スタパ齋藤のコレに凝りました「コレ凝り!」
e-bikeのハンドル交換、もっとラクに乗りたい!
2019年10月30日 06:00
アリガチな「ずっと乗っていると手首が痛い」問題
2018年の春からe-bikeにガッツリとハマっている筆者。いろいろなe-bikeを試しつつレビュー記事を書いたりしていますが、それらは「e-bike Watch」で読めますのでゼヒ。
さておき、現在筆者は2台のe-bikeを持っておりまして、暇さえあればそれらe-bikeでサイクリングを楽しんでおります。車種は、MIYATA(ミヤタ)の「RIDGE-RUNNER(リッジランナー)」(レビュー記事)と、Tern(ターン)の「Vektron S10」(レビュー記事)。
2台とも非常に快適に乗れるe-bikeなんですが、ひとつ共通した問題が。どちらもハンドルが棒状のバーハンドルなので、長時間乗っていると手首や掌が痛くなってくるんです。まあこれはe-bike云々ではなく、自転車全般に共通する問題でなんですけどね。
バーハンドルは軽くてシンプル。スポーツ自転車で多用されている形状のハンドルです。
ただ、手首が横向きになり続けるので、長時間そのままの状態だと手首や掌の痛みや痺れが出がち。また、腕や肩などにも痛みが出たりします。まあ本来の人間の手首・腕などの動きからすると不自然な状態なので、その悪影響ですね。
筆者の場合、特に手首の痛みが。RIDGE-RUNNERでもVektron S10でも、10kmくらい走り続けるとちょっと手首に違和感が出てきて、握り替えたり持ち替えたりしたくなります。20km以上走り続けると痛みを感じる頻度が増加。40kmくらい走り続けると、手首の痛みが我慢できなくなり、停車して休憩したくなります。さらに10km20kmと走り続けると、頭の中は手首や腕の痛のことだらけ。「早く帰りたい」と思うように。
結局、「この手首の痛みさえなければなぁ」という感じ。ロードバイクで定番のドロップハンドルだと、筆者の場合は手首の痛みが出にくいです。
RIDGE-RUNNERやVektron S10のハンドルをドロップハンドルに交換するという手もあるんですが、MTBにドロップハンドルはかなりヘンですし、Vektronのほうはハンドル取付部が特殊機構なのでなかなか難しい。また、バーハンドルをドロップハンドルに交換した場合は、ブレーキやシフターなどもドロップハンドル用にする必要があり、かなり面倒。
手首の痛み対策として、バーエンドバーと呼ばれるパーツの装着があります。バーハンドルに直交する棒状のパーツを取り付けて、そこに手を置けるようにするという方法です。
バーエンドバーは、バーハンドルにありがちな手首の痛み対策に効果的。なのですが、e-bikeだとこれも微妙に問題が。
上の右写真のように、e-bikeにはディスプレイやボタンがあるので、バーエンドバーを取り付けると「ハンドル上にほとんど余裕スペースがなくなる」んです。特にRIDGE-RUNNERはハンドル太さが途中から変わるタイプのライザーバー(少し上に上がっているハンドル)なので、各パーツを取り付けにくく、しかもバーエンドバーの位置調整も難しい。
ん~どうしましょう。手首の痛み対策をしたいけど、なかなかいい方法がない……。
バタフライハンドルに交換してみよう!
