みんなのケータイ

+メッセージは始まったけれど……

【AQUOS R SH-03J】

無事に「+メッセージ」をインストールできたAQUOS R SH-03J(右)、Galaxy S8+ SCV35(左)

 NTTドコモ、au、ソフトバンクが5月9日にサービスを開始した「+メッセージ(プラスメッセージ)」。従来のSMSを進化させ、RCSという規格に基づいたメッセージングサービスで、文字だけでなく、写真や地図の情報を3社間のユーザー間でやり取りができる。アプリはAndroidスマートフォン向けが5月9日に配信が開始され、iOS向けはApp Storeの審査が完了次第、公開される予定となっている。

 4月10日に行われた発表会も取材したし、サービス開始直前にはImpress Watch Videoで「ケータイしようぜ!」(2018年5月2日公開分)でもデモ機を使って説明していたので、とりあえず、5月9日になったら、試してみようと考えていた。

 まずはメインで利用しているNTTドコモのAQUOS R SH-03Jにアプリをインストール。最初は設定画面の[ドコモのサービス/クラウド]の[ドコモアプリ管理]からインストールするのかと予想してたけど、そこには見当たらず……。結局、「+メッセージ ドコモ」で検索すると、NTTドコモの「+メッセージ」のページが表示され、そこで「ダウンロード」をタップすれば、インストールされるという流れだった。

 初期設定をして、アプリを起動。最初は端末に登録されている連絡先がそのまま読み込まれ、「+メッセージ」を利用できる相手にはアイコンが表示される。このままではちょっと見づらいので、「+メッセージ」が利用可能な相手だけを表示する「+メッセージの連絡先」に表示を切り替えてみたけど、最初は誰も表示されず……(泣)。

 しばらくすると、本コーナーでもおなじみの石野純也氏が「+メッセージの連絡先」に表示され、「+メッセージマークがついていた唯一の人なので、送ってみました」とメッセージが届く。さすが、率先して試してますね。その後、できるシリーズの編集担当、NTTドコモの広報担当などが相次いで表示されたものの、なかなか「+メッセージの連絡先」に相手が増えない。ちなみに、このAQUOS R SH-03Jで利用している電話番号は、名刺にも刷っていて、端末の連絡先には仕事などでやり取りした人の携帯電話番号などもそれなりに登録してあるんだけど、やっぱり、iPhoneが多いのか、+メッセージなんて知らないのか、気が付いてないのか……。

初の+メッセージは本コーナーでおなじみの石野純也氏から
画面上段を[+メッセージの連絡先]に切り替えると、+メッセージを利用できる相手のみが表示される
「+メッセージ」のアプリでメニューボタンをタップし、[マイページ]-[その他]を選び、[+メッセージの連絡先を更新]をタップすると、連絡先の情報が更新され、相手が増えることもある

 続いて、auで主にプライベート用に使っているGalaxy S8+ SCV33でも利用開始。auのAndroidスマートフォンで+メッセージを利用できるようにするには、従来の「SMS(Cメール)」のアプリをアップデートするんだけど、配信はauのアプリ配信サービス「au Market」から。詳しい手順はauの「+メッセージ」のページに掲載されていたので、そちらを参照しながら設定完了。この回線は元々、プライベートのやり取りに使っているので、連絡先の登録は少なく、「+メッセージの連絡先」もわずか。でも、何も問題なく、スムーズに移行できた。

 そして、最後にソフトバンクのメイン回線で利用しているAQUOS R Compactを移行しようとしたんだけど、ソフトバンクの「+メッセージ」のページに書いてあるように、Google Playストアでアプリを検索したんだけど、インストールはされず、[開く]をタップしてもいつものソフトバンクメールのアプリが表示されるだけ。ソフトバンクに問い合わせたところ、「順次、使えるようにしているので、9日の夕方には使えるようになると思います」と言われたけど、ソフトバンクの他のAndroidスマートフォンでチェックしたところ、「現在、アプリ提供を一部のお客さまに制限しております。」という表示が……。

 その後は本誌のニュースでもお伝えしているように、ソフトバンクは「+メッセージ」と「SoftBankメール」のアプリの公開中止を発表。ソフトバンクは元々、SoftBankメールのアプリでMMS(メール)とSMSをいっしょに扱っていて、このアプリを「+メッセージ」対応にアップデートする予定だったんだけど、自動的にアップデートされて、元に戻したいと思ったユーザーが「+メッセージ」のアプリをアンインストールしたところ、これまでのメッセージ(メールを含む)が消去されてしまうという事象が起きたため、急遽、公開を中止したようだ。ソフトバンクの周知が不十分だったこと、ユーザーの行動(アンインストール)を予測できなかったことなど、いろいろな要素が重なったために起きたことだけど、いずれにせよ、ソフトバンクの詰めが甘かった感は否めない。

 とまあ、ソフトバンクのトラブルはあったけど、とりあえず、スタートした「+メッセージ」。メインの回線で「+メッセージ」の環境を整えてみて、改めに感じたのは、LINEやFacebookメッセンジャーなどを使うようになったことで、スマートフォンの電話帳(連絡先)を更新してなかったという点。これを機に、もう少し電話帳の内容は充実させたいところですな。

 「別にLINEがあるから、いらないじゃん」という考えもあるけど、その点は本誌連載の「新年度に動きはじめたモバイル業界、楽天や「+メッセージ」のゆくえは?」でも説明したように、対象となる使い道がLINEやFacebookメッセンジャーなどと根本的に違うし、携帯電話会社にとっても将来的な展開が控えているので、SMSのバージョンアップ版として、とにかく使っていくしかない。

 ただ、その割に、各携帯電話会社の取り組みの姿勢が中途半端なのが残念なところ。SMSやメールなどで告知したり、Webページに内容を掲載してるけど、もうちょっとユーザーに知ってもらい、理解してもらい、使ってもらうように、工夫が必要じゃないですかね。このまんまじゃ、本当に埋もれてしまって、いざというときに役に立たないかも……。もっとも「+メッセージ」に限らず、ここのところ、各社共、サービスや料金プランも含め、発表しっぱなし、提供しっぱなしで、ユーザーが付いて行ってないものが多いような気がするのですが、いかがでしょうか?>各携帯電話会社及び関係各社のみなさん