。画面でみるYouTubeの画質はあまり変わりませんが、時間を飛ばして先を見ようとすると一瞬止まるなど300Mbpsの時より劣ります。

DSS環境化では40~50Mpbsだった

 さてNRとLTEで電波をシェアしているなら、LTEでも同じくらいの速度が出るのかと考えてスマートフォンのネットワーク設定から5Gをはずして4Gで接続しなおしてみました。その結果は20~30Mpbs。数回繰り返してこの速度だったので、この場所でのLTEの速度はNRに比べて半分程度ということです。

LTEではさらに速度が落ちる

 DSSによる5GのNR接続はLTEとあまり速度が変わらないとも言われています。検証した時は周りに5Gユーザーがほとんどおらず、4Gの回線が込み合っていたかもしれません。しかしひとまず実際にスマートフォンを使ってみたところ、画面に「5G」表記が出ているのであれば4Gより高速、という結果となっています。今後SmarToneの5G SIMを使い、さらに検証してみたいと思っています。