走行中に手首が横向きのままになりがちなバーハンドル。時々ハンドルの端を持って手首を縦にするなどのちょっとした対処策はありますが、長距離を走るとそれも焼け石に水、みたいな。もっと手首の向きや手の位置を自由に選べるハンドルがあればいいのに、と思って見つけたのがバタフライハンドルです。
バタフライハンドルは蝶が羽を広げたような、8の字っぽいカタチのハンドルです。マルチポジションハンドルとも呼ばれ、手を自由な位置に置けて、乗車姿勢をかなり変えられるのが特徴。↓こんなの。写真と説明文で見てみましょう。
バタフライハンドルの使用感ですが、手を置く位置が増えて手首角度も様々に変えられてイイ感じ。手首の痛みが大幅に抑えられ、快適です。また、取り付け位置や角度によっては、前傾ポジションにもなれるし体が起き上がったアップライトなポジションも取れるしで、なかなか実用的です。
でも見栄えがちょっと独特に。どうしてもハンドル周辺がごちゃごちゃして見えます。また、ブレーキに指を添えつつ走りたい場合は、やはり手首が横向きになるあたり、まだちょっと制限がある感じなのでした。
手首も姿勢もラクなプロムナードハンドル
バタフライハンドル以外で手首がラクになるハンドルはないかな~と調べていたら、あっコレか~というのが浮かび上がりました。プロムナードハンドルです。ママチャリとかによくあるカタチの安楽形状のハンドル。手首もラクで、乗車姿勢もアップライトになってラクになります。これも写真と説明文でどうぞ。
プロムナードハンドルの使用感ですが、筆者の場合は「手首の痛みがほぼなくなった」という感じです。凄い効果。サイコーに快適。バーハンドル用のブレーキやシフターも問題なく装着できました。
乗車姿勢もアップライトになり、首や肩や腕の痛みも減少。プロムナードハンドルにしてから、サドルにドカッと腰掛けて走るようになったので、お尻の痛みが少々出始めました。ですが、同時期に非常に実用的な自転車用品を発見。それを使ったことでお尻の痛み問題は解決しました。↓こんなサドルカバーです。
なるほど、こういうサドルカバーは、アップライトなポジションで乗るのに最適だなぁ~と感心した次第。ただ、前傾姿勢でなくなったことからくる別の痛みについて後日知ることになりますが、それは後述します。
さておき、かなり安楽化した2台のe-bike。しかし、RIDGE-RUNNERやVektron S10にプロムナードハンドルが付いていると、なんかこう見栄えがおとなしくなり、精悍さが失われたという感じもあり、オモチャっぽくも見え、ビミョーと言えばビミョーです。疲れ知らずの自転車としてはサイコーにイイ感じなんですけどね。
一瞬ブルホーンにするも、一周回って元に戻る
非常に乗りやすくなったし手首の痛みもなくなった2台のe-bike。ですけど、見栄え的にやっぱりちょっと微妙な感じに。もう少し何とかならないか? ということで、前々から気になっていたブルホーンハンドル(ブルホーンバー)に換えてみました。
ブルホーンハンドルはトライアスロンなどタイムを競う自転車のための、空気抵抗を減らすために使われるハンドルです。大雑把に言って、より前傾姿勢になるハンドル。前方に突き出た部分が牛(ブル)の角(ホーン)のように見えるため、こう呼ばれています。
前出のプロムナードハンドルにより、アップライトな乗車姿勢になって体がラクになったのに、なぜ改めて前傾姿勢? と思いますよね。
実は、アップライトな乗車姿勢が、お尻の筋肉に痛みをもたらすことを知ったのです。筆者の場合だけかもしれませんが、体を起こして自転車を漕ぎ続けると、お尻の筋肉(大殿筋)の付け根あたり(お尻の割れ目の上あたり)が、ヤケに痛くなるんです。特に長時間の登坂の時はそう。漕いでいる途中は強め重めの痛みがあり続けます。自転車に乗り終えた後でクルマを運転したりすると、その部分が攣るほど。
一方で、e-bikeレビューのためにバーハンドルの自転車で長距離を走ってもそういう痛みがほとんど起きません。なので、「どうやらこの痛みはアップライトな乗車姿勢でスポーツ自転車に乗っているせいだな」と思った次第です。
で、前傾姿勢にもなるし、手首を横向きにも縦向きにもできるブルホーンハンドルを試したというわけです。これも写真と説明文で見ていきましょう。
ブルホーンハンドル化した2台もe-bikeですが、手首の痛み対策にはまずまず良好なものの、ブレーキやシフターの位置設定にけっこう困りました。本来は手を置ける部分がもっと広いブルホーンハンドルですが、Vektronのほうは手の置き場がかなり狭い。やはりブルホーンハンドル専用のブレーキやシフターにしないと、いろいろしわ寄せが来るようです。
お尻の筋肉の痛みについては、ブルホーンハンドルに換えたことで完全に解消しました。まあペダリングをずーっと続けると、それなりのお尻の筋肉の痛みが出たりはしますが、前傾姿勢とアップライトな姿勢とでは、こうも筋肉へのダメージが違うのかと痛感しました。前傾姿勢のほうが筋肉をより効率よく使えているのだと思います。
ともあれ、セッティング的にはイマイチ感の残るブルホーンハンドル。専用パーツを使うほど入れ込んでもいませんので、結局、元のバーハンドルにバーエンドバーを追加するというスタイルに落ち着きました。
筆者的には↑このスタイルがいちばん無難でした。そこそこ前傾しているのでお尻の筋肉の痛みが出ませんし、手首の向きを縦横に変えられて手首の痛みも解消。
e-bikeのハンドル追求の旅を終え、結局は一周回って元に戻る、みたいな。結局は「バーハンドルにバーエンドバーを追加すると手首の痛みを回避できるゼ」って話なのでした。お粗末様。