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ホテル向けスマホレンタルのhandy、ソフトバンクと資本・業務提携

handy経由のテザリングを無料化

 ホテル向けのスマートフォンレンタル事業「handy」を展開するhandy Japanは、ソフトバンクからの第三者割当増資を受け、同社と資本・業務提携すると発表した。

(左から)handy Japan CEOの勝瀬博則氏、handy事業を立ち上げたMango International CEO、Think Labs Ltd. Founder & CEOのTerence Kwok氏、ソフトバンク 代表取締役 社長執行役員 兼 CEOの宮内謙氏

 handy Japanは、昨年7月からサービスをスタート。サービスではhandyの日本進出にあたり出資したシャープ製のAndroid端末が用いられ、宿泊客はIP電話による通話サービスやWebブラウザや地図などの各種アプリなどを無料で利用できる。

 同社では、ホテル側から得られる1室あたり月額980円(ベーシックプラン)という収益のほか、クーポンなどの広告配信で得られる収益で運営コストを賄ってきた。現在までに国内ホテルの30%にあたる1700ホテル、24万室に同社の端末が導入されており、今回のソフトバンクからの出資や業務提携により、この勢いを加速させる意向。

 「さまざまなシナジー効果が期待できる」と語るのは、handy Japan CEOの勝瀬博則氏。同氏は、2日に都内で開催された発表会で「Hotel IoT、Travel Agent、Mediaの3つの領域で旅行業界に革命を起こす」と述べた。

 Hotel IoTについては、既存の客室管理システムに連携させる形でスマートロックや無人チェックアウト、精算業務の自動化などを行う。スマートロックについては、鍵メーカーごとの異なるユーザーインターフェイスをhandy側で吸収し、どの鍵でも同じ操作性を実現する。

 Travel Agentについては、タクシーの配車や宅配サービス、決済サービスなどの機能をhandyに取り込む。宿泊客は各種サービスで料金を宿泊料金とまとめて支払う。

 Mediaについては、客室内にhandyとあわせて組み立て式のVRゴーグルを置き、それらを組み合わせた各種コンテンツを提供する。宿泊客はVRゴーグルを無料で持ち帰ることができる。

handy経由のテザリングを無料化

 この日の発表会の目玉として明らかにされたのは、handy経由でのWi-Fiテザリングの無料化。これにより、宿泊客は無料のデータ通信環境を手に入れられ、別途モバイルWi-Fiルーターをレンタルするなどして通信環境を確保する必要がなくなる。

 ただし、同サービスのコストはホテル側が負担する仕組み。テザリング以外の各種新サービスも利用できるようになるが、料金は1室あたり月額2980円となる。

ソフトバンク宮内氏「handyはホテルを再定義」

 発表会には、ソフトバンク 代表取締役 社長執行役員 兼 CEOの宮内謙氏も同席。同社としての資本・業務提携の狙いを語った。

 宮内氏は「スマホが出て11年。これで世の中が大きく変わった。これからはAI、IoT、ロボット、シェアリングエコノミー。handy Japanのビジネスは代表的なもの」と語る。IoTの時代が始まり、そこから発生する膨大なデータをAIが処理する。同氏は「handyはスマートフォンを超えたIoT Platform」と表現する。

 「handyはホテルをRedifinition(再定義)した素晴らしい人たち。それが私たちが出資し、ジョイントでやりたいと思った理由」と語る宮内氏。まずは傘下のHOTEL MYSTAYSで新サービスを先行導入してチューニングを進め、ソフトバンクの法人営業部隊が全国展開を進める。