スタパ齋藤のコレに凝りました「コレ凝り!」

ドライバーのビットをスムーズに使いたい!

ドライバーはビット式が便利、でもビットホルダーがイラつく~

 今回はドライバー関連のちょっと細かい話。先端を交換して使うタイプのドライバーの、先端部分、つまりビット関連の話です。

左写真にあるものが各種ビット。一般的に流通している6.35mm(1/4インチ)の六角ビットです。中央写真はビットホルダーやラチェットドライバーや板ラチェットなどの「握り部分」。握り部分にビットをセットすると、ドライバーとして使えるようになります。

 ビット交換式のドライバーって便利ですよね。とくに工具をたまにしか使わないような家庭用としては、ビット交換式のドライバーは握り部分を共用しますのでコンパクトに片付きます。必要なビットのみを買い揃えれば特殊な用途のネジ回しも可能。ビットの価格は、短いタイプならブランド品でも100円前後から数百円といったところ。

 また、世界最高レベルのビットを買って普通の握り部分に装着すれば、とりあえず「世界最高レベルのネジの締め心地・緩め心地」を味わえたりもします。世界最高レベルのドライバーだと1本数千円したりして、各ネジ用に何本か揃えるとすぐに1万円オーバー。まあその分、ネジの締め心地・緩め心地は非常にいいわけですが、業務でないとちょっと手を出しにくいですね。

 でもビットなら世界最高レベルのものでも1本数百円程度。必要なビットを揃えても意外に安価。さらに、ビットに合わせて世界最高レベルの握り部分を1本買っても、そーんなに高くはない。高品質のビットを使うだけでも「あっこんなに違うんだ!」と体感できますので、ビット式のドライバーは高コスパ。そんな観点からも、やっぱりビットってステキな存在です。

 です、がッ! ビットって、使う時にイラつきませんか? 小さい部品なので落としやすいとかってのもあるんですが、何よりイラつくのが、ビットホルダー。工具セットとかビットセットとかを買うと付属する、ビットを収納しておくホルダーです。

左は藤原産業の「SK11 スリムラチェットドライバーセット SRD-224」(公式ページ)。非常に優れたポケットサイズのラチェットドライバーなんですが、ビットホルダーがよろしくない。筆者的には、まるでダメ。右は単品で売られているビットホルダー。これらも筆者的には、かなりダメ。写真に含まれるビットホルダー部分は全部、ほんとに、すご~く、使いにくい。

 写真のビットホルダーのどこがイラつくのか使いにくいのかと言うと、ビットを抜き差ししづらい点。たいてい固すぎて、とりわけ短いビットだと抜くのに一苦労。抜っけねぇ~! 指が痛ぇ! 長いビットならちょっと抜きやすくなったりしますが、それでも抜き差ししづらい。固いビットホルダーが原因で、作業効率が著しく低下します。
 なお、上の写真に写っているものだけでなく、このテのたいていの樹脂製ビットホルダーは使いにくい。固くてビットを抜きにくい。オイルを塗るとか、長いビットで穴をグリグリこじるとかすれば、多少使いやすくなります。が、それもソレで面倒。「固すぎビットホルダーどうにかなんねんのかよっ!」と怒っている人は少なくないと思います。

超絶ド定番のビットホルダーはコレだ!

 そこで筆者オススメのビットホルダーをご紹介します。筆者的には圧倒的に使いやすくて「超絶ド定番」となっているビットホルダー。モノは藤原産業の「SK11 スクリューDVビットホルダー BH-1」(公式ページ)です。↓コレ。

藤原産業「SK11 スクリューDVビットホルダー BH-1」。10本のビットをセットできるビットホルダーで、シリコーンのような柔軟な樹脂でできています。本来は右写真のようなベルトや工具袋に吊せる金具が付いています。ネット通販では200円前後で売られているようです。

 このビットホルダーを20年くらい前から使っているんですが、現在もまだ現役状態のタフさですし、加水分解的な劣化もありませんし、それよりも何よりもヒッジョーに使いやすい! ビットの抜き差しがスムーズ。指が痛くなるようなこともない。素材に適度な抵抗感があるので、ビットが脱落するようなこともほぼナシ。サイコーに実用的なのでぜひ使ってみてください。

