スタパ齋藤のコレに凝りました「コレ凝り!」

ドイツWera社のハンドツールって凄いかも!

六角レンチが滑る~

 スポーツ自転車の調整や整備に最も使われる工具と言えば六角レンチ。ヘキサゴンレンチ、ヘックスキー、アーレンキーなどとも呼ばれますが、六角形の穴があるネジを回すための工具です。筆者はサイクリング中にサドルの調整を行いがちなこともあり、コンパクトな六角レンチセットを携帯して走っています。

六角レンチの多くがL字の棒状ツールで、先端が六角形になっています。右写真は筆者が携帯している六角レンチセット。手のひらサイズでコンパクトで軽量。気に入っていたんですが……。

 上の右写真の六角レンチセットをサイクリング中に使っていたんですが、これ、表面がツルツルしているのでちょっと使いにくい。というか、やや慎重に使わないと六角ネジの穴のエッジをナメる危険がある。しっかり保持して使わないと、ネジ回し中に不意に六角レンチが抜けてくるんですね。そこに力をかけちゃうと、ネジ穴の端にトルクがかかりつつ六角レンチが抜けるカタチになり、ネジ穴エッジをナメちゃう、と。レンチ自体はフツーに実用的な精度・堅牢性なんですけどネ。

 携帯には便利な六角レンチセットでしたけど、いつか六角ネジの穴を壊しちゃうかも。じゃあ滑りにくい六角レンチを携帯しよう。

 似たような六角レンチでも、ネジ穴にけっこうガッツリ食い込む感じで、ネジ回し中に抜けたりしにくい製品もあります。例えばVESSEL(ベッセル)の「レインボール L型レンチ」(公式ページ)。

VESSELのレインボール L型レンチ。独自の「Ultra Hex(ウルトラヘックス)」を採用し、ネジ穴に3点・3面で接触するため、ネジ穴の変形が少ないとのこと。
筆者が持っている「滑りにくい六角レンチ」もVESSEL製。明記されてはいませんが、よく見るとこの六角レンチも「Ultra Hex」採用品のようです。でも携帯するにはチト大きい~。

 上の金色の六角レンチセットは使い勝手がいいんですが、でも大きい。携帯向けではありません。じゃあ携帯向けサイズの滑りにくい六角レンチセットを買おう♪

Weraの六角レンチがイイ!

 どの六角レンチを買おうかとアレコレ調べていたら、Wera(ヴェラ/ベラ)社の小ぶりの六角レンチセットを発見。一部自転車野郎に超絶大人気のブランドです。70年以上の歴史があるドイツの老舗ハンドツールメーカーですね。

 で、Weraの六角レンチには「Hex-Plus(ヘックスプラス)」(公式ページ)が採用されています。独自の面接触構造で、六角ネジ穴の内側を傷めずネジの長寿命化に貢献、高いトルク伝達率により作業効率もアップするそうです。なるほど。良さそう。じゃあソレ!

こんなのを購入。たぶんコレ(公式ページ)です。Amazonで3000円弱でした。写真だとわかりにくいですが、レンチの六面がそれぞれ若干凹んでいます。
Hex-Plusのイメージ図。左が普通の六角レンチで、右がHex-Plus。普通の六角レンチはネジ穴に点で接触するのに対し、Hex-Plusは面で接触。これによりネジが傷まずトルクもしっかりかかるというわけです。

 なんかスゴそう! 理屈的にはよくわかりますが、実際どうなの? 早速使ってみました。

 結果、非常にイイですこの六角レンチセット! 六角レンチがネジに食いつく感覚。前出のVESSEL Ultra Hex採用品と似た使用感ですが、筆者はWera製のほうが「ネジへの食いつきがいい」ような気がします。というわけで、以降この六角レンチセットを携帯しています。

購入したWeraの六角レンチセットは、やや柔軟な専用ホルダーに入っています。パカッと開くホルダーで、ロック機構(緑色のスライド部)も備えています。細かいところもなかなかイイ!

