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ホテル備え付けの完全無料レンタルスマホ「handy」を試す

無料レンタルスマホ「handy」

 ホテルに設置される無料レンタルスマホ「handy」を使ってみました。

 「handy」は主にホテル客室に設置されるスマートフォンで、香港・シンガポールなどのホテルで多く導入され、日本国内でも徐々に導入するホテルが広がっています。

 ホテルに宿泊中、handyを使った4G LTEデータ通信や音声通話が使い放題となり、客室に滞在中だけでなく外出時に持ち出して利用することもできます。

ホテルの滞在期間を設定して利用開始

 handyを導入するホテルでは、客室内にhandyが設置されるため、handyの利用に伴ってホテルのフロントでの手続や、チェックインの際に貸出手続などを行う必要はありません。handyを使い始める際に滞在期間の選択など簡単な初期設定を行うことで、すぐに音声通話・データ通信が利用できます。

 筆者が確認したところ、handyはVoIPによる音声通話と4G LTEデータ通信が利用可能でしたが、ドコモの携帯電話番号へ発信してみると、発信者番号は「非通知設定」と表示されたため、折り返しの電話を受ける、相手からの着信用に用いるなどの使い方は難しいことも考えられます。

発信元の電話番号は表示されなかった

 それでも、旅行などで日本を訪れる訪日客向けのプリペイドSIMカードでは、音声通話に対応しているSIMカードやサービスの選択肢が少ないため、無料レンタルされるスマートフォンで音声通話が使えるのは使い方次第で貴重な連絡手段となりそうです。

 旅行中に筆者がよく使う音声通話の使い方としては、タクシードライバーが目的地(主にホテル)までの道をよくしらない場合に、ホテルに電話をかけてドライバーとホテルのスタッフ同士で(=現地語で)やりとりしてもらうなどの使い方をしています。

 筆者が滞在したホテルの「handy」では、Wi-Fiテザリング機能は無効化されていたため、「handy」をWi-Fiルーター代わりに使うことはできませんでした。「handy」の発表会での説明によると、テザリング機能の有効・無効は「handy」を導入するホテルとの契約によって定められるもので、宿泊客が追加料金を支払いしてテザリングを利用するなどのオプションは提供されていません。

 「普段使いしているスマートフォンを旅行中でも使う」という目的で言えば、借り物のスマートフォンが通信料を含めて無料利用できるのではなく、普段使っているスマートフォンがそのまま使えることがベストと言えます。handyはユーザーの料金負担が無いことが大きな特徴のサービスですが、有料オプションでも良いのでWi-Fiテザリングが使えたら助かる、というケースはありそうです。

香港のホテルに設置された「FREEDY」

 「handy」と同様に、ホテルの宿泊客向けに提供される無料スマートフォンは複数のサービスが提供されています。筆者が香港のホテルに滞在中に利用した「FREEDY」というサービスでは、音声通話や4G LTEデータ通信が使い放題となるだけでなく、Wi-Fiテザリングも利用できたため、普段使いしているスマートフォンからインターネット接続するための回線としても大活躍しました。

 これらの無料スマートフォンレンタルサービスは、旅行代理店が提供するホテル検索サイトのホテルのサービス紹介には明記されていないことも多いため、サービスを試してみたい方はホテル名+サービス名で検索する、あるいはレビューなどをチェックする必要があり、少々手間がかかります。

 今後、「ホテルで使える無料スマホ」が一般的になってくれば、検索条件の絞り込みなどで「無料スマホ」というような項目が設定されるかもしれません。