 ちなみにこのビットホルダー、6.35mm(1/4インチ)の六角ビットなら何でもセットできますが、短いビットなら穴の両側に1本ずつで合計20本セットすることができます。また、カッターでサクッと切れる素材なので、半分に切って最小サイズのビットホルダーとして利用するのも現実的。

半分にカットして使うのも現実的。片端中央にストラップホール的な穴があり、吊しての利用も現実的なので、その部分を活かすようにカットしてみました。ちょっと斜めに切っちゃいましたがご愛嬌。これでも問題なくビットをホールドしてくれます。なお、長いビットを右写真左側のように奥まで差し込むと、やや抜き差ししにくくなります。十分保持力があるホルダーなので、ビットを浅めに差しておくのがオススメです。

 オマケ的に次点を挙げますと、PB SWISS TOOLSの「C6 970」(公式ページ)もちょっとイイ感じ。ビットの脱着が容易なホルダーです。

PB SWISS TOOLS「C6 970」。やや硬質な樹脂で作られたビットホルダーで、ビットを上下方向で脱着することも、横から脱着することもできます。ネット通販では500円前後で売られているようです。

 PBのコレ、使いやすいんですけど、使っているとだんだん緩くなってくるのがイマイチ点。ハードな使い方だと寿命が短めかもしれません。てな感じで、筆者的にはイチオシが「SK11 スクリューDVビットホルダー BH-1」、次点が「C6 970」です。

もっと手間なくビットを扱うには?

 ビットを抜き差ししやすいビットホルダーを使えば、作業効率が上がりつつ、イライラも解消されてイイ気分に♪ とは言っても、ビットホルダーに対するビットの抜き差しって、基本的にちょっと面倒な手間ですよね。これを解消するには?

 いい方法があります。磁石を使う方法。もの凄く単純なことなので、写真と説明文でご紹介しましょう。

最も簡単な方法。ネオジム磁石にビットを吸着させるだけです。直径約20mmのコイン状ネオジム磁石なら8個くらいまでの短いビットをホールドできます。ホールド力も強く、ビットの脱落もほぼありませんが、指で簡単にビットを外せます。スチール製の工具箱や棚などにネオジム磁石をくっつければ、その部分がビット吸着式ホルダーになります。なお、ネオジム磁石によっては「ちょっとホールド力が弱いかな?」と感じられることもあります。その場合はネオジム磁石を2枚重ねにして使ってみてください。
ネオジム磁石にビットを吸着させ、それをラチェットドライバーに吸着。直径約20mmのコイン状ネオジム磁石を使った場合、短いビットならラチェットドライバー両面に合計8個くらい吸着できますね。長いビットなら両面に合計4本くらい? ともあれ、ネオジム磁石+ビットの組み合わせは全体が非常にコンパクトになりますので、機材を小型軽量化したい自転車野郎向けかもしれません。ただしそのままだとビットがズレたり汗で工具が錆びたりすると思いますので、携行時はビニール袋などに入れるといいでしょう。
ネオジム磁石ほど強力ではないマグネットプレート。これも吸着式のビットホルダーとして役立ちます。壁などに貼ってもいいですね。ただし、ビットの重さなどによっては安定的にホールドしてくれないこともあります。
これはマグネットクリップ。冷蔵庫などに磁力でクリップを吸着させ、そこにメモなどをクリップできるというグッズです。マグネット面にビットを吸着させ、クリップで工具袋などを挟めば、いろいろな箇所で吸着式ビットホルダーを利用できるようになります。
大きめのマグネットクリップ。クリップの開口部が大きく挟む力も強いので、工具袋のポケットなどのほか、棚板やテーブルの端に留めることが可能。ちょっとした取っ掛かりがあれば、どこでも吸着式のビットホルダーになるというわけです。なお、上の小さめのマグネットクリップでこの大きめのマグネットクリップも、長めのビットを安定的にホールドさせられます。

 てな感じのマグネット小技を使うと、ビットの扱いがより快適になります。普通一般のビット類は磁石にバッチリくっつきますので、手近にある磁石をぜひビットホルダーとして使ってみてください♪

スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。