みんなのケータイ
今年はニコ生+AbemaTV+DAZNでプロ野球をネット観戦
2018年5月16日 06:00
筆者はプロ野球チームの横浜DeNAベイスターズのファンだ。今年のベイスターズは選手層が分厚くなり、例によって好不調の波は激しいものの、勝っても負けても見ていて楽しい試合が多いので、中継はなるべく見逃したくない。
プロ野球の中継は、どの球団が試合を主催するかが大きく影響する。ベイスターズはネット配信に積極的で、ベイスターズの主催試合はニコニコ生放送とAbemaTVで無料視聴が可能だ。ベイスターズの主催試合は無料の地上波・BSでは中継されないことも多く、ニコニコ生放送やAbemaTVはベイスターズの活躍を気軽に満喫できる、非常にありがたい手段なのである。
しかし当たり前のことなのだが、ベイスターズの主催試合、いわゆるホームゲームは年間の試合のうち半分だけで、残り半分は対戦相手の主催試合、いわゆるビジターゲームとなる。ホームゲームが無料ネット配信されるだけでもベイスターズファンは恵まれているが、ビジターゲームが面白い展開だったりすると、それを観戦できないのが非常に悔しい。
ベイスターズ以外の球団のネット配信への対応がまちまちで、まとめて視聴できるネットサービスはなかった。しかし今年はスポーツ中継専門サービスの「DAZN」が読売ジャイアンツの主催試合以外を配信することとなった。昨年のDAZNはベイスターズとカープのみだったが、今年はスポナビライブが動画配信から撤退するのに伴い、DAZNの守備範囲が一気に広がっている。
ジャイアンツの主催試合は日テレなどで中継されることが多いので、DAZNで配信されなくてもあまり困らない。広島東洋カープも「広島県内ではDAZNで配信しない」というナゾの制限があり、カープの主催試合を視聴するときは位置情報の確認が必要だったりするのだが、東京在住の筆者にとっては関係ないし、広島県内ではほぼ必ず地上波で試合が中継されるみたいなので問題ないハズだ。
今年、筆者はDAZNに契約した。DAZNの月額料金は通常1750円だが、NTTドコモ回線契約があるので980円で済んでいる。ほかのさまざまなスポーツ中継も見放題なので、それらも見ないと損かなとも思ったのだが、プロ野球中継だけでも十分に格安だ。980円なんてウチからハマスタへの交通費くらいなもので、1750円でも外野席1枚しか買えない。
DAZNは画質も良く、過去の試合もダイジェストやフルタイムで視聴できるなど機能も充実しているのだが、遅延がやや大きいという欠点を抱えている。筆者の体感で、数分の遅延があったこともあった。大抵の場合、プロ野球ファン必携の「スポナビ」のアプリの得点速報の方がだいぶ早いので、ネタバレに注意が必要だ。それも遅延が大きいと酷いネタバレで、守備中に得点通知があったから、「あー、この打席でホームラン打たれるか」と思っていたら、連打で1点失点、しかもランナー1-3塁みたいなことがある。失点することだけ伝えられる苦しさ、おわかりいただけるだろうか。
筆者の体感だと配信のタイムラグはDAZNが最大で、次にAbemaTV、最速はニコニコ生放送で、ニコニコ生放送はスポナビアプリの得点速報通知とほぼ同じ印象だ。だからAbemaTVとDAZNで視聴するときは(ニコ生も遅延が大きめのときは)、Apple WatchもしくはiPhoneを「おやすみモード」に切り替え、通知をあえて停止している。中継を視聴するiPadにはスポナビアプリは入ってないので(iPad版がないのである)、おやすみモードに切り替える必要がなく、マルチログインに制限のあるLINEなど以外なら各種通知の確認は可能だ。
遅延の問題もあるが、ニコニコ生放送やAbemaTVにはさらに別の魅力もあるため、DAZNはほぼビジターゲーム専用とし、ホームゲームはニコニコ生放送かAbemaTVで視聴している。
ニコニコ生放送の魅力はなんといってもコメント機能とその見やすさだ。画面全体で映像を表示しつつ、コメントをオーバーレイ表示できるので、コメントの文字が大きく読みやすい上にコメントが流れる速度も感じやすい。また、AbemaTVよりも先にベイスターズ中継を始めていたせいかユーザー層の違いなのか、古参のファンも多く、コメントに昭和の野球観戦っぽさがあり筆者的に楽しい。また、基本的に解説者なし、実況1人のみの体制で、実況担当アナウンサーもコメントを積極的に拾ったり、放送自体が緩くて自由な雰囲気なのも魅力である。
ただ、ニコニコ生放送は遅延が小さい代わりに画質が悪く、打球や選手の表情が見えにくかったりする。善し悪しではあるが、コメントが殺到すると試合自体が見えにくくなる。また、視聴者数が増えすぎると、有料会員でない限りどんどん追い出されてしまう。筆者は今年は有料会員ではないので、試合途中に追い出されることが多く、そうしたときはAbemaTVに避難している。
AbemaTVはニコニコ生放送よりもやや遅延が大きいが、画質はかなり綺麗で、打球や選手の表情も見やすい。映像も独自製作で、AbemaTVオリジナルのインタビュー映像も流されたりする。実況だけでなく元プロ野球選手の解説者もついていて、地上波にも負けないクオリティだ。しかも解説者がコメントに反応したりするのも面白い。
また、AbemaTVのアプリはiPadのマルチタスク機能である「SplitView」にも対応していて、ほかのアプリと同時表示できるのも便利だ(DAZNも対応している)。ただ、AbemaTVのコメントはニコニコ生放送と違って画面外表示となるので、コメントを読みたい場合は映像を縮小しないといけないのがやや残念である。
ニコニコ生放送とAbemaTVではともにコメント独特の応援が行われる。たとえば筒香の打席は応援歌の「ゴー! ゴー! ツツゴー!」部分を簡略化して「55225」とコメントしたり、「ハマのプーさん」とも呼ばれる宮崎の打席ではハチミツの絵文字が並んだり、ロペスがレフト方向に大きなファウルを打つと「いつもの」のコメントが流れたりする(ロペスはそのあとレフトに長打を打つことが多い)。これらのコメントは仕込みとかではなく、視聴者が応援の一環として入力するのだ。筆者もよくコメントしている。
このコメントを活用した野球観戦は、球場ともテレビとも違う魅力があり、慣れてしまうとなかなか離れられない楽しさがある。DAZNやテレビ中継で観戦していると、コメントがないことに若干のさみしさを覚えるくらいだ。
ニコニコ生放送、AbemaTVともにベイスターズの主催試合しか中継していないので、基本的にベイスターズファンが集いやすい。そんな環境でも、口げんかではないが、時として選手やチーム、他チームファンを貶めるコメントを見かけることもある。しかし筆者は、「すべての選手・チーム・ファンを尊重してこそ、プロスポーツの応援は成立する」と考えている。悔しさを共有するのもコメントの役割のひとつだが、誰かを傷つけたり貶めたりするようなコメントは控えつつ、そうしたコメントはスルーして、今年も楽しくベイスターズを応援をしていきたいと思っている。
……でも筒香はもうちょっと打ってくれ、そんなもんじゃないとみんな信じてるぞ!