 ただ、太いほうの3本の出番がほとんどないんですよね。太い方まで携帯するとちょっと重い。かと言って太い3本を抜いた状態で携帯すると、ホルダーがなーんか無駄に嵩張る。ので、ホルダーをカットして分離しちゃおうかな? ん~でもせっかくの専用ホルダーでロック機構もなかなかイイので……どうしましょ。

ラピッドアダプターがスゲくイイっ!

 その後、購入したWeraの六角レンチセットを自宅での自転車整備にも使いましたが、やっぱりネジへの食いつきが良くてイイ。指先へ伝わる情報量? みたいなのも多いような感じで、「あっこの状態でネジがギリギリまで締まっている」的な繊細な使い勝手もあります。ん~イイなWera! 急激にWeraへの関心が高まってきた筆者です。

 で、他になんかイイ感じのWera製工具ないかな~、と探していたら、ステキな工具セットを発見。「Tool-Check PLUS」(公式ページ)という製品です。

WeraのTool-Check PLUS。7種類のソケット、19種類のビット、ビットホルダー(ドライバーの握り部分で先端にビットを装着して使用)、ラチェット、それからビットアダプターがセットになっています。これがあれば家庭でたいていのネジを回せる感じの全部入りセット。見栄えもツールの収まり具合も美しい!

 わ~美しい! ま~カッコイイ! Amazonで8790円もしましたが即買いです。やはり工具というのは購入時に後ろめたさを感じにくくてイイですね。今は不要な工具だけれども……必ずや役立つ時が来る! Weraだし役立ち方も痛快な気がする! これは私の人生を豊かにする必須の工具なのだ! 買わねば! みたいな。

 さておき、この工具セットを一通り使ってみたら、あるツールから大きな衝撃を受けました。ツールセットに含まれている「Radidaptor(ラピッドアダプター)」(公式ページ)です。ビットホルダーの先端を延長したり、ビットの脱着を行いやすくしたりする多機能なアダプターですが、このテのアダプターとしては筆者が知る中で最強ですコレ!

右端にあるグリーンの帯があるのがRadidaptorです。Radidaptorには、横に並んでいる長さの違うビットをどれでもセットできます。で、右写真のように、ビットホルダー式のドライバーハンドルに装着して使えます。ビットをそのままドライバーハンドルに装着すればいいのでは? とも思いますが、例えばクビレがあるタイプのビットに対応するハンドルに短いビットを装着すると、奥まで入ってしまったりビットがすぐ外れてしまうなどして実用にはなりません。そんな時にこのアダプターが大役立ち。
Radidaptorへビットを装着する時は、先端を前方に出した状態にします。その状態のRadidaptorにビットを押し込むと、自動的に先端が後退し、ビットがロックされます。ビットを抜く時は、Radidaptor先端部を軽く前方に引っ張りつつビットをビットを掴んで抜き取る感じなので、片手で行なえます。ビットの抜き差しが非常に手軽です。

 Radidaptorはビットの抜き差しが手軽なビットアダプターです。とても使いやすい。のですが、凄いのはソコじゃない!

 何が凄いかって、ビットがしっかりとロックされること。ロックされたビットはまず抜けません。クビレのあるビットが抜けないビットホルダーは多々ありますが、短いビットを(磁力などで)セットできるホルダーって、ビットの保持機構が(磁力頼りだったりして)弱く、作業中にビットが抜けたりするじゃないですか。Radidaptorにはアレがない! 凄い! 偉い!

 って、短いビットをガッチリとホールドするホルダーを筆者が知らないだけかも、ですけど、やっぱりRadidaptorサイコーにイイ! 最高に実用的だから人生を豊かにすべくもっと買わなくちゃ! というほど気に入りました。

 とまあ、Weraの工具がイロイロとイイぜってだけの話なんですけどね。ともあれ、Wera工具に興味のある方は、ぜひHex-Plusの六角レンチやRadidaptorを試してみてください。なお、Radidaptorは単体でも販売されています(ちょっと高いけど)。

スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。