みんなのケータイ
データローミング通信料金が1/3になった! と思っていたら
2019年10月11日 06:00
先日、ひょんなことからスイスへと一週間ほど仕事で出かけることになった。
めったにないことなので、ここは現地でSIMカード、あるいはスマートフォンそのものを現地調達しよう、などと考えていたのだが、現地ではほとんど自由時間のないタイトなスケジュール。国内で使っているキャリアのローミングサービスを利用することにした。
と、ここから先のお話は、海外渡航が多い人にとってはよくご存じの内容で、本誌でも既に多くの記事で海外渡航のノウハウやローミングサービスが紹介されてきたが、筆者のような海外渡航の少ない人に向けて、あえて(ちょっとした失敗談を含みつつ)ご紹介する次第だ。
さて、ざっと調べてみたところ、3キャリアとも、1日2980円で海外でのデータ使い放題サービスを展開していることを知った。ドコモでは「海外パケ・ホーダイ」、ソフトバンクでは「海外パケットし放題」、auでは「海外ダブル定額」といった名称だ。
そして、auには、1日980円の「世界データ定額」という名前のローミングサービスがあることもわかった。
パソコンのテザリングでもしない限り、日に1GBを使うようなことはまずない。しかも2980円×7日間(2万円超)だとしたらかなり懐が痛む。それに、日本時間を常に気にしていないといけないとしたら、ストレスが増えるだろう。
そう考えて、渡航中はauの世界データ定額を使うことに決めた。事前準備はデータチャージサービスに加入しておくだけ。
飛行機に乗り、お約束どおり全スマートフォンとタブレットは機内モードをオン。現地空港では、今回ローミングを使うことに決めたau回線の「Galaxy S8」以外の機内モードを素早く解除しつつ、[設定]から[ローミング]をオフにした。もちろん、Galaxy S8ではローミング、テザリング(Galaxyでの名称は「Wi-Fiテザリング)オンに設定。
ここまで終わると、Galaxy S8の番号宛てにSMSが届く。「この国では世界データ定額がご利用いただけます」という案内だ。ローミングをオフにしていたソフトバンク端末やドコモ端末にも同様のSMSが届いていたが、今回使うのはauだけ。スピードテストをしたい、という誘惑をぐっとこらえて無視を決め込んだ。
SMSに記載されているURLにアクセスし、ブラウザに表示されたページから「利用開始」をポチッとすれば、ローミングデータ通信がはじまる。
なお、「2980円」のサービスはどれも日本時間に縛られるが、980円のこちらは利用開始時点からかっきり24時間。とても得をした気分になる。しかも、「au STAR会員」なら、1回は無料で使える。お得感が半端ない。
あとは、Googleフォトの自動同期設定内で、[モバイル通信でのバックアップ]と[ローミング]をオフにしておく。これで、どこかのWi-Fiスポット、またはホテル内のWi-Fiにつなげたときだけ写真や動画がGoogleフォトにバックアップされるようになる。これでパケット(今ふうに書けば「ギガ」)を節約できる。
結局、一週間の間に使ったパケット(ギガ)は2GB未満。あまりにも使わなさすぎたため、6日目と7日目にFacebookライブやツイキャスといった動画配信を何度も行ったにもかかわらずその程度しか消費しなかったのだ。
9月が終わり、利用料を確認したところ、プラス7000円で収まっていた。もし、よく調べもしないで、または調べていても「いっぱいギガがないと……」という不安感に身を任せて、他キャリアのサービスを選んでいたら、この3倍はかかっていたはずである。いやあ、auに世界データ定額というサービスがあって本当に良かった。
と、ぬか喜びしていたのだが、NTTドコモが「パケットパック海外オプション」という、利用開始から24時間980円、しかも3日~7日間の連続利用であれば割引も利くというサービスを提供していることに、執筆中に気づいてしまった。本誌でお馴染みの法林岳之さんも1年半前にこのサービスのレビューを書かれていた。
au回線だけお使いの方にとってはそうした他キャリアのサービスはあまり身近ではないだろうし、「世界データ定額」はオススメできるサービスであることは間違いない。ただ、複数回線を持つ筆者にとっては「もっとしっかり本誌を読み込まねば……」とあらためて感じ入った出来事となってしまったのだった。