dアカウントの「パスワードレス認証」を設定、生体認証だけでログイン

　スマートフォンのサービスを利用していくうえで欠かせないのが、IDとパスワード。セキュリティリスクを考えると、サービスごとに異なるパスワードを設定した方がいいですが、そうなるとパスワード管理が煩雑になるため、ついついパスワードを使い回したり、パスワード管理ソフトで対策したり……スマホを使う上では、欠かせない問題です。

dアカウントのパスワードレス認証。発表会での展示

　そんな中、ドコモが「2019-2020年冬春モデル」の発表会で、dアカウントの「パスワードレス認証」を発表しました。これは、dアカウントに設定されているパスワードを無効化して、対応端末の生体認証で本人確認を行うというもの。パスワードを覚えていなくても、指紋や顔などを利用して簡単にログインできます。

　3月24日から提供が開始されたため、筆者も試してみました。対象機種は、2015年夏モデル以降のAndroidスマートフォンとTouch ID、Face IDに対応するiOSデバイス。筆者はドコモ回線のSIMを入れた「iPhone 11」で、その回線に紐づいたdアカウントを設定してみました。

　設定はiPhoneであれば「dアカウント設定」アプリから。アプリ自体の設定と、端末の生体情報の登録が済んでいれば、簡単に登録できます。

dアカウント設定でのパスワード無効化設定

　アプリの「パスワード」の項目から「パスワード無効化設定」に進み、順に進めていけば、すぐにパスワードが無効化されます。進めていく中での注意事項として「My docomo」アプリへの影響が案内されており、パスワードレスを設定すると、データの自動更新、ウィジェットの更新ができないようです。利用されている方はご注意ください。

　パソコンなどからログインする場合は、設定をした端末を利用してログインします。IDを入力すると、「設定済の端末で認証」と表示され、設定をした端末で認証すると、他の端末からログイン可能です。つまり、生体情報を登録した端末が“鍵”になる訳です。

他の端末からログインする場合

他の端末からIDを入力すると「設定済の端末で認証」と表示

設定済み端末で認証をするよう求められる

登録済み端末には通知がくる

リクエストを許可すれば、他の端末でログインできる

　同じ設定画面から、パスワード無効化の解除を行うこともできます。解除完了すると、利用していたパスワードが再び利用できるようになります。パスワード自体が削除されるわけではないようです。

　dポイントクラブ会員であれば、無料でWi-Fiサービスを使える「d Wi-Fi」の開始を機に、dアカウントを取得した方もいらっしゃると思いますが、パスワードレス認証を利用できるのはドコモ回線と結びついたdアカウントのみなので注意が必要です。

　筆者もパスワード管理ソフトを利用していますが、管理ソフト自体のパスワード漏洩リスクを考えると、各パスワードを記憶していた方がベターです。とはいえ、それは現実的ではないので、パスワードのような知識ベースの認証自体が不要になる取り組みを各サービスで普及させて欲しいです。