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世界中からマスクが輸入される香港で5G契約、自宅で5Gの電波が入った

香港で5G契約、自宅でも5Gがはいった

 2020年4月1日から香港では3つの通信事業者が5Gサービスを開始しました。4月下旬に香港に戻り、14日間の自宅待機(外出禁止)期間を過ごしたあと、外出解禁となった初日、5月10日にさっそく5Gの契約を行ってみました。

 筆者が香港を離れたのは実は2月16日。中止になったMWCがらみでヨーロッパ出張へ行ったあとは仕事もありずっと日本に滞在していました。日本ではマスク不足がいまも深刻ですが、2月の時点で香港の街中はマスクがあふれていました。特にタイ産のものが多く、自由貿易港ならではの利点を生かして、世界中からマスクが輸入されていたのです。

世界中のマスクが輸入されているのは香港ならでは
毎日マスクで外出の必需品「マスクケース」も売られている

 5月10日も繁華街(モンコック)を歩くと薬局の前にはマスクが大量に積まれていました。目立っていたのはベトナム産や韓国産。相変わらず安定的にマスクが供給されています。街中を歩く香港人もマスク着用率はほぼ100%。すでに気温が30度弱、湿度も80%以上が続く夏の香港ですが、2002年末~2003年に全土を襲ったSARSの教訓もあり、暑さの中でもみなマスク着用を当たり前のものとして受け止めています。筆者もその当時は毎日マスクをつけて日々街中を歩いていました。

 さて香港ではCSL、3HK、China Mobile Hong Kong(CMHK)の3社が5Gを開始しています。香港では最新技術の導入ではCSLが常にリードしていましたが、4G以降は他社も追いつき、5Gに関してはCMHKが中国大陸の親会社、China Mobileの資金力と技術力をバックに香港でも積極的な展開を行っています。筆者はメイン回線に5G未開始のSmarTone、サブ回線にCMHKを持っていたので、そのサブ回線を5G契約にしてみました。

CMHKで5Gを契約することにした

 CMHKの5G契約は毎月30GB、100GB、200GB、300GBの4つのプランがあります。それを超えると速度制限がかかりますが使い放題。30GBプランは1Mbps、それ以上のプランは5Mbpsです。超過分は5GB/30香港ドル(約400円)。さらに中国マカオローミングデータも付与されます。さらに、6月末まで200GBの無料ボーナスがもらえます。24カ月契約の料金は30GBで約2700円、100GBで約4100円です。

プラン料金
30GBプランHK$198/月(約2700円)、中国マカオ3GB
100GBプランHK$298/月(約4100円)、中国マカオ6GB+通話100分
200GBプランHK$398/月(約5500円)、中国マカオ10GB+通話200分
300GBプランHK$498/月(約6900円)、中国マカオ20GB+通話300分
CMHKの5Gプラン

 5Gスマートフォンも一緒に買うと割引されます。日本のようにSIMロックは無く、通信キャリアはあくまでも「メーカー端末を販売」するだけ、すなわち量販店だろうがキャリアだろうが、どこでも「定価」で売られています。その定価販売のスマートフォンをキャリアは2年契約などで割引するのです。

 筆者が買ったのはファーウェイの「P40」。定価は4988香港ドル(約6万9000円)ですが、2年契約割引で4288香港ドル(約5万9000円)に割引。複数の端末を常に持っていますから、価格重視で選びました。

ファーウェイの5G端末を持っていなかったこともあり、P40を購入

 5G契約は夜だったこともあり、旧契約からの切り替わりは翌日。さっそく街中に出てみると、繁華街ではほぼ5Gに繋がり通信速度も300~500Mbpsと快適。バスに乗って時速50キロくらいで走っている車内でも高速でつながるなどなかなか快適です。ただ5Gの売りの「ギガ」接続はできず。最大でも600Mpbsでしか繋がらず、速度が抑えられているのかもしれません。

バスの車内からも400Mpbsオーバー

 とはいえ韓国の1年前や、日本での「特定の場所でしか繋がらない」「動くとすぐに切れてしまう」という状況ではなく、5Gにつなげながら歩き回っても切れることがないのは優秀です。

 このように街中のカバレッジに優れたCMHKの5G。とはいえ室内での入りはまだ期待できません。自宅に戻って机の上にP40を置きましたが、5Gが入らないんだから室内では使わないでいいや、と思っていたのです。

 ところがふと画面を見ると、アンテナピクトの横に「5G」の文字が見えます。いやいや、そうはいってもこれは真の5Gではなく4Gだろ、すなわちNSA(Non Stand Alone)方式の今の5Gで、「5G NR + 4G eLTE」接続ではなく、eLTEだけに繋がって画面には5Gと表示されていると思ったのです。

 ところが設定からネットワーク状態を見るとLTEとNR、どちらにも電波強度が表示されています。つまり「5G NR + 4G eLTE」、5Gに繋がっている状態なのです。我が家は日本で言えば6畳一間(バストイレキッチンも入れて6畳くらい)の狭い家。机のすぐ横は窓です。

机の上に置いたP40、アンテナピクト横が「5G」になっている

 スピードテストでは下り200Mbpsを超えました。LTEでは20Mpbs程度鹿出ませんから、やはり5Gにつながっているようです。一方、上りの速度が5Gでも4Gでも全く出ていないのが気になるものの、これは我が家が奥まった位置にあることが関係しているのか。実は我が家は携帯回線しかネットワーク環境がないのです。メイン回線の4G(データ定額)とCMHKの5G・100GBを併用しながらこれから快適なネット生活を送れそうです。

5G NRに接続している。